コロナ拡大下、出張時の機内の「濃厚接触回避」を諦めない方法

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機内は大丈夫? まず知っておくべき気を付けたい点やマナー

新型コロナウイルスによる感染拡大のニュースが、日本国内そして世界中で連日続いている。出張や旅行が中止または延期となっている人も多いはず。そんなあらゆる行動における自粛ムードが漂う中でも、どうしても業務出張などで移動しなければならない人もいる。飛行機の機内や新幹線の車内、高速バスなどは一時的にほぼ密閉された空間となるし、近くの人と極めて近い距離で隣り合う状況も考えられる。

飛行機の機内のウイルス対策は? 消毒は? 写真はシンガポール航空 787-10の機内。高機能のHEPAフィルターを搭載している

現在、飛行機の機内などではどのような対策が取られているのか。また、自分自身で気を付けることやマナーなど、この時期だからこそぜひ知っておくべき“心得”を紹介する。

JALのCAが新型コロナに感染! 機内での濃厚接触者の定義とは

先日、日本航空(JAL)の国際線に乗務していた客室乗務員が、新型コロナウイルスに感染していたことが判明した。日本航空によると、感染した社員は50代女性の客室乗務員で、2月25日アメリカ・シカゴ発成田行きのJL009便に乗務。同乗していた他の12名の客室乗務員は3月11日まで自宅待機となった。一方、104名の乗客は保健所による濃厚接触者とは特定されなかった。

日本航空(JAL)では客室乗務員の新型コロナウイルスに感染が判明した。2月25日発のシカゴ-成田便に乗務していた

シカゴ-成田線はフライトが10時間を超える長距離路線であり、フライト中に少なくとも2回の機内食をはじめ、ドリンクやおしぼりなどが客室乗務員から乗客に対して提供される。客室乗務員はマスク及びビニール手袋を着用してサービスを実施したこともあり、保健所によると濃厚接触者とは特定されないとしている。

機内に高性能空気フィルター標準装備、消毒作業を発信するエアラインも

出発から到着まで、飛行機のドアを閉まった瞬間から密閉された空間になると思われがちの機内。そこは果たして“安全”なのだろうか。

JAL公式サイトによると「機内の空気は、常に機外から新しい空気を取り入れ機内で循環させ、その後、機外へ排出することにより、概ね2~3分ですべて入れ替わる仕組みになっており、機内で循環する空気を清潔に保つための高性能空気フィルターを装備しております」とある。

高性能空気フィルターは「High-Efficiency Particulate Air (HEPA) Filter」で、0.3μm(飛沫は,一般に直径5μmよりも大きな水滴とされている)のサイズの粒子に関して99.97%以上の粒子を捕集するという。HEPAフィルターは多くの空気清浄機にも搭載されている。

このフィルターは、LCCを含む他の航空会社でも採用されている。

高性能空気フィルターが装備されている機内。時々起こる水蒸気は機内の空気を換気する際に発生する現象

JALやANAでは、中国や韓国などの路線を対象に、日本到着後の夜間機内清掃でテーブル、ひじ掛け、座席のテレビ画面、トイレのドアノブなどのアルコール消毒を実施している。

一方国内線では、ANAが機内でのドリンク提供、機内販売、毛布の貸与といったサービスの大半を中止している。機内での消毒等の対策が気になったので、JALの窓口に電話して問い合わせたところ、国内線は行っていない、との回答だった。

外資系エアラインでは、キャセイパシフィック航空が新型コロナウイルスへの対策として、機内を消毒する様子などを公式サイトで、動画で発信している。大韓航空が行う対策も公式サイトで画像付きで紹介されていてわかりやすい。SNSなどを通じて機内の消毒作業などをアピールする航空会社も見かける。

大韓航空の公式サイトに新型コロナウイルス対策が画像付きで紹介されている。日系航空会社などは文字での紹介のみなのと対照的

自分ができる新型コロナ対策。意外と汚れているテーブルは「除菌ウェットティッシュ」で

航空会社がさまざまな対策を講じる一方、公共交通機関を利用する立場としてもあらかじめ気を付けておきたい点がある。

まず「マスク」はできれば常に装着する。新型コロナウイルスに感染していなくても、風邪や花粉症などで咳やくしゃみをした際、マスクには飛沫を防ぐ効果がある。もしマスクが手に入らなければ、咳やくしゃみが出そうならティッシュで必ず口をふさぎ、使用済みのティッシュはすぐ捨てて手を洗うことが肝心だ。

空港にある新型コロナウイルスへの対応についての案内(ANA)。 スタッフがマスク姿で対応するのも慣れてきた感がある

そして、アルコールタイプで除菌の「ウェットティッシュ」を携帯していると、機内で自分が手に触れそうな場所を拭くのに使える。筆者は日ごろからまず自分の座席に座ると、テーブルや窓の周り、手すり、座席のテレビ画面やリモコンなどをウェットティッシュでサッと拭く。

特に、機内食にも使うテーブルは意外なほど汚れていて、プラスチックや金属にはウイルスが長時間残るため、ウェットティッシュでのアルコール消毒がおすすめ。トイレのノブなどの共有部分も要注意だ。使い捨てのウェットティッシュは、大手航空会社の国際線などでは用意されていることもある。 

海外の旅行サイト Travel Math が2015年に行った調査では、微生物学者が、アメリカの5カ所の空港と4機の飛行機を調べたところ、テーブル上から1平方インチあたり平均2155 CFU(コロニー形成単位)の細菌が発見されたという。トイレの洗浄ボタンは265 CFUだったので、トイレ内部より汚染されていたということになる。

搭乗する前、空港のトイレなどでせっけんを使っての手洗いも、こまめに行うこと。空港のカウンターやラウンジなどで消毒スプレーが設置されていたら、これらも積極的に活用したい。

体調不良や発熱での移動は普段以上に厳禁! 危機感を持って行動すべし 

もし、体調が少しでも悪い、微熱があるなどと感じたら、出張の中止や延期を真っ先に決断すること。航空会社をはじめ、ホテルなどもこの時期、変更やキャンセルなどで通常よりも柔軟に対応している。自分の体調が悪化したり、他人に伝染したりという懸念だけではなく、身体が弱っていると他の病気を含めて体調が悪化しやすいし、持病があれば重篤化する恐れもある。日ごろから体調管理や十分な睡眠を心がけて体力と免疫力を高めておくのも大事。

また、自分の座席に近い場所でマスクなどなしに咳やくしゃみをしていたら、その乗客に対して口元を覆うように頼んだり、空席の座席への移動を客室乗務員に申し出たりすること。希望が通らない可能性はあるものの、じっと我慢する必要はない。 

こんな時期だからこそ普段以上に、自分そして周りに対してのマナーもよく考えて行動してほしい。

■記事中の情報、データは2020年3月16日現在のものです。

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シカマアキさんのウェブサイトはコチラ 

  • 文・写真Aki Shikama / シカマアキ

    旅行ジャーナリスト&フォトグラファー。飛行機・空港を中心に旅行関連の取材、執筆、撮影などを行う。国内全都道府県、海外約40ヶ国・地域を歴訪。ニコンカレッジ講師。元全国紙記者。

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