金正恩委員長最大のピンチ「トランプに屈服するか、革命に遭うか」

どうなる6・12米朝首脳会談

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米朝首脳会談を実現しノーベル平和賞を狙っていると言われるトランプ大統領

「北朝鮮がすべての核や関連施設の放棄を受け入れても、完遂するまでに数年はかかるでしょう。すべての核施設の破壊や化学物質の廃棄、技術者の国外退去、その検証などに時間がかかるからです。その間、経済制裁が続けば北朝鮮は干上がってしまう。現在でも、軍の末端には食糧が行き届いていません。困窮の度合いがさらに悪化すれば、軍がクーデターを起こし体制を転覆。金正恩(キムジョンウン)氏が殺害される可能性もあるのです」

こう話すのは、朝鮮半島情勢に詳しい大阪市立大学の朴一(パクイル)教授だ。

6月12日にシンガポールで予定される米朝首脳会談の開催が、二転三転している。5月24日にトランプ大統領(71)が首脳会談の中止を宣言。3日後には北朝鮮の労働新聞が、金正恩・朝鮮労働党委員長(34)が「首脳会談への確固たる意志」を表明したと報じたのだ。『コリア・レポート』編集長の辺真一(ピョンジンイル)氏が語る。

「二度の訪中で、中国から食糧支援などの確約を得た金氏は安心したのでしょう。一方のトランプ氏はこうした両国の動きに不信感を覚え、北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放し核施設を爆破した直後に、首脳会談の中止を宣言しました。つまり、金氏が2枚の交渉カードを切ったタイミングで宣言したんです。その結果、金氏は譲歩せざるを得なくなった。トランプ氏のほうが1枚上手です」

北朝鮮が米国の主張する「完全かつ不可逆的な非核化」を受け入れた場合、二つの方式のうちどちらかが採用される。一つは核をすべて放棄して、初めて経済制裁を解除する「リビア方式」。そしてサラミをスライスするように段階的に核を放棄するのに合わせ、徐々に制裁を解除する「サラミスライス方式」だ。


「リビアのカダフィ大佐は前者の方式を受け入れ、結果として自国民に虐殺されました。北朝鮮はサラミスライス方式を求めています」(辺氏)

「暗殺」というオプションも

リビアの独裁者だったカダフィ大佐は’03年に大量破壊兵器を廃棄すると表明し、欧米諸国との関係改善を図った。だが、内戦が勃発。反体制派グループに拘束されたカダフィ大佐は寄ってたかって殴打され、最後は拳銃で射殺されたのだ。金氏は、こうした悲惨な最期を迎えることを極度に恐れているという。

「北朝鮮は、これまでに度々核放棄の約束を反故にしてきました。核放棄で合意したとしても、遅々として進まないようなら、すぐに経済制裁が再開されるでしょう。一方のトランプ氏は、北朝鮮が『非核化に応じれば現体制を保証する』としている。しかし、トランプ氏も豹変する可能性があります。北朝鮮から核の脅威が消えた時点で、軍事オプションを行使するかもしれません。人権弾圧などを口実に金氏を暗殺するんです。いずれの制裁解除方式が採用されても、金氏は安心できないでしょう」(前出・朴教授)

すでに独裁者・金正恩氏は、八方塞(ふさ)がりの状態に追い込まれているのだ。

トランプ大統領が米朝首脳会談の中止を宣言した2日後の5月26日、金氏は急きょ韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と会談。「米国が体制を保証してくれるか心配だ」と明かしたという

写真:The Presidential Blue House/ロイター/アフロ

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