早慶MARCHで志願者激減も 日大が「一人勝ち」の理由

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東京・神保町にある日本大学法学部キャンパス。創立は1889年で16学部、約7万4000人の学生をようする総合大学だ

早稲田94%、中央93%、明治92%、慶応92%、立教89%、東洋78%――。

これは、今年の主要大学志願者数の前年比率だ(大学通信調べ)。軒並み1割前後減っていることがわかる。なぜ早慶、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)など、有名校の志願者が激減しているのだろうか。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が解説する。

「理由は二つあります。一つは定員の厳格化です。1.2倍だった大規模私立大学の定員超過率は、’18年に1.1倍以内に引き下げられました。そのため各大学で合格者が減少。一気に難化し、受験生が上位から中堅の大学を敬遠し始めたんです。二つ目が、来年度から導入される文部科学省による新テスト。記述問題が多く取り入れられる方針で、これまで受験生が取り組んできたマーク式の対策がムダになる可能性があります。『絶対に今年決めたい』と安全志向が強まり、志望ランクを下げた受験生が下位校に流れているんです」

そんな中、前年比115%と志願者を大きく増やし“一人勝ち”の大学がある。アメリカンフットボール部の不正タックル事件で、昨年志願者が減少した日本大学だ。石渡氏が続ける。

「昨年の反動も要因の一つでしょう。定員の厳格化などで、日東駒専(日大、東洋、駒沢、専修)の中堅大学グループのうち他の3大学は難化。伸び悩んだ日大に、MARCHを受ける実力のある受験生が流れているんです」

人気の原動力は、受験生の安全志向だけではない。不正タックル事件への危機感から、日大が自身の魅力を必死にアピールしていることも功を奏しているという。

「日大は学生数7万人以上のマンモス大学で人口密度が高いイメージがありますが、内実は単科大学の集合体のようなゆとりがあります。日大の16学部のうち、9学部は独自のキャンパスを持っている。その他についても、一つのキャンパスに入っている学部は多くて2つです。専門の学問に集中し、各キャンパスでのんびりとした学生生活が送れるんですよ。さらに最大のアピールポイントは、就職実績の高さでしょう。110万人を超えるOBを利用でき、就職活動では他大学に比べ大きなアドバンテージがあるんです」(石渡氏)

確かに日東駒専の中では、日大の就職実勢はズバ抜けている。

以下は、昨年の主要企業への就職者数だ(左から日大、東洋、専修、駒沢の順)。

・大和ハウス 45、16、8、3

・積水ハウス 26、5、5、

・リクルート 8、1、2、2

・山崎製パン 22、7、2、1

・伊藤園   16、6、0、4

「今年の日大は、商学部、医学部、歯学部以外のすべての学部で志願者が増加しています。上位校の難化と、もともとある潜在能力の高さから、受験生が集まっているのでしょう。中堅大学の中では、実力が飛びぬけているのは間違いありません。来年も志願者を増やす可能性は十分あります」(石渡氏)

日本一のマンモス大学は、アメフト事件による大きなハンデをたった1年で挽回した、ということか。

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