ゲス不倫から4年…母になったベッキーが拓いた本格女優への道 | FRIDAYデジタル

ゲス不倫から4年…母になったベッキーが拓いた本格女優への道

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
”ゲス不倫”騒動を乗り越え、女優として開眼したベッキー。3月には第一子を出産し、公私共に充実した日々を送っている
”ゲス不倫”騒動を乗り越え、女優として開眼したベッキー。3月には第一子を出産し、公私共に充実した日々を送っている

“さらばバイオレンス”などというキャッチコピーは、真っ赤な嘘。冒頭から生首が転がり、血煙の中銃弾が飛び交う残虐で爽快な三池崇史ワールドが全開。しかし今回、三池監督が手掛けたこの映画『初恋』は、まぎれもない純愛映画でもある。

「天涯孤独のプロボクサー・レオ(窪田正孝)は、負けるはずのない相手にKO負け。しかも病に侵され余命いくばくもない。そんなレオが欲望渦巻く新宿・歌舞伎町で、追われる少女・モニカ(小西桜子)と出会ったことから、人生でもっとも濃密な一夜が幕を開けます」(映画誌ライター)

この映画には、オールドスタイルの武闘派ヤクザ・権藤(内野聖陽)、悪徳刑事・大伴(大森南朋)、策士のヤクザ・加瀬(染谷将太)、組長代行(塩見三省)といった個性的な俳優陣が集結。そんな中、血を流しながら雄叫びを上げ、裸足で走る”復讐の鬼”ジュリを演じるベッキーには、度肝を抜かれた。

「ベッキー演じるジュリは、組の資金源である”ブツ”を巡って、半グレ上がりの恋人・ヤス(三浦貴大)が殺され、”復讐の鬼”と化すという役柄。‘18年11月下旬にクランクインした当初、『ベッキーが血を流しながら街中を走っていた』といった驚きの目撃談がネットでも話題になりました」(前出・映画誌ライター)

血走った目を剥いてバールを振り上げ、ヤスを殺した加瀬に襲いかかるジュリ。激しいアクションシーンも、ほぼ全て自力でやり遂げたベッキー。スタイルが良すぎてスタントが見つからなかったというスタッフ事情もあったようだが、自身は「私もリアルを求める人間なので、画面に映る限り、出来るだけ自分自身でやりたい気持ちがあるんです」と話している。

「この辺りを三池監督は『ベッキーがやらなかったら、この役はあそこまで弾けなかった』『一度役に入り込んじゃうと抜けられなくて、クレバーだけど不器用で、本人もそれをわかっている。誰かがやったような芝居をすることから逃れるために、没入するやり方に行き着いている』と、”憑依系女優”ベッキーの唯一無二の演技を絶賛しています」(制作会社プロデューサー)

しかしこのスタイルは、この作品が初めてではない。‘19年に公開された、白石和彌監督の映画『麻雀放浪記2020』でもベッキーは、麻雀クラブのママ・八代ゆきとAI搭載のアンドロイド・ユキの二役に憑依。そこで観客は勿論、映画関係者にも衝撃を与えている。

三池崇史・白石和彌という当代きってのヒットメーカーから、絶賛されるベッキーの演技。しかし、女優として覚醒するまでの道程は、決してたやすいものではなかった。

「‘16年1月発売の『週刊文春』に、『ゲスの極み乙女。』のボーカル川谷絵音とのいわゆる“ゲス不倫”が明らかになったベッキー。その後の対応のまずさもあり、最盛期はテレビのレギュラー番組10本、CMの契約本数14本と言われていましたが、すべて失う羽目に。その後休養を経て、復帰。去年2月、元プロ野球選手の片岡治大との結婚を発表してテレビ番組に出演した際も『不快だった。出なくていい』『ベッキー復帰反対』と言ったバッシングの声がネットに寄せられました。好感度が高かっただけに、“ゲス不倫”騒動で失くした信頼を取り戻すのは、並大抵ではないようです」(ワイドショー関係者)

すべてを失い、タレント生命を絶たれたかに見えたベッキー。だがこの時、ベッキーの中に新たな才能が、芽生えつつあった。

「ベッキーは‘17年、今田耕司主演の舞台『三途会〜私の人生は罪ですか?〜』に出演。その時、演出を手掛ける鈴木おさむに『お客さんは、魂を通してベッキーのセリフが聞きたいんだと思うよ』とアドバイスされ、それをヒントにセリフと魂を重ね合わせる内に、自分ではコントロールできないゾーンに入るような感覚に襲われたと話しています。この舞台がベッキーのターニングポイント。映画『初恋』でも、恋人を亡くして泣きわめくシーンで、ベッキーは何度もゾーンに入っていましたね」(前出・制作会社プロデューサー)

演技する歓びに目覚めたベッキーは、貪欲に芝居に取り組む。

‘19年7月期には多部未華子主演のドラマ『これは経費で落ちません!』(NHK)に出演。経理部の言うことを聞かない高飛車な秘書役で振り切った演技を見せた。

さらに同年12月にスタートした深夜ドラマ『悪魔の弁護人 御子柴礼司-贖罪の奏鳴曲-』(フジテレビ系)でも、独特の演技で個性派女優としての地位を築きつつある。

ベッキーの起用に関しては、今も批判的な声が寄せられているのも事実だ。だが“演じることにこだわる”ベッキーには、ひとつの覚悟がある。

「ベッキーは『(演じることによって)過去の悲しい出来事や辛いことも学びになり、それがお芝居に活かせる』『だからこそ、嬉しいこと悲しいこと、失敗したこと、どんなことにでも感謝できる。すごく人生に寄り添えるお仕事だなと思う』と発言しています」(放送作家)

一連の”ゲス不倫騒動”での経験が、演じる上で糧になっていると告白。彼女は”演じることによって救われた”といっても過言ではあるまい。

「ベッキーは不倫騒動によって生じた5億円とも言われるCMなどの違約金を全額自分で払ったと言われています。通常違約金は、事務所とタレントが折半するのが一般的。復帰に向けて、並々ならない覚悟があったのでしょうね」(スポーツ紙記者)

“ゲス不倫騒動”から4年。ベッキーは高い授業料を払って、”女優”として生きる道を手に入れたのかもしれない。

  • 島右近(放送作家・映像プロデューサー)

    バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓

  • PHOTO川上孝夫

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事