大炎上『100日後に死ぬワニ』に、電通過労死遺族がコメント

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
会見に臨む「電通過労死」の被害者・高橋まつりさんの母・幸美さん(‘18年)

『100日後に死ぬワニ』が思ってもみない展開を見せている。

イラストレーターのきくちゆうき氏がTwitterに100日間、毎日投稿し続けたワニを主人公にしたマンガ『100日後に死ぬワニ』。4コマ漫画で展開されるこの物語は、主人公のワニが自分の死期を知らず、何気ない日常を送っているワンシーンが描かれ、最後に「死まであと何日」というカウントダウンが描かれる。最終回までにツイッターフォロワー数が190万人を突破するなど、ネット上などで大きな話題となった。

99日までは全く死ぬ素振りすらなかったが、100日目の3月20日にワニはひよこの身代わりとなり交通事故にあった。ラストシーンでは桜吹雪が映され、天国へと旅立ったような感動のシーンだ。

これは原作者のきくち氏が、実際に友人を事故で亡くしたことがきっかけで、100日目の構成も初めから決めていたという。

しかしその100日目の感動のラストと同時に、ツイッター上では書籍発売、映画化決定、さらにグッズ販売までも発表。さらにLINEスタンプや人気バンド「いきものがかり」とコラボムービーまで公開されると大炎上へと発展した。

「そのコラボムービーのエンドロールを見てみると、PRプランナーに電通社員の名前があったんです。さらに公式ツイッターの管理会社を見てみると、取引先に電通の名前がありました。するとファンから“やはり最初から金儲けだったのか”という声が殺到した。素朴で何気ないキャラのワニを応援していたのに、電通案件疑惑が上がると、手のひらを返したように態度が豹変したんです」(スポーツ紙記者)

この騒動にきくちさんはツイッターで、

《改めて言いますが、ワニの話しは自分1人で始めました。それから色んな人が付いてきてくれました。》(原文ママ)

と、あくまで最初は一人で始めたことを強調。もろもろの関与を否定した。しかしこのあと意外な人物がきくちさんのツイートにコメントした。

《きくちさんの作品拝見しました
ワニ君と娘の最期がシンクロしました
娘は正社員になり100日生きれませんでした
パワハラで悩む同僚を励ましてた娘が命を絶ち
電通の労働環境を変え、
娘は予期せず同僚を助けました
娘の24年の人生は満開の桜が春の嵐に遭い儚く散る花のようでした 》(原文ママ)

「これは‘15年12月25日のクリスマスに過労自殺した電通社員の高橋まつりさんの母親・幸美さんです。もちろん“電通案件”と分かって書いていらっしゃるはず。このあとのツイートに《ホント、電通プロデュースで「正社員になって100日生きれなかった高橋まつり」作って欲しいもんです。私が死んでも風化しないようにグッズでも銅像でも建てて欲しいです》(原文ママ)と投稿したんです。

もちろん幸美さんは原作者のきくちさんには恨みはないでしょうし、作品に感銘を受けたことは間違いないと思うのですが、娘のことを思うと電通に皮肉を言いたくなったのでしょう」(全国紙記者)

まつりさんの残業時間は認定されただけで、月100時間超で過労死ラインを超えていた。これをうけ、‘17年1月に石井直社長は引責辞任をし、電通は労働基準法違反の罪で略式起訴。50万円の罰金刑となった。

売れるものを作り、販売することに何ら問題はない。それが需要と供給でまわる資本主義の原則である。それでも、“電通案件”とみられるだけで世間からの厳しい目を向けられる、そんな現状があることが分かった一件だった――。

  • 写真時事

Photo Gallary1

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事