目撃「レスリングの女王」伊調馨はアスリートの身体ではなかった!
東京五輪に黄信号 。久々に姿を現した彼女に気づく者はいなかった
5月13日午後2時過ぎ、ゴロゴロと大きなトランクを引いた女性が、東京・羽田空港のロビーに姿を見せた。帽子にマスク姿でそそくさとチェックインを済ませて出発ゲートをくぐっていったのは、レスリング五輪4連覇の伊調馨(33)だ。
「伊調が空港にいたのは、アメリカのレスリング協会から招待されたイベントに参加するためです。伊調はこの日から1週間ほどニューヨークに滞在していました」(レスリング協会関係者)
彼女が公の場に姿を見せるのは、パワハラ騒動後初めて。5月18日のイベント後に受けた取材では、「少しずつ身体を動かして」いることも明らかにした。
だが、伊調の周囲では早くも、東京五輪出場を危ぶむ声があがっている。日本レスリング協会のある役員が証言する。
「昨年末に伊調と会ったんですが、アスリートの身体ではありませんでした。以前は服の上からでもわかるほど盛り上がっていた筋肉がすっかり失われ、やせ細っていた。5月頃から告発状に関わった田南部力コーチのいる日体大で練習を再開していますが、それも毎日ではなく、気が向いたらやる、という程度です」
伊調の五輪出場に黄色信号が灯っている理由は他にもある。古巣である至学館大学が、”打倒伊調”を掲げ、入念な対策を重ねているというのだ。
「選手は『どの階級に伊調が出てこようと必ず叩き潰す』と燃えています。彼女たちは『栄監督は無実だ』と口を揃えていますからね」(至学館大関係者)
至学館大学の強みについては、栄和人監督も本誌の取材にこう語っている。
「質・量ともに皆さんが想像もつかないような練習をしています。そして、結果を残す姿を選手同士が互いに見ることで、『あの人が頑張っているんだから私も』と選手たちは思うようになる。そういう至学館の化学反応というのは、なかなか真似できないですよ」
伊調が練習拠点としている日体大もトップクラスではあるが、至学館には及ばない。自身の選手生命を賭(と)してまで伊調が騒動を巻き起こした理由について、前出・至学館大学関係者はこう分析する。
「背景には、吉田沙保里に対する嫉妬があったんじゃないでしょうか。国民栄誉賞も吉田が先。’16年のリオ五輪で伊調は4連覇を果たしたのに、至学館大が副学長に選んだのも銀メダルに終わった吉田だった。伊調はそういう状況が許せなかったのかもしれません」
五輪出場が叶わなかったとき、どこへ向かうのか。伊調はすでに、自分の「行き先」を見失ったのかもしれない。