ウーバーイーツ、ユーチューバー…副業で赤字なら還付の可能性あり

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新型コロナウイルスの感染拡大予防で、確定申告の締め切りが1ヵ月延期に!

2018年、政府の「副業解禁」宣言もあり、会社員でも副業を始める人が増えてきた。そこで、気になるのは税金のこと。ネットビジネスの多様化もあり、気軽に副業を始められるようになったが、所得税等についてきちんと把握せずにほったらかしの人も少なくないようだ。

どういう場合に確定申告は必要なのか? 確定申告をすることによって“得”をする場合があるのか? 税理士法人・依田会計の税理士に、副業の確定申告について話を聞いた。

副業としても、最近増えているUber Eats(ウーバーイーツ)の配達員。このような、アルバイトではなくパートナーとして登録し、個人で業務を請け負うワークスタイルが注目されている

副業の確定申告は「年間20万円までなら不要」というが?

副業といえど、収入が発生すれば、申告を考える必要が出てくる。よく「20万円以下なら確定申告の必要はない」といわれるが、この場合、本当に何も申告せずにいて良いのだろうか?

「ちょっとしたお小遣い稼ぎのつもりでも、年間の所得金額が20万円を超えたら、確定申告をしなければなりません」 

会社員の給与所得は、毎月の給与から所得税を概算で天引きされ、年末に「年末調整」で年間の所得税を精算するため、基本的には確定申告をする必要がない。しかし、給与所得以外の副収入がある場合、本業と副業の収入を合わせて税務署に確定申告をする必要がある。

「ここでいう“20万円”というのは月額ではなく、1年間の金額で、収入ではなく“所得”であることに注意が必要です。“所得”とは、簡単に言うと“儲け”です。収入額ではありません。“収入額”から“必要経費”を引いた“儲け=利益”が“所得”となります。

副業の“所得金額”が20万円以下のときは、確定申告をしなくても良いことになっています。この場合、所得税の確定申告は不要ですが、市区町村への住民税の申告は必要ですので、ここは注意してください」 

副業が赤字の場合、確定申告することによって税金還付が受けられる可能性がある?

所得税の対象となるのは、収入から必要経費を引いた利益=所得なので、売上(収入額)が少なく、必要経費が多ければ、所得が赤字の場合もある。赤字の場合、当然、20万円以下なので申告の必要はない。しかし、確定申告をすることで本業の給料から源泉徴収された所得税が還付される可能性があるという。

所得税法では、所得は10種類に区分される。その中で、会社員の副業となると、パートやアルバイトなどで得る「給与所得」、アフィリエイト、せどり(本や家電などの転売ビジネス)、クラウドソーシング、ネットショップ、Uber Eats配達員、YouTuber、民泊などといった「事業所得」か「雑所得」となるもの、FX取引、仮想通貨の取引などの「雑所得」が考えられる。そのほか、株式投資などは「譲渡所得」か「配当所得」、家賃収入は「不動産所得」となる。

「10種類のうち、事業所得、不動産所得、譲渡所得、山林所得の4つに限っては、その“赤字分を他の所得から差し引いても良い”という、”損益通算”というものができます。

つまり、副業の事業所得が赤字の場合、本業の給与所得と損益通算して、その人の総合的な所得税はいくらなのかを計算し直し、もし給与所得で収めた源泉所得税が多かった場合は還付になります」

たとえば、今年の売上金額は15万円、必要経費が45万円とすれば、所得はマイナス30万円の赤字。確定申告をすれば、給与所得と事業所得を損益通算できるため、給与所得から30万円を引いて所得税を計算し直し、給料から源泉徴収された所得税が還付されることになる。

“本業”には、派遣社員やアルバイトも含まれるのだろうか?

「もちろん給与所得の源泉徴収票が出されるものであれば給与所得です。アルバイトでも源泉徴収票が発行されている場合は給与所得です」 

「事業所得」になる副業と「雑所得」になる副業。その違いは? 

アフィリエイト、せどり、クラウドソーシング、YouTuberなどでの収入は、“事業所得”になるのだろうか?

「事業所得となるかならないかは、職種の問題ではないんです。まず、事業所得は事前に“開業届”を提出しなければなりません。これを出さなければ、雑所得になります。雑所得の場合は、赤字でも、損益通算はできません」

個人でも、開業届(「個人事業の開業届出書」の提出)が必要。また、同じ業種であっても、事業所得として認められる場合もあれば、雑所得とみなされる場合もあるという。

「事業というのは、一年間ずっと反復的に継続的に事をなして収入を得るもので、客観的に事業だと認識できる内容であるものです」

事業を行う形態によって、雑所得にも事業所得にも該当しうるため、仕事の継続性や売上の安定性、副業への時間や労力の掛け具合などによって判断されることになる。

また、事業所得として確定申告の書類を提出できたとしても、それで認められたことにはならないという。後日、税務署から指摘が入る可能性もある。事業所得として申告する場合には、事業である旨を税務署にきちんと説明できるようにしておくことが必要だ。

新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、所得税などの申告期限が延長された。インターネットによる申告も積極的に活用するよう呼びかけている。国税庁のHPでは、個人の確定申告書等を作成、e-Tax(電子申告)を利用して提出することができる

個人事業の必要経費は、どう算出すれば良いのか?

確定申告は、必要経費の計算が重要な鍵になるが、具体的に、どういうものが経費として計上できるのだろうか?

例えばYouTuberを事業として行っている場合は、動画撮影用・編集用のカメラや編集用のパソコン、撮影のために必要な材料、撮影のための交通費、YouTuberとして必要な交際費、事業を行う上で必要な家賃・光熱費・通信費なども経費として考えられる。

「実際に仕事に使用するパソコンやカメラなどの機材等は経費になります。自宅が仕事場の場合は、パソコン、通信費、家賃や光熱費等については、それに相応するパーセンテージで按分し、経費として計算します。 

たとえばハンドメイド品の販売や、せどり等のビジネスで、自宅に在庫や材料を置くスペースが必要な場合も考え方は同じです。 

他のいろいろなものは、実態、事実があったかどうか、架空経費にならないか、ということですね。その仕事を行う上での必要性が証明できなければなりません。領収書があれば経費として認めざるを得ないでしょう。証拠ですから」

打ち合わせ等の飲食代などは経費になるのだろうか?

「打ち合わせのときの飲食代は経費になります。ただ、個人事業の人で、毎日の飲食代全部を交際費に出してくる人がいるんですね。納豆や大根まで。よく世の中で、“個人事業にすると全部経費になる”とかいわれますけど。あれは嘘ですから、気をつけましょう。業務のために使ったものだけが経費になるんです」

必要経費となるかどうかは、その出費が売上に直接関係しているかどうか。自身の良心に照らして、正しく判断することが大切だ。

確定申告には「青色申告」と「白色申告」があるが、どちらにするべきか?

「青色申告の方が日々の帳簿をつけるなど面倒な分、特別控除など、節税の面での利点がありますが、はじめは白色申告で十分だと思います」

白色の場合でも、所得を得るために使った経費に関する領収書・レシートは保管しておく必要がある。 

副業がずーっと赤字で、何年も還付金を受けるというのはありえるのだろうか?

「私から言わせればありえません。個人事業だけでやっている人だったら赤字が3年続いたら破産しています」

そういうことを何年もやっていると、詐欺に近くなってくると?

「実際、詐欺も同じような手口が使われることがあります。税金が還付されるからといって毎年同じような申告を続けていたら、税務調査の対象になる可能性もあります」 

確定申告によって、会社に副業の収入を知られてしまう?

通常、会社では住民税について市区町村から通知された税額を毎月の給与から天引きして納める「特別徴収」という制度が適用される。そのため、会社に副業分の税金も通知されることになるが、

「確定申告書に、<給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択>という記入欄があります。ここで、副業のうちアルバイトなどの給与所得以外のものについては<自分で納付>に○をつけることで、副業分の税額通知が会社に行きません。

また、確定申告の必要がなく住民税のみ申告する場合は、住民税申告書に記入する際に、給与以外の所得について、<普通徴収>を選択すれば、特別徴収にはならないので勤務先への書類では表示されず、直接本人へ納税書とともに納入通知が送られます」

確定申告書B第二表には、所得税のほか、住民税や事業税についての情報を記載する欄がある。「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」(上書類で赤で囲んだ部分)で、「自分で納付」に○をつければ、副業分については市区町村から本人あてに税額が通知される

副業が認められているとはいえ、会社にその額までは知られたくないというときには、やっておくことをおすすめする。

本年度は、新型コロナウイルス感染予防の観点から、確定申告の受付が4月16日まで延期された。副業をしていて確定申告をしていない人は、この機会に考えてみては。

  • 取材・文井津多亜子写真アフロ

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