爆笑問題・田中裕二が明かす「コロナ完治後も感じる恐怖について」 | FRIDAYデジタル

爆笑問題・田中裕二が明かす「コロナ完治後も感じる恐怖について」

「シャープのマスク、コロナにかかった後に当選した」!

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新型コロナに感染し、約2週間の入院を含め、1ヵ月ほど番組の収録やライブを休んだという田中裕二
新型コロナに感染し、約2週間の入院を含め、1ヵ月ほど番組の収録やライブを休んだという田中裕二

「まず喉が痛くなって、入院した初日くらいから頭痛。それが治まったと思ったら、38度前後の熱が、5〜6日も続いた。それといろんなところが痛い。関節というより、全体的に痛い。で、熱がひいたところでこんどは匂いがしない。ちなみにもえちゃんは、味がしなかったって。これは季節性のインフルエンザとは明らかに違うと感じた」

こう語るのは、爆笑問題の田中裕二氏だ。

今年も残すところ1ヵ月、新型コロナ一色の一年だった。国内で初めて感染が確認されたのが1月16日のこと。感染のメインは中国の武漢とされ、まだ対岸の火事であった。翌2月、横浜に入港したダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が確認されると、国内でもにわかに緊張感が高まった。そしてマスク不足が社会現象となる。

そして、今もなおその猛威は止まるところを知らず、目下、第三波に見舞われている。そんな新型コロナに振り回された2020年を、時事ネタ漫才の雄であり、自らも新型コロナ感染の経験を持つ爆笑問題・田中裕二氏と一緒に振り返る。

「2月はまだ、そこまで緊迫感はなかったんだよ。事務所で主宰しているタイタンライブで漫才もやったし。というか、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜に停泊しているときに、TBSのラジフェスをみなとみらい(横浜)でやってたからね。何万人のイベントを。停泊しているのが見えるところでやってたんだもん」

3密も、ソーシャルディスタンスという言葉も生まれる前の頃だ。とはいえ、ワイドショーでは、ダイヤモンド・プリンセス号の様子や、海外では多数の死者が出ていることを連日取り上げ、国民の不安は募っていった。そして政府が動いた。安倍首相(当時)が全国すべての小中高校の臨時休校を決定したのだ。

「うちは子供ふたりが小学校に通ってて。上の子が小学校6年生なんだよ。卒業式まで残り1ヵ月、最後の小学校生活を楽しんで、それから卒業だと思っていたのに。はい、明日で学校おしまいですって言われちゃった。ちょっと待てと。でも、この臨時休校から、いよいよこれは大変な事態になったと感じたね」

オリンピックの延期が決まり、緊急事態宣言が発出される。

──ところで、田中家のマスク事情はどうだったのだろうか。芸能人のマスク事情が気に掛かる。

「うちは夫婦で芸能の仕事をしているから、そもそもマスクを使うのよ。だから、コロナの前から冬場は箱で買い置きしてあるの。ただ、ストックがなくなると困ると思って薬局にいったら、ぜんぜんなくて。これはヤバイと……。でも、そのうち洋服屋とかで、中国の輸入品が並ぶようになって。

そんなのをマネージャーが買ってきてくれたり、家族で買い物しているときに下北沢で見つけたり。そうそう! シャープのマスクも申し込んだけど、ぜんぜん当たらなくて。やっと最近だよ、当選メールがきて一個買ったのは。そしたら次の週もまた当たってさ。つーか、俺はもうコロナにかかってるっつーの(笑)」

夫婦揃って芸能人であり、日頃から感染対策には余念のない田中家だった。ところが、8月末に妻である山口もえさんの新型コロナ感染が判明する。

「奥さんが風邪っぽいって病院に行ったんだよね。それで新型コロナの検査をしたのよ。これは自費検査だからすぐに受けられた。で、陽性反応が出て。この時点で家族全員が濃厚接触者とされた。で、明くる日の朝には自分も喉が痛くなってきて……」

ご存知の通り、田中裕二氏の結果も陽性であった。その症状は、冒頭でのべた通りに通常の風邪やインフルエンザとは違ったそうだ。そして季節インフルエンザとなにより違うのは、真夏で湿度の超高いときに夫婦そろって感染したことだ。およそ2週間の入院となった。

──ところで、新型コロナ感染者の退院手続きはどうなっているのだろう。

「こうした諸々の症状がおさまって、熱も下がった状態が72時間続けば退院できる。みんな意外と知らないんだけど、退院する時にPCR検査はしないの。たしかに、以前はPCR検査で2回続けて陰性にならないと退院できなかった。でも、それをやっていたら病院がパンクしちゃう。というのは、新型コロナが感染するのは、症状が出た前後2日といわれていて、濃厚接触者は発症を起点にしたこの期間しか問われない。なんの症状もなくて、うつす可能性もないのに、延々と入院させないといけなくなるから」

症状がおさまってから72時間で退院することが出来て、退院時にPCR検査をしないのは新型コロナ感染者の退院時のルールなのだそうだ。たしかに厚労省のサイトを確認すると、症状のある患者の場合、発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後 72 時間経過した場合に退院できると記載されている。

「ルールとしては、退院時にPCR検査をしなくてもいいんだけど。俺は、個人的にPCR検査をしてる。もちろん、医者や保健所は検査をしなくていいって言ってるし、社会的には無罪放免なんだけど……。俺は芸能人だし、テレビ局で仕事をしてて──『なんだよあいつ、PCR検査をしてないの?』ってなるかもしれない。だから、『ちゃんと陰性が出ました。しかも2回検査をして陰性が出たので仕事に復帰します』にしている」

無事に退院してテレビ復帰を果たした田中氏であるが、後遺症が気になるところだ。以前、テレビ番組で匂いが半分しか戻っていないと発言していた。

「実のところ、よくわからなくて。匂いがしないときは、アロマオイルを思いっきり吸い込んでも、なんの匂いもしなかった。今は匂いを感じるけど、コロナ以前と比べようがない。どこまで匂いを感じているか、数値があるわけじゃないからわからない。日常に支障なく元気に仕事ができてるんで問題ない。ただ、俺はいまなんともないけど、何年後かになにかが起きるかもしれない」

最後に、新型コロナに感染し、入院したことで感じたこと、気づいたことがあれば教えてください。

「体験してわかったけど保健所のリサーチが凄い! 過去2週間に遡って、どこへ行って、誰と会ったかを詳しく聞かれた。この日はテレビ朝日で収録があってとか、とにかく細かい。あれは頭が痛いときでつらかった。クラスターはこうしたリサーチを積み上げて判断してるんだなって

全国各地でコロナが猛威を奮っています。いわゆる第三波の襲来です。2021年、コロナはどうなっていくでしょう。

「わかるわけない(笑)。俺は8月末に新型コロナに感染したけど、この抗体がどれだけ保持できるかもわからない。だって、まだ新型コロナの1ターン目だから。もっと何ターンも重ねてデータが揃ってくれば、コロナの抗体についてもわかってくるんだろうけど。個人的な感想でいえば、世界的にも子供の死亡率が低いってことが唯一の救いかな」

連日、新型コロナの感染者数が増えたとニュースが喧しい。ただ、田中氏が言うように、2021年は2ターン目になるのだ。中国の武漢で謎のウイルスが蔓延していると、未知のウイルスに怯えた1ターン目とはまるで違う。まだまだ我慢を強いられる場面は多いだろうが、1ターン目で得た知見で、わたしたちは第三波を乗り切るのだ。

  • 文・撮影ハギワラマサヒト

    1967年生まれの臓器移植芸人兼ライター。人生で二度の臓器移植を体験し、移植医療普及の活動をしている。2000年に日本人初の肝腎同時移植をアメリカで、2015年に国内で妻より生体腎臓移植。

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