中国で放送決定! コロナ撃退「感動ドラマ」の中身

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ビニールを顔にグルグル巻きにし新型コロナウイルスを防ごうとする中国の空港職員。中国では海外からの帰国者を通じた2次感染拡大が懸念されている

感染拡大する新型コロナウイルス。そんな中、中国が世界にさきがけ“終息宣言”をした。3月10日に習近平国家主席が、発生元である湖北省武漢市を視察。3月18日には初めて同市から新規感染者が確認されなかったとし、中国国家衛生健康委員会は「コロナウイルスのピークは過ぎた」と発表したのだ。

「中国には、ウイルスの発生源となり全世界でパンデミックを起こした負い目があるのでしょう。国内に目を転じても、感染拡大を認めなかった政府の初期対応に対する不安がくすぶっています。習近平氏は信頼回復に躍起です。いち早く終息宣言をすることで、自分たちは正しかったと国内外にアピールしたいのでしょう」(全国紙記者)

さらに中国では今秋に向け、ある“国家プロジェクト”が進められている。10月から放送予定の“コロナ撃退ドラマ”の準備だ。中国人ジャーナリストの周来友氏が語る。

「『Together(中国名・在一起)』というドラマです。習近平氏の肝いりで莫大な制作費が用意されている、国のPR番組ですよ。上海に拠点を置く東方衛星という、中国でもっとも影響力があるテレビ局で夜7時からのゴールデンタイムに放送される予定だとか。スタッフやキャストには大ヒット映画『紅海行動』で脚本を手がけた馮驥など、国内で有数の監督や脚本家、俳優が名を連ねています」

どんな内容なのだろうか。周氏が続ける。

「武漢でコロナウイルスと戦った医師やボランティア、感染症から生還した患者など、感動的な物語に仕立て上げられる10人のエピソードです。一人につき2話。全20話のドラマになります。すでにスタッフは現地入りして、題材となる人物の選定を始めている。『人民網』など中国メディアはこぞって、『全世界の人が見るべき歴史に残る超大作』『大災難に立ち向かった人々の感動的実話』と大々的に宣伝しています」

国家的な危機を逆手にとり、政治利用しようと目論む中国。だが、本当に感染は終息したのだろうか。当局の発表では、確かに国内の感染者数は急激に減っている。だが海外からの帰国者の間では、感染者が250人を突破したという報道もある。二次拡大の可能性もあるのだ。

「徹底的な封じ込め政策が功を奏し、北京や上海などの都市部では感染者が目に見えて減っています。心配なのは地方です。政府の終息宣言により、再び国内の人々の移動が活発になりつつあります。地方に持ち込まれたウイルスが、各地で猛威を振るう可能性は十分ある。地方では医療態勢が脆弱で、体調不良を感じても対応できる機関すらない場所がいくつもあります。また地方の役人も中央からの叱責を恐れ、感染拡大を隠蔽することも考えられる。コロナウイルスが蔓延していても、外部が把握できないケースがあるんです」(周氏)

パンデミックの発生源となったため、汚名返上を狙う中国。“コロナ撃退ドラマ”に莫大な予算をつぎ込む前に、対処すべき問題はまだまだ多くありそうだ。

  • 写真AFP/アフロ

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