「一年目は申し訳なさがあった」根尾昂・プロ二年目への誓い

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大阪桐蔭を3度の全国優勝に導いた甲子園のヒーローにとって、プロ1年目は苦しいシーズンだった。

4球団競合の末、地元中日ドラゴンズに鳴り物入りで入団した根尾昂(19)。甲子園では2刀流として150㌔近い剛速球を投げこみ、打っては甲子園通算打率.457、3ホーマー、20打点と強烈なインパクトを残した。偏差値は70近かったというから、まさに文武両道のスーパー高校生だったというわけだ。

そんな根尾でも、ルーキーイヤーはプロの壁にぶつかった。2軍でリーグトップの打席数に立つも、打率はリーグワースト2位。ショートの守備位置でも、リーグワーストの24失策を記録している。

それでも根尾本人に焦りはない。充実のキャンプを終え、大きな手応えを掴み2年目のシーズンを迎える。

ドラゴンズの若手選手が暮らす「昇竜寮」で独占インタビューに応じた根尾に、野球人としてのこだわり、今季の決意、プライベートまで余すことなく聞いた。

――まず去年のルーキーイヤーを振り返って。成績的には満足していないように感じます。

根尾正直、全く満足はしていないですね。自分の中ではゼロに近い感じです。

――キャンプ前の肉離れで1ヶ月離脱したことの影響も?

根尾:そうですね。昨年は怪我の影響で一カ月分のトレーニング、走り込み、振り込みのすべてで積み重ねができなかった。その積み重ねがないぶんだけ、シーズン前の最後に状態を上げていくところが出来なかったのがマイナスでした。ゼロからのスタートではなく、マイナスから始まったみたいな。そんな感じです。

――今季はキャンプからオープン戦にかけて一軍帯同を続け、充実した時間を過ごしているように映ります。

根尾:去年のキャンプは野球が出来なくても取材があったり、いろんな所から注目されて。何ていうんですかね……自分としては野球しているところを見ていただきたいんですけど、そこが出来なかったので、申し訳なさが勝ったというか。キャンプからオープン戦にかけて、活躍した場面もなかったわけですし。正直、ファンの皆さんに対する申し訳なさを感じていましたね。

今は体の状態も良いですし、動きたいように動けている。今年はしっかり練習も出来ていて、手応えを感じています。

――いわゆるプロの壁を感じるシーズンでもあった?

根尾:フィジカル面では感じましたね。リハビリ後にチームに入る形になり、体を作りながらシーズンを戦うこともすごくキツかったので。週7日のうち6日間試合をし、移動をしながらの練習です。野球に取り組むリズムが高校野球とは違うし、1日、2日連戦しただけでは出ない疲れもありました。

他のルーキーの選手と比べると、イニング数も打席も守備機会もフルで出させてもらい(※編注・2軍でリーグトップの打席数)、体にくる疲れが違うというか、積み重ねの疲れもあった。壁じゃないですけど、『こうやって力をつけていく、慣れていくんだな』ということを強く感じた1年でした。

――今季はオフ返上で猛練習し、体作りをしていると聞いています。具体的にどの部分を鍛えているのか?

根尾:技術はもちろん第一でやってはいますが、更なるフィジカルの向上をテーマにしています。ウェイトでつく筋肉と、野球をやってつく筋肉は違うと個人的には思っているんですが、両方やっていかないといけないな、と感じています。

もちろん昨年もトレーニングはしていたんですが、正直“やり込む”ところまでいってはなかったので。ウェイトもそうですし、体幹もそう。野球に繋がるような動き、動物的な動きを鍛えるトレーニングだったり、全部そう。やり込みきれなかったというか、練習面で物足りないな、という感覚は持っていました。

――2軍戦ではリーグ最多の試合に出場しましたが、成績についてはどう捉えている?

根尾:試合に入る前の準備などは、春から秋にかけて変わっていきました。それでもやっぱり体の面が一番大きかったというか。だから、オフはフィジカル面の強化に費やしたという面もあります。頭のイメージに体がついてこなかったというか。例えばバッティングでも自分の中でしっくり来てない。打席に立った瞬間に、「あ、何か違う」と思うことがありました。

そういう感覚は、これまでの野球人生ではあまり感じたことはなかったですね。というのも、モヤモヤの蓄積じゃないですけど、溜め込んだままで試合に出続けるということがなかったわけですし。理由を考えた時に、「やっぱり体が出来てないな」というところに繋がっていました。

守備もバッテイングも結局やるのは全部体なんで。そこはプロとしてのスタート地点に立ててなかったんじゃないかな、と自分では考えています。

――地元出身の甲子園のスターで、4球団競合のドライチ。地元や球団からの期待はどれくらい感じている?

根尾:そりゃあ感じますよ。感じていますし、自分もその期待に応えるところをイメージしながら、もう一方で自分の求めているところも追求している。それが出来れば一番ではあるんですが、最大の目標は、いうまでもなくドラゴンズの優勝です。優勝を達成するために練習してる。

ただ、昨年結果が出なくても、周りの方が応援してくださっているのは伝わってきました。そういう雰囲気はすごく有り難かった。

――話が変わりますが、根尾選手といえばお父さんも医者で、学業も優秀。読書好きでインテリというイメージがあります。

根尾:マジですか? 全然インテリじゃないですよ(笑)。周りがどう言っているかは僕からは何ともいえないんで、もちろん「こう思ってほしい」とも言えないし。ただ、実際ホントにインテリではないですよ。

――ちなみに最近読んだ本で印象に残ったものは?

根尾:平田良介さんとロスに自主トレに行った時に、現地の方に「根尾が読むだろうと思って」と、京セラの稲盛和夫さんの本を用意してもらって。読み終わって、やっぱり全ては考え方だな、と思いました。結局、差がつくのはそこなんだなというのは感じました。

――それは野球でも?

根尾:そう信じています(笑)。

野球を離れたオフの過ごし方は?

根尾:結構寝て過ごすんですよ。オフも昼くらいから動きだす感じですし、基本外に出たりもしない。名古屋の中心までも出ないんですよ。イヤ、ホントにないんですよね。だから、フライデーされるようなこともないと思います(笑)。昼間くらいまでゆっくりして、昼以降もいるのはこの寮の敷地内なので、屋内練習場に行ったりとか。

――部屋でも読書して過ごす感じ?

根尾:寝る前とか、朝ごはんの前とか空いた時間に読むくらいで、読む時間はそこまで多くないですね。寮ではテレビもNetflixも基本観ないですね。

……あ、でも映画は好きですね!この間も「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」観ましたよ。ギドラとかいろんな怪獣が出てきて良かったです(笑)。あと、『M・I・B』(メイ・イン・ブラック)が大好きです!!

――何か意外です(笑)。

根尾:ハハハ。でも時間があったら本読んだり、映画を観たり。この時間に寝たらダメだろう、みたいな時は映画観たりしてますよ。

――改めて名古屋に来て良かったことは?

根尾:ひつまぶしです!ひつまぶしラブっす。名古屋はひつまぶし!もし毎晩いけるものなら、毎晩食べたいです!

――根尾選手といえば猛練習のイメージが沸きますが、どれくらい練習量?

根尾:なるべく時間を見つけては練習するようにしています。あんまりみんなとワイワイするのが好きじゃないというか、全体練習とかで活気持ってやるのも大事だと思うんですけど。

――それだけじゃ足りない?

根尾:足りないというか、自分の場合ダメなんで。一人でやる練習が一番大事ですし、それは高校の頃から僕はずっとそうなので。夜に限らず、朝もそうですし、できる時にやっています。

――朝も早そうですね。

根尾:そんな早くないっすよ(笑)。連戦、連戦の時に5時起きで毎日練習やってたら、死んじゃうんで。練習時間は時と場合によります。ただ、「本当に寝てらんないな」と思う時はプロなら誰でもあるんじゃないですか。

――今シーズンの根尾選手のここに注目してというポイントは?

根尾:うーん、ホントはすべてなんですが、敢えて挙げるならフルスイングです。フルスイング!! フルスイングには強いこだわりを持ってます。

――現代のプロ野球界では、フルスイングの選手はだいぶ減りました。

根尾:ただ、僕の高校の先輩方は皆さん振られているので(笑)。振れなくなったらもうバッターはできなくなると思ってます。

――最後に今季の目標を。

根尾:もちろん開幕一軍です。そこを目標にこれまでやってきたので。良い準備ができていますし、今年は手応えを感じています。皆さんの応援に応えたいと思います。

  • 取材・文/栗田シメイ撮影・濱崎慎治

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