新型コロナが誘発!ゆうちょマネー「100兆円金融危機」の正体

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新型コロナウイルス感染症の拡大で日経平均、大幅下落 (2020年3月13日)。乱高下を繰り返している  写真:つのだよしお/アフロ

新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、金融のメルトダウンが進みつつあるが、この金融大崩壊を「予言」していた人物がいる。

黒川敦彦氏。

政治団体「オリーブの木」代表で、16万人ものチャンネル登録者を持つ超人気YouTuberでもある。

黒川氏は大阪大学の大学発ベンチャーの支援事業や、複数のベンチャー企業の経営、および経営指導に携わってきた。

そのさなかの2008年にリーマン・ショックを経験し、金融業界の先行きに疑念を抱いて農業と政治活動を志すようになる。現在は「オリーブの木」を率い、2019年の参院選には自身を含め10人の候補者を擁立した。

その黒川氏は、自身のYou Tubeチャンネルで繰り返し「リーマン・ショックの数十倍の金融危機が必ず来る」と警告、近著『ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機』(3月19日刊)でも警告を重ねている。

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今回、新型コロナウイルスショックをきっかけに、黒川氏の警告が現実のものとなりつつある。

最新の動画で、黒川氏はこう話している。

「金融危機は長期化します。まだ全然、これでは終わりません。いま始まったばかりです。なぜなら、広い意味ではリーマン・ショックはまだ終わっていないからです。あのとき、金融バブルがしぼんでいないとおかしいんですが、そうせずに、さらなるバブルを膨らませて、臭いものにフタをしてやってきた。

その矛盾がいま、表れているんです。金融危機は、これからが本番です」

黒川氏が、バブルを膨らませつづけた張本人と指摘するのが、国際金融資本である。その代表的な会社のひとつがゴールドマン・サックスだ。

黒川氏の新著から、ゴールドマン・サックスの実態と、同社元社員グレッグ・スミス氏の告発について書かれた部分を、引用する。

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ゴールドマン・サックスの触手はもちろん日本にも及んでいます。日本におけるゴールドマン・サックスの代表的な顧客例は、

・ゆうちょ銀行
・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
・ソフトバンク

この3つです。

日本国民の預金、それから大切な老後資金である年金が喰い物にされているのです。デリバティブはもし金融危機に見舞われれば、一瞬にして吹き飛んでしまう「爆弾」だからです。

ゴールドマン・サックスで若手社員に向けられる上司の言葉は、

「客を操る」、「目玉をくり抜く」、「金を剝ぎ取る」

など、おおよそ品性のかけらもないものばかりだったそうで、スミス氏は「ここではまともな社会の一員になる人は育たない」と確信したそうです。

お金を儲けることだけ考えている人たちには、顧客の信頼を得ることも、この社会を維持していくこともできません。しかし、このような非人道的な空気が金融業界全般に蔓延しているのです。

ゴールドマン・サックスはこの告発を受けても何ら反省することもなく、これまで通りの通常営業が続けられています。そして、とうとう詐欺で訴えられるまでに至りました。

2010年4月米証券取引委員会(SEC)が同社を詐欺の疑いで訴追しました。破綻がわかっていたCDO(債務担保証券)を販売したことが詐欺に当たると指摘されました。

2019年8月9日には政府系ファンド1MDB(1 マレーシア・デベロップメント)に関する詐欺でマレーシア政府はゴールドマン・サックス現・元幹部17人を追訴しました。ゴールドマン側はアジア部門の子会社が罪を認め、20億ドル(約2160億円)を払って和解する方向で司法当局と交渉中だそうです。

このように、世界中でゴールドマン・サックスは警戒の対象となっているのです。しかし、日本ではあまりにも危機感が乏しいのが現状です。当然、彼らは日本を狙います。いや、日本こそ狙われているといったほうがいいかもしれません。

そんな日本における国際金融資本の注目人物のひとりが、佐護勝紀氏です。元ゴールドマン・サックス証券副会長にして、元ゆうちょ銀行副社長。そして、現在はソフトバンクグループ取締役。

ゆうちょ銀行は完全にゴールドマン・サックスの「優良な」顧客となっています。ゆうちょ銀行など郵政3事業を束ねる日本郵政の長門正貢前社長は「リスク資産を増やす」、「攻めの運用をする」と言っていました。

これは言い換えると、「3文字略語のわけのわからない商品を買うこと」=「CDSなどのデリバティブ商品を買うこと」になります。

丁半バクチをやっているだけ。これはあなた(読者)にとっても無関係ではありません。ゆうちょ銀行に預けている預金の運用先として、ゴールドマン・サックスが作ったデリバティブが選ばれることで、その購入の原資にされるのです。

年金機構も同様です。こちらは国民から満遍なく徴収しているわけですから無関係でいられる人はほとんどいません。

その典型的な事例が農林中金や地銀であり、みずほフィナンシャルグループ(FG)です。日本の3メガバンクの一つであるみずほFGは2019年3月期に、なんと6800億円もの損失を出しています。みずほはこの損失のうち1800億円について次のようにコメントしています。

〈金融市場における不透明感が高まる中で、(中略)過去に投資した外国債券等の有価証券ポートフォリオを再構築致します。

また、デリバティブ取引のカウンターパーティーリスク等を時価評価に反映させるためにデリバティブ評価方法等を精緻化致します。

これらに伴い、経常費用に含めて上記に係る有価証券売却損等を計上する見込みです〉

このコメントを翻訳すると、市場が荒れてきたなか、みずほ銀行が以前投資した外債にどうも価値のアヤシイものが含まれていた。

とくにデリバティブにアヤシイものが多そうなので、いま現在の実勢価格を評価しなおし、損失を計上する、ということです。

このコメントを見て、私が想起したのは、バブル崩壊後の大手金融機関です。巨額の不良債権を抱えながら、その「評価方法」をあいまいにし、損失額を低く見せかけていました。

山一證券に至っては2600億円もの損失をタックス・ヘイブン(租税回避地)に「飛ばし」、破綻の直前までそれを隠していたのです。

ここで世界のGDPと金融資産の推移を見ていきます。

ご覧のように1980年にはほぼ同じ金額だったのに、2017年には金融資産がGDPの4倍にまで膨らんでいます。これは明らかに膨らみすぎです。それだけ弾けるバブルが大きく、金融危機のリスクが高いということを意味します。

私が2011年に金融業界から足を洗った理由は、ここで記してきたようなリーマン・ショックの10倍規模にもなる金融危機の到来が避けられないと確信したからです。金融バブル全体で見ると、さらに10倍近い規模になるでしょう。

つまり、リーマン・ショックの100倍レベルの大ショックがやってくることになるのです。こうなったときに、無関係でいられる人がどれだけいるでしょうか。人類沈没と言ってもいいくらいの大恐慌がやってくることも十分にあり得るのです。

もはや人類は一度、金融のシステムを考えなおさないとどうしようもないというところまで来ているのです。

銀行は本来、皆さんから預かったお金を融資して社会を良くしていくことを目的としているはずです。それが、デリバティブを含む丁半博打に興じているのです。

金儲けだけを考えるマネーゲームが主流となってしまっています。

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黒川氏は新著において、金融バブルに乗って巨額の資産を投資しているソフトバンク農林中央金庫、そしてゆうちょ銀行がはらむ危険について、詳細に書いている。

金融ムラの誰もが密かに感じていながら、誰も口に出せなかった、これが日本の金融界の恐るべき実態なのだ。

アメリカへの積極的な投資を約束している孫正義ソフトバンク社長と、それを歓迎するトランプ大統領(2018年6月28日) 写真:ロイター/アフロ

◆黒川 敦彦(くろかわあつひこ)
1978年、愛媛県今治市出身。大阪大学工学部卒業後、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究員として大阪大学の大学発ベンチャーの設立支援業務に従事する。

大阪大学歯学部発ベンチャー企業の株式会社アイキャットを設立、代表取締役CEOとして製品化・マーケティング体制構築の実務に従事(のち退社)。技術系ベンチャー十数社を設立、ベンチャー企業への投資、経営支援業務に従事する。

リーマン・ショックを機に金融業界を離れ、2011年春、今治に帰郷し農業と政治活動を始める。地元今治で加計学園問題を追及する社会運動を起こし、2017年安倍晋三総理のおひざ元山口4区から衆院選出馬。政治団体「オリーブの木」を設立、代表となり、2019年参院選に候補者10名を擁立。

2018年からYouTube上での発信を開始して爆発的な人気を獲得、2020年1月現在16万人を超えるチャンネル登録者がいる。

 

『ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機』(講談社+α新書)著:黒川敦彦

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黒川敦彦氏  撮影:森清

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