ギャラ、潜在視聴率、好感度など極秘データで判明「最強の芸能人」
2018年度版男女別・ジャンル別ベスト15を発表しよう
テレビ局にとって視聴率が大事なのは言うまでもない。視聴率が上がればスポンサー料も上昇。そのぶん、番組内容やキャスティングに幅を出せるようになる。視聴率を稼ぐため、手っ取り早いのが数字を持っているタレントの起用である。その点において、視聴者が誰を観たいと思っているかがわかる「タレントパワー」指数はテレビ局の制作スタッフにとって有用なデータだった。
「ただ、これまでの『タレントパワー』データの上位ランカーには『サザンオールスターズ』とか、浅田真央とか羽生結弦とか、知名度が高いだけで必ずしも数字に結びついていなかったり、ギャラが高すぎて費用対効果が低い人が散見されました」(大手広告代理店社員・A氏)
そこでいま注目されているのが、ギャラに見合った数字を稼げる、本当に制作現場に求められているタレントのパワー指数。いわば「最強の芸能人」指数だ。
「算出根拠となっているのは潜在視聴率(タレント単体で稼げると予想される視聴率)とギャラ、そして制作スタッフの評価です。リアルタイムなニーズが反映されるため、旬な人が高くなる。現実に即した数値が出るのです」(A氏)
下の表は、A氏が本誌に提供した2018年版最新データをもとに、男女別各ジャンルのトップ15を数字の高い順に並べたものだ。
「ギャラ」は最も視聴率が取れるとされるゴールデンタイム(19時〜22時)の番組に1時間、ゲスト出演した際の一般的なギャランティの基準値だ。全テレビ局、この額でオファーされるわけではなく、あくまでベースとなる額だという。
では、さっそく中身に迫ろう。
フォロワー数でブッキング
潜在視聴率だけ見れば圧倒的な新垣結衣(29)の牙城を崩して、女優部門の1位に輝いたのは意外にも、元『AKB48』の川栄李奈(23)だった。
「コストパフォーマンスの高さが最大の魅力。メイン出演じゃない作品も含めれば、現在契約中のCMは実に8社にのぼります。数字は取れるがギャラも高い米倉涼子が14位に沈んだのとは対照的。米倉の場合、なかなか『ドクターX』続編の出演を受けてくれなかったり、大御所ならではの難しさもある」(前出・A氏)
ドラマ制作ディレクターが続ける。
「ウチだとガッキーのギャラはこの表の価格よりも少し安いかな。逆に綾瀬はるか、広瀬すず、土屋太鳳(たお)にはもっと支払っているはず。現場感覚で言えば、この3人がスポンサー企業受けがいいトップ3。その後にガッキー、米倉、芸人の渡辺直美が続く感じかな」
その渡辺をおさえて女性タレント部門を制したのは横澤夏子(27)だ。横澤と2位の藤田ニコル(20)はパワー指数が400超えと頭一つ抜けた存在になっている。
「にこるんと池田美優(みちよぱ)はツイッターのフォロワー数がそれぞれ240万、107万と突出している。数字に魅入られたおっさんプロデューサーが彼女たちのキャラクターも理解せずにブッキングする傾向がありますね」(制作会社スタッフ)
8位の鈴木奈々(29)は人柄の良さに好感が持たれているとバラエティ番組ディレクターが証言する。
「見たまんま。裏表がなく、楽屋裏では新人さんに声をかけて励ましたり、盛り上げたりしている。彼女がいるだけで現場の雰囲気がパッと明るくなる」
男性陣に目を向けると、俳優部門は圧倒的大差で菅田将暉(すだまさき)(25)が制した。
「男性で唯一、潜在視聴率が5%を超えたのが菅田です。F1層(20〜34歳女性)を中心に18歳以下の女性視聴者からも圧倒的な支持を受けているから、息の長い俳優になるでしょうね。2位の竹内涼真はここ数年でギャラが倍になっています。彼の支持層は菅田と同じ。良きライバルになるでしょう」(前出・A氏)
年収数億円と報じられるたび、「そんなに稼いでない」と反論していたマツコ・デラックス(45)と『バナナマン』設楽統(おさむ)(45)は、ともにトップ10入り。コスパの良さを証明して見せた。
抱かれたくない男の逆襲
スポンサー企業、視聴者受けがいいとされるのが、5位の福山雅治(49)、8位の阿部寛(53)、14位の堺雅人(44)のおっさんトリオだ。民放ADが言う。
「阿部のギャラはウチだと(本誌の表より)もうちょっと高くて200万くらい。それでも、数字が取れるからコスパはピカイチですね。山田孝之はバラエティもイケる貴重な存在。ウチは150万円くらい出しているはずですが、企業と視聴者双方の受けがいいし、重宝しています」
いま、山田は、「ギャラよりも自分のやりたいことを優先させる、制作側に優しい男」(前出AD)として、深夜バラエティからのオファーが絶えないという。
男性タレント部門は「今でしょ!」の林修(52)と元スケーターで信長の子孫の織田信成(31)がワン・ツーフィニッシュするという意外な結果に……。
「涙もろい織田は作り手側にとって便利な存在なんでしょうね。出川哲朗も大健闘ですよ。あの”抱かれたくない男”がいまや、CMで9社と契約する人気者ですから」(前出・A氏)
前出のキー局プロデューサーは、「若手芸人には15万円の壁がある」と言う。
「旬な人でもまず15万円でギャラの高騰がストップします。そこから上がるかどうかは結果次第。とくに濱田祐太郎は全盲に近く、彼を起用するためには、局側は付き添いの人の経費も負担せねばならない。不利だったハズですが……50万円の値が付いているってことは、数字が取れるということでしょう」
R-1王者の実力はダテじゃない。
「女性タレントは総じてギャラが安めなので、使い勝手はいい。一方、男性タレントは、当たれば潜在視聴率3%を超えるような突き抜ける存在となる。特徴がハッキリ出ていますね」(前出・A氏)
不況の中、芸能界にも経済原則の波が押し寄せているのだ。
「パワー指数」が同数で並んだ場合は「潜在視聴率」が高いほうを上とした
撮影:川上孝夫、田中俊勝、西原秀