『ドラゴン桜』復活に思う…2005年「ドラマ大豊作」の奇跡 | FRIDAYデジタル

『ドラゴン桜』復活に思う…2005年「ドラマ大豊作」の奇跡

『電車男』、『野ブタをプロデュース』などあったあった、あんなヒット作!

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15年振りに復活する『ドラゴン桜』で弁護士・桜木建二を演じる阿部寛
15年振りに復活する『ドラゴン桜』で弁護士・桜木建二を演じる阿部寛

阿部寛主演『ドラゴン桜』(TBS系・2005年)が復活、第二弾が7月から放送というニュースが流れた。おお、あの桜木建二が帰ってくる。

「(懐かしいなあ……)」

と、当時のことを思い返していると第一弾が放送された2005年には、他にもたくさんのヒットドラマがあったことを思い出した。

ここ20年くらい、一年に一作品くらいのペースで新しいヒットドラマが生まれれば、いいペースだと言える昨今。今年で言うなら『テセウスの船』(TBS系)がすでに視聴率19.6%を叩き出している。大河や朝ドラはまた別枠と考えても、エンターテインメントは常に様々な形で進化を続けている。そんな最中で、2005年の記憶に残る作品の誕生率は群を抜く。ここらで皆が夢中になって見て、話題の中心にあった作品の数々を振り返りたい。本当にあの一年間は、ドラマ界にとってお祭り騒ぎだった。

新“学園モノ”の感動パターンが構築された一年

2005年のドラマでは多くの学園モノが放送された。個人的に非常に好きなドラマのジャンルで、新人俳優&女優を一気に青田買い視聴できるという、下心に溢れたチャンスの時間でもある。

まずは今回のコラムを書くきっかけにもなった『ドラゴン桜』(TBS系)。たった15年後、空前の東大ブームが起きるとは想像もしていなかった。それから仲間由紀恵主演『ごくせん 第2シリーズ』。ちなみに『ごくせん』の数あるシリーズで、No.1の高視聴率を叩き出したのはこの放送だ。私が一番ハマったのも、この第2シリーズ。そして、天海祐希主演『女王の教室』に、今年全国ツアーを開催するという亀と山P放送当時のコンビ名は修二と彰)が主演を務めた『野ブタ。をプロデュース』堀北真希も、やたら可愛かった。この3作品すべてが日本テレビから制作されているのは、もう快挙だ。

学園モノは基本的にラストに感動がありき。代表格は先生が一生懸命な『3年B組金八先生』(TBS系)の展開だけど、この年に放送された学園モノは先生が悪者というケースが多かったんだと改めて思う。以前にも『GTO』(フジテレビ系・1998年)に見られる、担任教師が元・暴走族のパターンはあった。でも『ごくせん』で見たヤンクミは、女性でも男性よりケンカが強くて、生徒への愛情が深い。アイコンのようなジャージ姿も良かった。何より、当時主演を務めた仲間が26歳で見せつけてくれた貫禄ぶりと、全く今とビジュアルが変化しないところに感服。

水曜22時放送、『anego』の行方に夢中だった15年前

2005年のドラマの奇跡はまだ続く。伊藤淳史主演の『電車男』。オタクたちに夢と希望を与えた作品だ。コラージュ映像で放送されるオタク仲間に小栗旬がいたのは貴重すぎる。二度と地上波再放送ではお目にかかれなくなってしまった、沢尻エリカ主演『1リットルの涙』。主演女優の可愛らしさが毎週まぶしくてたまらなかった。月9では相変わらずのペースで木村拓哉主演『エンジン』(すべてフジテレビ系)が放送。クレイジーケンバンドの主題歌を今でも記憶している『タイガー&ドラゴン』(TBS系)もこの年に放送。テレビ画面は華やかに包まれていたのだ。

名作揃いのなか、私が復活を熱望するのは篠原涼子主演『anego』(日本テレビ系)だ。15年前、徐々に年上女性と年下男性のカップルが認知され始めていたあの頃。年下男性好きを中学生から訴えていた私にとって、救世主のようなドラマだった。『きみはペット』(TBS系・2003年)も良かったのだけど、女性がめちゃくちゃエリートという設定がドラマにも散見されていて、庶民としては臨場感にやや欠けた。

自分が篠原涼子になれるとは微塵も思っていないが、『anego』は一般職のOLという設定にそそられた。

「朝も昼も夜も、ずっと(黒沢くんと)一緒にいたいんだけど……同棲とかじゃなくて……結婚してください!」

野田奈央子(篠原涼子)からのプロポーズも良かったけど

「考える時間をください……5年くらい?」

という、年下彼氏の黒沢くん(赤西仁)から放たれた返事の衝撃たるや。こちとら20代じゃないんだから、5年も待てねえよ。その夜は奈央子と一緒に落ち込んだ。ただこういう現実がドラマの随所に現れていると、楽しいのになと思わんばかり。

『ドラゴン桜2』(仮)の放送は7月でも、この4月からは復活作が目立つ。『ハケンの品格』(日本テレビ系)は13年ぶり、『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)は2年ぶりの放送だ。温故知新として過去作を辿っていくのであれば

「2005年にヒントがたくさん隠されていますよ〜、各局のみなさま!」

と匂わせつつ、期待を込めて、本日は終了。

  • 小林久乃

    エッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター、撮影コーディネーターなど。エンタメやカルチャー分野に強く、ウェブや雑誌媒体にて連載記事を多数持つ。企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊を超え、中には15万部を超えるベストセラーも。静岡県浜松市出身、正々堂々の独身。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。

  • 写真つのだよしお/アフロ

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