コロナ危機でも開催 地下アイドル“収入の生命線”ライブに密着

有名アーティストがイベントを中止しても地下アイドルは活動を続ける。その深い理由とは

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
30人の観客を集めた「リトエン」。ファンは大声で叫び、自粛ムードをはね返すほどの盛り上がりを見せた

「ヲイ! ヲイ! ヲイ!」

新型コロナウイルスの影響で人通りが減った東京・池袋の街角に、男たちの叫び声がこだまする。声の出所は小さなライブハウス。そこでは、20~50代と幅広い年齢の約30人が、地下アイドルの歌声に合わせて体を揺らしていた――。

新型コロナの感染拡大を防ぐため、有名ミュージシャンやアイドルのイベントが相次いで中止となっている。しかし、それは〝地上〟の話。メディアに出演せず、ライブハウスを中心に活動する通称〝地下〟アイドルたちは相変わらず、ライブで汗を流していた。

3人組の地下アイドル「リトエン」も、ライブを決行しているグループの一つ。今年1月にデビューした「リトエン」は、早くも4月にワンマンライブを控える急成長中のアイドルだ。プロデューサーの鈴木勤(ごん)氏がライブを中止しない理由について話す。

「イベントの自粛ムードがある今こそ、逆にライブを開催して盛り上げたいんです。ファンにマスクを配布するなどの感染対策をして、なんとか開催にこぎつけています」

ファンの期待に応えたい。もちろん、それも本音だろう。しかしそれ以外にも、切実な事情があるようだ。元地下アイドルで経済評論家の横川楓氏が明かす。

「ほとんどの地下アイドルに固定給はなく、ライブ後の握手会や撮影会など個人のがんばりに応じて報酬が決まります。と言っても、事務所にマージンをとられ、手元に残るのは半分以下ですが。ライブが開催されないと、彼女たちの主要な収入源の一つが断たれてしまうのです」

太ももを露出させた格好で観客席にダイブしたり、水着姿でライブをするなど、メディア露出できない地下アイドルたちは体を張ってファンにアピールし、ライブに集客している。そのライブが開催できなくなるというのは、アイドル活動の継続不可能を意味するのだ。

本誌が密着した「リトエン」の売りは「ファンとの距離が近い」ことだ。大盛り上がりのライブが終わると、熱気の残る会場内で、いつもと変わらず握手会が決行された。メンバーたちは消毒用アルコールを手に念入りに吹きかけると、笑顔でファンを迎えた。

「ライブは月に約10回あり、毎回参加しています。アイドルの子に移したくないので、マスクや手洗い、うがいは欠かしません。コロナは怖いですが、彼女たちが好きすぎて、ライブに行かないと生きていけないんです」(50代の会社員男性)

国内で6名もの死者を出している新型コロナウイルス(3月4日現在)。これ以上の感染拡大は当然避けるべきだ。しかし、アイドルたちも食いつないでいくために必死なのだ。

ファンとの握手会に備えて、アルコール消毒液を手に振りかける「リトエン」メンバー。ファンもマスクをつけて握手に臨む
ファンとメンバーでチェキをとる「チェキ会」では手を洗うポーズでパシャリ。「コロナはみんなで乗り越えたい
本誌未掲載カット 3人組の地下アイドル「リトエン」 コロナ危機でも開催する地下アイドル“収入の生命線”ライブに密着
本誌未掲載カット 3人組の地下アイドル「リトエン」 コロナ危機でも開催する地下アイドル“収入の生命線”ライブに密着
本誌未掲載カット 3人組の地下アイドル「リトエン」 コロナ危機でも開催する地下アイドル“収入の生命線”ライブに密着

『FRIDAY』2020年3月20日号より

  • 写真小松寛之

Photo Gallary6

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事