麻薬取引、殺人依頼、ネットの魔界「ダークウェブ」はあなたを狙う

マネーロンダリング、麻薬取引から殺人依頼まで

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ダークウェブ上にある、さまざまな種類の薬物が売買されているサイト。価格はビットコインで表示されている

上の画像を見てほしい。表示されているのは、違法ドラッグの数々。これらがワンクリックで注文できるようになっているのが分かる。2~5枚目の写真は、とあるネット掲示板だ。2枚目の写真は、ほとんど一糸纏(まと)わぬ姿の幼い少女。その下では、怪しげなやり取りが繰り広げられている。このいかにも危険なサイトは、いずれも”ネット上の魔界”ダークウェブ上に開設されたものだ。

「ダークウェブのうち、もっともメジャーなのはドメイン名が『.onion』となっているもの。世界中にある複数のサーバーをランダムに経由するため、匿名性が高いのが特徴です」(情報セキュリティ専門家の加藤正樹氏)

元々は米海軍が通信の秘密を守るために開発したネットワーク技術が悪用され、このような闇のサイトが誕生したのだという。驚くべきことに、「現在、世界で起きているサイバー犯罪のほとんどがダークウェブ上で起こっている」と話すのは、ITジャーナリストの三上洋氏だ。

「コインチェック社から盗難されたNEMの資金洗浄で有名になりましたが、そのほかの国内の有名な事件で言えば、’12年、冤罪で4名の誤認逮捕者を出したパソコン遠隔操作事件の犯人も、ダークウェブを使用していました。
このような犯罪に加え、ここ2~3年、ビットコインなどの仮想通貨が普及したことによって完全なウェブ上での決済が可能になり、『闇取引』が活発化している。海外では、トラップとして中継サーバーを警察が作り、犯罪者を捕まえようとする囮捜査が試みられています。それでも、捜査には経由地である国の捜査協力が必要であるため、現実的には犯人の追跡は非常に困難。実際、ダークウェブのシステムを利用した犯人を逮捕することに成功した事例はありません」(三上氏)

では、ダークウェブ上では何が取り引きされているのか。ダークウェブに詳しいハッカーのCheena氏が話す。


「ダークウェブ上では、旧2ちゃんねるのような掲示板サイトでの取引が行われています。取引以外にも、児童ポルノのような、通常のネットでは規制されてしまう画像や動画の共有にも使用されている。これらのサイトは英語だけでなく、日本語のものも多数存在しています」

取り引きされるのは違法なものばかり。一番人気の取引商品は、薬物だという。


「日本語の掲示板では大麻を”野菜”、覚醒剤を”こおり(アイス)”と表現します。他にもサイトを見てみると、クレジットカードや偽造パスポートの販売がありました。価格はカードが1枚3000円程度、パスポートは1000~5000円程度ですが、これらの商品は情報が古かったり、使用できないようなものがほとんど。他にも、売春や殺人依頼など、様々な取引が行われています」(同前)

当然これらの取引で海外から違法な品物を購入すれば、「捜査協力の要請を受けて警察が逮捕し、海外に身柄引き渡しという可能性もある」(ネット犯罪に詳しい清水陽平弁護士)。それだけではなく、自らの意思ではなくとも、通常のウェブ上にあるアダルトサイトや掲示板サイトに貼られたリンクなどをウッカリ踏んだだけで、ダークウェブの危険に巻き込まれてしまう可能性もあるという。

「誰がどのように作成したか分からない以上、ページを開くだけでウィルスに感染してしまう危険があります。そうなれば、パソコンがフリーズしてしまうことや、最悪の場合、個人情報を抜き取られ、その情報をダークウェブ上で転売されてしまうこともある」(前出・加藤氏)

興味のある画像やURLを何気なくクリックしてみたら、そこは、ダークウェブかもしれない。もはや、誰が悲劇に巻きこまれても不思議ではないのだ。

ダークウェブ上の児童ポルノに関する掲示板。サイト名は「Forbidden Fruit(禁断の果実)」

自動車の免許証、パスポート、クレジットカードも販売されている。実用性は保証されていない

 

Photo Gallary5

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