中居正広の“神会見”のウラで「映像使用は1回まで!」の謎規制
大絶賛された中居正広独立の記者会見から2週間が過ぎた。後追いして取り上げるメディアも少なくなり落ち着きを見せている。もっともコロナ騒動でそれどころではないのだが……。
しかし、いちタレントが所属する事務所を辞めることが大きな話題となり、しかも記者会見まで開き、各メディアが取り上げ一般ニュースや一般紙で報じられるなんてことが、これまであっただろうか。改めて“SMAP”“中居”“ジャニーズ”というこのトライアングルの大きさをうかがうことができる。
先に独立した元SMAPの3人は‘17年9月に契約満了をもって退所・独立したのだが、その後の状況を見る限り、順調にはいっていなかった。そのワケは、今さら言うまでもないが、“何らかの力”が働いていたからだと容易に想像できる。
中居の場合はどうだろう。ジャニーズ事務所がエールを送っていたことから見ても、事務所との軋轢もなく、円満に退所したと見て取れる。
「あのとき一緒に退所していたら、中居さんも3人と同じような目にあっていたでしょう。そんな心配がなくなったからこその独立発表だったと思います。中居さんに対する圧力があっても、テレビ局は忖度する必要がなくなったのは間違いないです」(スポーツ紙記者)
最近は稲垣吾郎がNHK朝ドラに出演するなど、3人も地上波での出演が増えてきた。これは例の公正取引委員会がジャニーズ事務所を注意したため、彼らに対する事務所の圧力もテレビ局サイドの忖度もなくなったのだと見て取れる。
これからは独立したタレントが誰にも気兼ねなく、自由に仕事ができる環境になるだろう……。という声が聞こえてきているが、
「いやいやそんなことはありません」とい話すのは、キー局のプロデューサー。
「ジャニーズ事務所が公正取引委員会から注意されましたが、テレビ局に圧力がかかるのは、なにも同事務所からだけではありません。それは何十年も前からのことで、一般の人でさえ知っていることです。芸能界にはドンや重鎮と呼ばれる老舗芸能事務所の代表がいらっしゃいます。この方たちの“影響力”はまだまだ衰えていませんからね」
ジャニーズ事務所が“注意”されただけでは、このような状況は変わらない。そして問題なのはタレントに対する圧力だけではない。実は芸能報道に対しての“規制”の方がより深刻なのだ。
「よく知られている話です。大手の事務所から所属するタレントのニュースを制限されることが多々あります。わかりやすいのは週刊誌などで報じられて、世間では話題になっているのに、速報性のあるテレビやスポーツ紙で全く扱っていないときです。最近では嵐の二宮和也の熱愛や鈴木杏樹の不倫騒動。鈴木のときは、“事務所がコメントを出すまで半日報じるのを待てくれ”とのお達しがありました。そんな必要はないだろう、と憤懣やるかたないスタッフもおりましたが、彼女の事務所は人気俳優を多く抱えている。そのため、ドラマやほかの番組に影響が出てはいけないと、渋々応じた形です。ここにきて、杏・東出昌大の騒動も、今後はあまり扱わないようにと言われ始めました。」(ワイドショースタッフ)
ワイドショーだけでなくスポーツ紙にも同じように規制がかけられ、芸能事務所と密な関係を持つスポーツ紙なら従わないわけにはいかないだろう。そして圧力も忖度もないと思われた中居の会見にも、実は“規制”がかけられていたのだ。
「会見の映像は1回しか使えないというものでした。何の意味があるのかわかりませんが、あの会見は中居さんのトークとジェスチャーが受けたわけですから、その映像が使えないなら、もはやニュースとして扱う価値がないですからね」(同・ワイドショースタッフ)
風通しのいい芸能界になるには、まだまだ時間がかかりそうだ。
PHOTO:蓮尾真司