コロナ「買い占め騒動」にものまねタレント・安室奈美似が怒る理由

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安室奈美似は2014年から母・瑛子(右)さんの介護を続ける

感染拡大がとまらない新型コロナウイルスによって、ものまねタレントの安室奈美似が肝を冷やした。2018年9月に引退した元歌手でダンサーを「完コピ」する奈美似さんは2014年、急性硬膜下血腫に倒れた母・瑛子さんの介護を続けているが、瑛子さんが以前利用していた近所の介護老人保健施設の運転手が新型コロナウイルスに感染していたことが判明。

感染の恐怖と隣り合わせで生活する中、介護に不可欠なトイレットペーパーや紙おむつまで店から消えた。マスクを皮切りにはじまった買い占め騒動により、本当に必要なものが本当に必要な人に届かない現状に、奈美似さんはいら立ちを隠せない。

「先日、母の介護に必要な紙オムツを近くの薬局で買おうと思ったんですが、すでになくなっていました。『トイレットペーパーとティッシュが品薄になる』という情報がSNSで流れてから、必要以上に買っているのが今の混乱を招いている。でもこれでは、私たちのように、本当に必要な人に必要なモノが行きわたらないんです……」

そう訴えた奈美似さんの母・瑛子さんは2014年、急性硬膜下血腫に倒れ、当初は医師から「意識が戻る可能性は1%」とまで言われた。そのどん底から、家族の懸命の介護によって、筆談で意思疎通できるまで回復。それでも、瑛子さんはまだベッドに横たわっている時間が長く、奈美似さんが東京都内の自宅で介護している。

したがって、オムツ不足は死活問題。奈美似さんが居住する市から支給されている1か月4100円分のオムツはだいたい20日分。あと10日分は、市販のものを買って補足している。手作りの紙おむつは簡単には作れないため、タオルやいらなくなった衣類をどんどんためて、オムツが底をつく「Xデー」に備えているという。

新型コロナウィルスに感染した運転手が所属する施設には以前、瑛子さんが通っていた時期もあり、自宅からも遠くないため、緊張が走った。奈美似さんが続ける。

「感染したその運転手の方は、2月上旬に体調の異変を感じ、一度病院に行ったそうですが、その時は異常なし、ということで旅行に出かけてしまったそうなんです。その後、少し経ってから感染がわかったそうなので、母を介護する私たちはさらに不安が募りました。しかもその運転手の方と何らかの形で関わった人の中に、母の介護のためにウチに出入りしてくれる人もいたんです」

トイレットペーパーのまとめ買い現場。奈美似のように介護する家族がいる人は手に入らずなくなる不安の日々だ

幸いその後、運転手と関わった人が検査を受け、陰性の反応が出たため、自宅に出入りする人の感染の疑いも晴れ、感染についての不安は解消された。しかし、ほっとする間もなく起きているのが、冒頭で紹介した買い占め騒動である。奈美似さんが続ける。

「SNSの情報も冷静に考えれば『デマじゃないか』とわかるはずなんですが、マスクといい、トイレットペーパーといい、アルコールの消毒液といい、お店でまとめ買いしている他のお客さんの姿を見てしまうと、つい『なくなってしまうかも』という恐怖に襲われて、買ってしまうんでしょうね。

普段は2箱買えば足りるところを10箱買うような人が続出しています。でも皆さんがまとめ買いするためにお店に並んでいる時間帯に、私たち家族は母のそばから簡単に離れられないので、並ぶことすらできない。だから今不足しているものはどれも私たちにとって日常的に必要なものであっても、手に入らないんです」

台湾では3週間前にトイレットペーパーが品薄になったが、デマを流した3人の女性が逮捕されている。日本ではまだ、「逮捕すべきかどうか」という議論があるだけで、そこまでの厳罰には至っていない。ただ、母を介護するための生活必需品なのに、手に入らない奈美似さん一家にとっては、そうしたデマを流す行為が「犯罪」としてとらえたくなるほど、追い詰められているのだ。

この間、母・瑛子さんは幸い、新型コロナウィルスに感染せずに済んでいる。十分な会話が出来なくても、テレビなどの情報によって新型コロナウイルスやそれに伴う騒動はすべて理解している。買い占め騒動が発生した直後は奈美似さん家族に対し、左手の指を使って相手の手のひらに書いて伝える筆談で「私の知り合いのお店が持っているかもしれない」と訴えてきたという。

瑛子さんが家族を思って励ますほど元気であることが何より救いだ。奈美似さんが続ける。

「今回思うのは、神様が世の中に対してメッセージを発している気がしています。たとえば新型コロナウィルスに感染しないよう、皆さんが今まで以上に丁寧に手を洗うことひとつとっても、普段からそのことを気をつけている私たちにとっては当たり前のことでした。

抵抗力が弱っているときに、新型コロナウィルスとは別のウイルスが体内に入っても重症化するおそれがあって、その不安と背中合わせで過ごしている。そういう人が意外と身近に存在しているということを今までより少しだけ意識してもらうだけでも、行動が変わるきっかけになると思っています」

新型コロナウイルスの影響で、奈美似さんは営業の仕事が10件以上なくなった。彼女にとっては死活問題。それでも愛する母の介護は続く。奈美似さんはつらい経験を通して、日本人が称賛される「おもてなしの心」の根底にある思いやりの気持ちを思い出してほしい、と願っている。

◆安室奈美似の明るく笑える介護の様子を撮影した動画「ママのきもち」はこちらから

営業の仕事は急激に減った
  • 写真提供安室奈美似

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