“池袋暴走”飯塚幸三容疑者は逮捕も起訴もされず自宅で通院生活 | FRIDAYデジタル

“池袋暴走”飯塚幸三容疑者は逮捕も起訴もされず自宅で通院生活

厳罰を求める署名は39万筆…今の気持ちを本人に直撃

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事故前から右脚の関節を痛めていた飯塚氏。妻に支えられながら歩行器を使い、やっと歩ける状態だった
事故前から右脚の関節を痛めていた飯塚氏。妻に支えられながら歩行器を使い、やっと歩ける状態だった

「飯塚さん、少しお話を伺ってもよろしいでしょうか」

本誌記者がそう声をかけると、歩行器にもたれかかりながら覚束ない足取りで歩いていた老人は、弱々しく視線を上げ、驚いたような表情を見せた――。

12月下旬の朝9時半、一人の老人が自宅マンションを出て、妻と共にタクシーに乗車した。向かった先は都内にある病院。彼は’19年4月、池袋(豊島区)で暴走事故を起こした、旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三氏(88)である。

’19年4月、フレンチレストランを予約していた飯塚氏は妻を助手席に乗せ、車を運転していた。東池袋の交差点に差し掛かると、飯塚氏の車は突然、150mにわたって暴走。親子用自転車に乗っていた松永真菜さん(享年31)と娘の莉子ちゃん(享年3)を撥(は)ねて死亡させ、8人に重軽傷を負わせた。

「自転車に乗った母と娘がグレーのプリウスに衝突され、6mほど吹っ飛ばされていました。プリウスはそのまま猛スピードでゴミ収集車に激突し、スピンしながら横断歩道の人の列に突っ込みました」(事故を目撃した20代の男性)

事故から8ヵ月以上が経った今でも、飯塚氏は逮捕も起訴もされていない。妻と娘を失った遺族の松永氏は7月、飯塚氏への厳罰を求める署名活動を始め、その数は2ヵ月で39万筆を超えた。

飯塚氏はこうした自身の状況をどう捉えているのか、そして遺族に対してどのように罪を償(つぐな)っていくつもりなのか。冒頭の日、脚の持病を治療するために都内の病院を訪れた飯塚氏を本誌は直撃した。

――事故を起こしたことについて今の気持ちを聞かせてください。

「申し訳ないと思っています。被害者の方には毎日、手を合わせています」

――飯塚さんを厳罰に処してほしいとする署名が39万筆集まりました。

「事故に関するさまざまな報道があったので、当然の結果だと思っています」

――警察の調べに対し、「アクセルが戻らなくなった」と説明されていましたが。

「お答えできません」

病院の玄関外から受付近くまで取材に応じた飯塚氏。最後は隣に付き添っていた妻が、「予約時間がありますので……」「病院内ですので……」と夫を庇(かば)うように止めに入り、取材は終了した。

二人の命を奪った飯塚氏は今後どのような処分を受けるのか。交通事故を多く扱う弁護士の藤原寿人氏はこう語る。

「現時点で飯塚氏が起訴されていない理由として、被害者の人数が多く事情聴取に時間がかかったことや、在宅のまま捜査が進んでいるため時間制限が設けられていないことなどが考えられます。今後、捜査が進めば起訴も考えられ、実刑判決になる可能性も十分にあるでしょう

飯塚氏が逮捕を免れたのは、元キャリア官僚の「上級国民」だからではないかという怒りの声がネットで支持された。公平な裁判を一刻も早く始めるべきだろう。

『FRIDAY』2020年1月10・17日号より

  • 撮影坂口靖子

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