議論沸騰中!ホストクラブで働く「女内勤」に”姫”たちが賛否両論なワケ | FRIDAYデジタル

議論沸騰中!ホストクラブで働く「女内勤」に”姫”たちが賛否両論なワケ

慶應卒ホス狂いライターが描くぴえんなリアル 令和6年、歌舞伎町はいま……第91回

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某ホストのメニュー。これだけ払っていれば「女内勤」に腹を立てても仕方ない!?
某ホストのメニュー。これだけ払っていれば「女内勤」に腹を立てても仕方ない!?

ホストクラブに来る女性は皆、基本的に「金銭を払って好きな男の時間を買っている」わけだが、最も気に食わない存在が「お金をもらってホストと関わる女」であるとも言える。

現在歌舞伎町界隈のSNSでは、ホストクラブで働く「女内勤」についての賛否が議論になっている。女内勤とは、酒の発注や在庫管理、SNSの運用などを担当するホストクラブの裏方スタッフとして働いている女性のことだ。

「女性相手の仕事だから女性の意見があってもいい」「姫(客)とも仲良くなれる」といった擁護派の発言が反感を買ったようだが、そもそもホストクラブに女性スタッフがいることは稀(まれ)である。キャバクラの黒服には女性がいることも少なくないが、ホストクラブの内勤はほとんどが男性。しかし、昨今女性の雇用を試みる店舗が増えてきているのだ。

「私、担当と旅行に行ったんですよ。地方の自店舗の視察を兼ねていたんですけどね。そしたら運営クラスのキャストは女性の内勤の人を連れてきていて。その女性の存在は、当然他のお客さんたちには隠しているわけで……。

私は担当に対して恋愛感情がないので仕事だからしかたないって割り切れましたが、ホストに本気で恋をしてお金をつぎ込んでいる人からしたら、地獄ですよね。目の前に、お金をもらいながら涼しい顔でホストと旅行している女がいるんですから」(アヤカ・仮名・22)

数年前、自店舗で女性の裏方スタッフを雇っていたというタイガ(仮名・29)はこう振り返る。

「ウチの店は採用の際にキャストとの恋愛禁止契約を結ばせてました。キャストも距離感を間違えちゃうかもしれないんで。お客さんと違って気を遣(つか)わなくていいし、相談しやすい、みたいな。例えばキッチンの女性スタッフさんだとそんなに関わりなく挨拶程度だけど、内勤さんとかだと従業員同士のご飯にもついてくる場合があるんですよ」

女内勤以外で、「ビジネス」でホストと触れ合うことが増えてきているのがホス狂女子系TikTokerたちだ。

「TikTokでホストとコラボして、広告案件として店舗からお金をもらってる子が増えています。ホストからしたらフォロワーの多い子のアカウントに載ることで顔が売れるというメリットがあるんで」(同前)

ホストクラブに対する規制が厳しくなった昨今、各店舗は生き残りをかけてSNS上で怒濤(どとう)の「知名度合戦」を行っている。炎上だろうが悪名だろうが、自店舗の名前と存在さえ知ってもらえればよいと考えるスタッフも少なくない。

ホスト系のSNS動画はほとんどがヤラセだが、ヤラセ動画に出演する女性は「仕事」として″痛客″役を引き受けている。なかにはSNS代行業者が用意した演者も含まれているようだ。時には、「これって本当に広告になってるの?」と思ってしまうようなクオリティの低い動画が流れているケースもある。

「いろいろ議論はありますが、要は『女が働いていてもいいけど、女であることを売りにしているヤツには働いてほしくない』というのが本音なんですよ。ホストの広告費とか給料も、私たちが汗水たらして稼いだお金から出てる。客のために女性目線で仕事するんだっていうなら、そこを理解してウチらに寄り添ってほしいですね」(前出・アヤカ)

女性ホストが受け入れられつつある今、新たな火種が生まれている。

本連載をまとめた新刊『ホスト!立ちんぼ!トー横!オーバードーズな人たち』(講談社)が好評発売中
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『FRIDAY』2024年5月3日号より

  • 取材・文佐々木チワワ

    ’00年、東京生まれ。小学校から高校まで都内の一貫校に通った後、慶應義塾大に進学。歌舞伎町を含む繁華街の社会学を研究している。’24年3月の卒業後はライターとして活動中。

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