千葉台風15号 ゴルフ場鉄柱倒壊で“家屋破壊”住民が大激怒 | FRIDAYデジタル

千葉台風15号 ゴルフ場鉄柱倒壊で“家屋破壊”住民が大激怒

千葉県市原市のゴルフ場の鉄柱が倒壊し近隣に大被害。しかしオーナーは無責任をきめこむ

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半壊した自宅の前に立ち尽くす佐藤さん。3000万円以上かけて建てたマイホームは一晩にして無残な姿に
半壊した自宅の前に立ち尽くす佐藤さん。3000万円以上かけて建てたマイホームは一晩にして無残な姿に

「午前3時半頃です。2階の部屋で寝ていた娘に避難警報のメールが届き、娘が1階に降りてきました。その直後、『ドン』という鈍い音がしたかと思うと、『バキバキ』とおそろしい音が響きました。突然リビングの真上に鉄柱が倒れてきたんです。天井は崩れ、娘の部屋は全壊。鉄柱が倒れてくるのが少し早かったら、娘がどうなっていたか……」

千葉県市原市に住む主婦の佐藤由美子さん(54)は、悲痛な表情で回想した。

9月9日の明け方に千葉県に上陸した台風15号は、関東地方に甚大な被害を及ぼした。市原市ではゴルフ練習場のネットが風にあおられて鉄柱ごと倒れ、隣接する16軒の家屋を破壊。佐藤さんの自宅も大破した。

台風が去ってから2週間以上続いた千葉県の停電もおおかた復旧が完了し、住民も元の生活を取り戻しつつある。しかし、市原のゴルフ練習場は状況が違うようだ。

「倒れた鉄柱とネットは未だ撤去されず、時折『ミシミシ』という音が聞こえます。事故の2日後、ゴルフ場のオーナーは説明会を開いて『弁償する』と言っていましたが、その数日後に弁護士から『自然災害なので弁償はしない』との連絡がありました」(近隣住民)

家屋の補償は誰がするべきなのか。賠償問題に詳しい加藤寛久弁護士は言う。

「原則として、自然災害による被害の場合、住民の方々は自身が入っている保険等でカバーすることになります。しかし、もし鉄柱の設置または保存に瑕疵(かし)があったなら、ゴルフ場サイドに賠償責任が発生することもあり得ます」

ゴルフ練習場の鉄柱に問題はなかったのか。本誌記者が現場に赴き、倒壊した鉄柱を確認したところ、所々塗装が剥げている部分も見て取れた。鉄柱が老朽化していた可能性はないのか。ゴルフ練習場の事務所にいたオーナーを直撃した。

――鉄柱が倒れた原因についてどう考えていますか。

「風が強かったんでしょ。古かったから倒れたと取られても仕方ないですかね」 

――鉄柱の撤去はいつするんですか?

「近々やります」

――家屋の補償については?

「弁護士さんに任せています。私の口からはいろいろ言わないように弁護士さんから言われていますので」

オーナーは家屋の損壊について、あくまで台風による被害であり、ゴルフ場サイドに過失はないと考えているようだ。

オーナーの無責任な態度には、実際に被害を受けた人々はもちろんのこと近隣住民も怒っている。

「対応を弁護士に任せて逃げようとしているオーナーには、まったく誠意を感じません」

現地で聞き込み取材をすると、こんな怒りの声が上がっていた。損害賠償の有無は司法の場で決着をつけるとしても、近所の人たちに多大な迷惑をかけて知らんぷりでは、あまりにも無責任というものだろう。

『FRIDAY』2019年10月11日号より

  • 撮影濱﨑慎治

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