ベテラン芸能レポーター・石川敏男が見た渡部建「会見失敗のワケ」
芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”㉜
<芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”㉛>
多目的トイレでの女性スキャンダルで無期限活動自粛中の「アンジャッシュ」渡部さんの復帰はかなり遅れそうだ。11月中旬に収録が済んでいた年末特番『ダウンタウンのガキの使いじゃあらへんで!・笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)で電撃復帰する予定だったが、その映像もお蔵入りになってしまったようだ。
番組制作スタッフは、世間の批判がここまで大きなものとは考えていなかったのだろう。先週記者会見をした渡部さんだったが、妻・佐々木希さんの「誠意をもって謝罪して」と言われたこととは、かなりかけ離れた会見だったという印象を受けた。
レポーターの質問に対し具体的な回答はなく、どこか本気で謝罪していないんじゃないかなと思った。1時間40分にわたる会見場を出るにあたっても、そそくさと後にし、慌てて戻って一礼。ドアの外にいた誰かに促されたのだろう。
「(違約金は)自分で払いました。自分のことですから。額は勘弁してください」
と答えた会見。しかしその直後、事務所の関係者が「事務所が立て替えています」と返答。彼にとって、周りのスタッフも離れているようなものだ。
会見の翌日、渡部さんがMCを務めていた『王様のブランチ』(TBS系)に出演した相方の児島一哉さんは、
「馬鹿タレがね。お騒がせしてご迷惑をお掛けしております(中略)アンジャッシュ的には、まだ当分共演って感じじゃないかなっていう。今のところまだ何も決まっていないんですけどね」
と、話していたが、困惑の色は隠せなかった。不倫発覚の6月には、渡部さんの代わりにMCを務めたラジオ番組で
「渡部が不倫をしまして…笑えない。質が悪い。相方から見ても気分の悪い不倫」
と糾弾。
「仕事もうまくいきプライベートも順調満帆。天狗だった。勘違いしていた。人の痛みとか、優しい思いやりがないんですよ。だからこうなった。浮気した方々、スタッフ、僕に対する態度もだめですよ。なんで傷つくことを平気で言うんだと、10年前に喧嘩したことがあった。ぶっちゃけ、アンジャッシュは、ずっと仲が悪い」
とまで発言していた児島さん。世間が渡部さんを許してくれる瞬間が生まれるとしたら、コンビで茶の間に登場することだったんじゃないのかな。
お笑い界の重鎮・ダウンタウンの松本人志さんは『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、児島さんが先月末に始めたYouTubeを見たそうで、
「アンジャッシュの解散は1ミリも考えてないんやなと思ったら、児島がいじらしくなっちゃって。(中略)やっぱり今、一番助けてくれるのは相方なんじゃないかなと思う。だから、番組がどう、テレビ局がどうじゃなくて、相方と向き合うことが一番大事なんじゃないかな」
と言っている。たしかに松本さんの言うように、相方の存在は大きい。スキャンダル発覚後、「相方とは何回会ったのか?」というリポーターの質問に
「一回しか会ってない、電話では何回か」
と説明していたが、ホントに会ったことも電話したこともあるのだろうか。ドラマ『半沢直樹』(TBS系)で、売れっ子俳優の階段を上り始めた児島さんに、過去の非礼を「本気」で謝罪し、今後の身の振り方を相談していたらどんな復帰プランができたのだろうか。
ときすでに遅し、だけど、もし渡部さんの会見の隣に児島さんがいたら、どんな会見になったのだろうか。隣にいただけで、場の雰囲気は大きく変わったような気がするのは、オレだけかな。
それにしても、すべて“後手後手”。そもそも、復帰計画が早すぎたよね。女性に渡した1万円は「対価じゃなかった」と言ったが、女性の値段が彼にとって1万円の印象はぬぐい切れないよね。
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文:石川敏男(芸能レポーター)
‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、ラジオは福井放送、ラジオ関西、レインボータウンFMにレギュラー出演中
PHOTO:會田 園