便利グッズ、取締対策を網羅!安全・快適・得するドライブ情報
渋滞回避の「最新テク」、警察の取り締まり「回避法」、あおり運転、もらい事故の「防御術」ほか
渋滞になったらスマホを使おう
今年のGWは例年より渋滞が増えそうだ。高速道路各社によると、期間中(4月27日~5月6日)10㎞を超す渋滞の発生回数は全国で401回で、昨年の355回を上回る。ピークは東京、大阪から下りが5月3日、上りは5日と予測されている。
慣れない道を走るドライバーとしては、カーナビやスマホの地図アプリが強い味方になる。モータージャーナリストの清水草一氏によると、車載ナビより、地図アプリの性能が上がってきているという。
「情報収集と処理能力ではグーグルマップとヤフーカーナビが優秀です。ただし、グーグルは上級者向け。リルート(経路変更)を勧めてくる頻度も高いし、かなり狭い道でも容赦なく誘導してきます」
なぜグーグルマップやヤフーカーナビの方が、精度が高いのか。これは渋滞情報の収集方法の違いによる。車載ナビの渋滞情報はVICSという道路交通情報通信システムによって配信されている。VICSは各都道府県警察や日本道路交通情報センターなどから事故や工事情報、渋滞情報を24時間収集しており、得られた情報を編集してカーナビに配信している。対するグーグル、ヤフーはVICS情報に加えて当該路線を利用している他の利用者からのデータや、同じ地域を走行中の携帯端末からの情報を比較して、混雑状況をリアルタイムで更新するという仕組みになっている。スマホ利用者の数が増えるほど、精度が高まる仕組みだ。
「ヤフーカーナビは検索機能も優れており、駐車場の空車情報や割引クーポンが使える店舗が検索できるなど、ネットワーク連携も秀逸で、無料アプリとしては一人勝ちです」(家電ライター・コヤマタカヒロ氏)
前出の清水氏は、「どんな優秀なナビがあってもGWの渋滞は避けようがない」と言い、大切なのはいかにイライラを静めるかだという。
「そのためにはピーク時間の後に出発することをオススメします。高速に乗って、表示されている渋滞距離より悪化していくのか、緩和されていくのかの違いです。ピークより前に乗ると、どんどん悪化していくのに巻き込まれ、精神衛生上よくありません。逆に渋滞が解消されていくと、気が楽になるものです」
高速道と一般道とどちらが早いかも、ドライバーを悩ませる問題だ。
「私の経験では一般道の方が高速より早かったのは10回に1回くらい。渋滞に巻き込まれても高速を走っていた方が早いことの方が多いですね。高速道が混んでいるときは下道も混んでいるからです。左車線の方が早いともいわれますが、私が渋滞20㎞の道でテストした結果、違いは1分程度でした。台数換算では30台なのですごく遅れた気になりますが、せいぜいその程度です」(清水氏)
最新のナビアプリとアナログなテクを組み合わせれば、快適に運転できるのだ。
「ネズミ捕り」に注意しよう
GWにせっかく車で出かけたのに交通違反の取り締まりにあっては台無しだ。レーダーによるスピード違反の取り締まり、いわゆる「ネズミ捕り」に引っかからないためにはどうすればいいか。交通ジャーナリストの吉田武氏に聞いた。
「ネズミ捕りは警察署の近くでやるパターンが多い。道具も運びやすいし、何かあったときにすぐ対応できますから。やっている場所には三角コーンが置いてあるのが普通です。茂みがあるところに隠れていることも多い。直線道路で、ガードレールの内側に茂みがあるようなところには結構な確率で潜伏しています。カーブの途中は速度が正確に計算できないのでネズミ捕りはやらない。上り坂と平坦な道に気をつけることです」
運転していて道路脇からいきなり警察官が飛び出して来ると驚いてしまうが、実はネズミ捕りの場所は事前に知ることができる。
「ネズミ捕りは基本的に公開捜査なので、その土地の警察署に一本電話を入れて聞けばいいのです。『○月○日に○○を走るんですが、上り線(下り線)の公開取り締まりはどこでやっていますか?』と聞けば教えてくれるはずです」
自分に心当たりがなく捕まった場合、いたずらに態度を硬化させるのは得策ではない。
「パトカーや白バイに呼び止められたらすぐにハザードランプをつけて車を寄せ、免許証を用意して車から降ります。バイクならヘルメットをとって免許証を見せる。降りて待つことが大事で、こうした一連の行為が好印象を持たれるのです」
礼儀正しく対応しつつ、どうしても納得できなければ、抗議が功を奏することもある。
「下り坂での取り締まりは違法です。下っている時はどうしてもスピードが出るし、ブレーキを踏み続けていると焼きつく危険もある。下り終えた瞬間の平地で取り締まりをやっていることがありますが、そういう時に、『これって”坂落とし”じゃないですか』と警察の隠語を使って抗議すると、向こうも一瞬ひるみます。さらに、『サインしません』と粘ることもできる。まあ、成功しない場合も多いのですが(笑)」
見知らぬ土地では駐車禁止の摘発も怖い。何か対策はあるだろうか。吉田氏は最近、「駐禁ハチ公」というアプリに注目している。アプリを起動したスマホを、外が映るようにセットして車内に置いておくと、車を離れても、駐車監視員の緑色の制服を認識し、別の受信用スマホにお知らせが来る仕組みだ。植物や看板に反応するなどまだ発展途上ではあるが、コンビニでの買い物の時に威力を発揮しそうだ。
パーキングメーターにタダで停める裏技もある。
「制限時間まで無料で停められます。駐車して5分を超えると未納ランプが点灯しますが、例えば制限時間60分なら59分以内に戻れば、監視員がいても料金を入れればいい。これは現在の道路交通法の盲点で、違法行為ではありません。ただし、白線枠からちょっとでもはみ出していると、切符を切られる可能性があります」(吉田氏)
これはコインを入れる方式の機械の場合で、チケット制の場合はできない。ネズミ捕り対策も含めて、あくまで「自己責任で」(吉田氏)ということである。
ドラレコを使ってみよう
あおり運転やもらい事故の対策としてドライブレコーダーは必須のアイテムとなっている。
「選ぶ際のポイントは、『視野角が広い』『夜でも明るく見える』『逆光を補正して撮影できる』の3点です。合格ラインの機種の価格は2万円前後になります」
こう話すのは、ドライブレコーダー比較サイト「La Boon!!」を運営する鈴木朝臣氏。お勧め機種を挙げてもらった。
①ユピテル『SN―SV70c』 コンパクトで夜間でも鮮明に撮れる。Wi―Fiに接続し、スマホで操作や再生することができる。
②コムテック『HDR―751G』 ダイナミックレンジ(カメラが感じとることができる最も明るい部分と暗い部分の範囲)の補正ができるので、眩しい場所や前方の車にヘッドライトが当たってもナンバーが識別できる。
③ケンウッド『DRV―830』 丁寧に画面に解説が表示されるので、初めての人や機械に弱い人でも使いやすい。
装備を充実すると同時に「後方を録画しています」というステッカーを貼り、危険運転するような車には近づかないことが大切だ。
慣れない土地ではレーダー探知機を搭載しておくと安心だ。
「2~3年前から、車で運んで国道の横に設置する可搬式小型オービスが増えています。従来のレーダー探知機では検出されないので気をつけてください。ユピテルとコムテックの最新型なら対応しています(4枚目写真)」(鈴木氏)
正しい情報を得て、GWの交通トラブルをきり抜けよう。
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「GW前は充電、快適、安全の各グッズをお求めになるお客さんが多いです」
こう語るのはオートバックスセブンIR・広報部の貴堂郁氏。カーナビ代わりのスマホ、子どもを飽きさせないためのタブレットといった端末の電池切れを防ぐためにはUSBジャックが欠かせない。また、同乗者が快適に過ごせるクッションはユニークなものが売れている。
「窓に付けられるクッションやフード付きのU字枕はこの春からの新商品なのですが売り上げが急増しています」(貴堂氏)
注目は、危険なあおり運転対策としてのドラレコステッカー。ドラレコを搭載していなくても抑止力のために購入する人が多いという。
写真:時事通信
撮影:等々力純生(2枚目写真)、吉田武(3枚目写真)