自転車のサドルまで舐め…女子中学生をストーカーして懲役10ヵ月の判決を受けた71歳男の悲哀 | FRIDAYデジタル

自転車のサドルまで舐め…女子中学生をストーカーして懲役10ヵ月の判決を受けた71歳男の悲哀

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安田被告が待ち伏せを行なっていた場所
安田被告が待ち伏せを行なっていた場所

「朝6時とか6時半とか、けっこう早い時間に自転車で家を出ていくんだよ。仕事もしてないのに、どこ行くんだろう。また変なことをしてなければいいなと思って見てたんですよ」(近隣住民)

昨年11月30日、さいたま地方裁判所川越支部である事件の初公判がひっそりと開かれていた。同9月30日に逮捕された安田進被告(71)の「ストーカー行為などの規制等に関する法律違反」の裁判である。

起訴状などによると、安田被告は21年12月上旬に女子中学生Aさんと路上で挨拶を交わしたことをきかっけに、恋愛感情を抱くようになった。しかしAさんに対する恋愛感情などの好意が満たされなかったことを恨みに思い、Aさんにつきまとうようになったという。Aさんの通う中学校や自宅を近くから見たり、朝、通学路で待ち伏せしたり。Aさんの自転車のサドルをなめているところを目撃されたこともあった。

22年4月に埼玉県警からAさんに対するつきまといなどを禁じる命令を受けたにもかかわらず、8月には罰金刑になっている。今回は9月27日から30日まで、毎朝、Aさんの登校時間に合わせて待ち伏せをしたことで逮捕された。実に4回目の逮捕だ。逮捕時には、「Aがかわいくて好きだなという感情があり、あの子を見たいという気持ちがあった」と供述している。

前出の近隣住民が「また」というのは、安田被告がここ30年以上やめられなかった「問題行動」があるからだ。

「下半身の露出をやめられないんだよ。捕まっても捕まっても繰り返す。5年ほど前には、自分の下半身の写真を公園の女子トイレに置いて逮捕されたこともあった。警察が家の周りに張り込んでるのを何度も見たよ」

近くに住む同年代の男性も、「若いころは普通に働いていたのに」とあきれかえる。

「40になったあたりからかな。夕方、中学生の帰宅時間になると、自転車でフラフラとでかけるんだよ。下半身を出した状態で、自転車に乗ってウロウロしてるんだ。そんなんだから、いまはもう誰も付き合ってないよ。しばらく家の電気が点かないと、ああ、また捕まったんだなと思うくらいかな」

安田被告は三人兄弟の二番目。すでに両親も弟も他界し、実家でひとり暮らしをしている。

初公判にグレーのスウェット上下で現れた安田被告は身長165センチくらいで短い白髪。前かがみで腰が少し曲がり、足元がおぼつかない様子だった。

公判では「なぜ、ストーカー行為をやめられないのか」という一点に質問が集中した。

検察官「今年3回、あなたの取り調べをして、そのたびに『二度としません』と言いましたよね。罰金の処分までいって、さすがにもうやらないと思ってました。それでもやってしまったのはなぜだと思いますか?」

安田被告「罰金を兄貴に出してもらったってのが甘かったのかなと思います」

検察官「もういちど聞きますよ。こんなに繰り返してしまう原因はなんですか?」

安田被告「(しばらく考えたあと)かわいいというイメージがあって。でももう顔を合わせてはいけないと思います」

裁判長は8月に罰金を払ってからまだ1か月ほどしかたってないことを指摘したうえで、

裁判長「多少は行っちゃいけないとか、我慢したりとか、したんですか?」

安田被告「はい」

裁判長「でも我慢できなくなって、見に行っちゃったということですか?」

安田被告「はあ、そこに行けば見れるかな、間違いなく見れるかなって」

裁判長「それはダメなことだよね。それでも繰り返すのはなんでなのか、あなた自身もわかんない?」

安田被告「ちょこっと姿を見たいなという、そういう感情はありました」

弁護人の「2か月あまり勾留されて、つらいですか?」という質問には、涙ながらに「つらいです。もう二度としません」と答えたものの、Aさんに対する謝罪の言葉はまったくなかった。

検察官は論告で、「Aさんは本来であれば楽しく無垢な青春時代を謳歌する年頃でもあるのに、被告人のたび重なるストーカー行為で精神的苦痛を受け、青春時代の記憶も傷つけられた」、「被告人がさらにエスカレートして危害を加えてくるのではないかと、Aさんの家族全員が不安な毎日を送っていた」と懲役1年の実刑を求刑。

弁護人は「被告人は自分がやったことを認識し、反省もしている。できるかぎり寛大な処置をお願いします」と述べるにとどめた。

そして12月21日、安田被告に懲役10か月の実刑判決が下された。

結局、刑務所に入るまでストーカー行為をやめられなかった安田被告。唯一の肉親である兄もさすがに愛想を尽かし、いちども面会に来なかったという。

頼るひともなく、出所したらまた実家に帰ってくるのだろうか。
近隣住民は「もうどこかの施設に入れるしかない」と、安田被告の兄と話したという。

  • 取材・文中平良

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