743校調査“コロナでも卒業式実施の大学名”決行はたった4%!

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今年はほとんど見られなかった華やかな卒業式後の風景。袴などの貸衣装店も大打撃をこうむったという。写真は昨年3月に東京都・本郷で行われた東大の卒業式

3月24日に本郷キャンパス(東京都文京区)で、東京大学の卒業式が行われた。安田講堂での式典に出席した学生は、各学部代表の13人のみ。卒業生総代は新型コロナウイルスの集団感染発生地、中国・武漢市出身で医学部健康総合科学科に在籍した鄭翌さんだ。鄭さんは答辞で、こう述べた。

「国や地域を隔てて医療を論じることは不可能です。一人ひとりに託された使命を、精一杯果たしたいと思います」

例年であれば、桜の季節に華やかな袴や着物を着た卒業生が街に溢れる。しかし今年はコロナウイルスの影響で、卒業式も自粛ムード。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、全国743大学の実施可否を独自に調べた(卒業生がいない新設校を除きほぼすべての国公私立大学を公式ホームページなどから調査。調査後に判断を変えた学校も)。結果は以下の通り。

実施 32校(4.3%)
縮小 223校(30.0%)
中止 456校(61.4%)
不明 32校(4.3%)

調査した石渡氏が語る。

「卒業式を実施した学校は、全体の4%ほど。大半は1学年1000人以下の小規模校です。ただ、実施校でも無為無策の大学はない。なんらかのコロナ対策はしています。例えば香川県立保健医療大は、『在学生は代表者のみ出席』『来賓、保護者の出席はお断り』としています。『実施』と表明していますが、これは『縮小』した東大や東京工業大と同じ対応です。予定通り実施は、ほぼゼロに近い状態ですよ。

近畿大や早稲田大など1学年1万人以上いる大規模校では、9割以上で卒業式を中止しています。講堂や体育館など密閉した空間で大勢の人々が長い間濃厚接触すれば、集団感染の危険性が高まりますからね。各校とも、2月下旬の早い段階で中止を決定しています。連日テレビにコロナ対策のコメンテイターとして出演し全国区となった、岡田晴恵教授の在籍する白鷗大学は謝恩会も禁止。教室への立ち入りすら禁じている学校もあります」

中止した456校では、卒業証書や学位記の授与について対応が分かれた。大きくは3つのパターンに大別される。「郵送」(立命館大、明治学院大など)、「学科・ゼミ単位で授与」(県立広島大、武庫川女子大など)、「窓口で交付」(岡山商科大、鹿児島国際大など)だ。

大半の学生にとって、卒業式は一生に一度の晴れの日。中止で悲しい思いをするのは、息子や娘の晴れ姿を大学で見られない親も変わらない。

「実施、縮小した大学で保護者の参加を認めたのは、255校中20校だけです。わずか7.8%にすぎません。また参加を認めても、『2名まで』(青森中央学院大学、エリザベド音楽大学など)、『1名まで』(恵泉女学園大学、東京純心大学など)と人数制限する学校も多い。佐賀大学などは、『保護者やご家族のお気持ちを考えますと大変辛い判断となりました』と親を気遣うコメントを出しています」(石渡氏)

コロナウイルスの影響は卒業式だけではない。名古屋大、早大、法政大などでは、4月に行われる予定だった入学式の中止を発表。現在は春休みで海外にいる留学生のために、授業開始を遅らせる学校も多いのだ。世界的な感染拡大をみせるウイルスにより、教育界も混迷を深めている。

  • 写真時事通信社

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