マイク・ポンペオ  トランプを操り、金正恩を恫喝する男

「誰も見たことのない事態が、北朝鮮で起きることになる」

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トランプ大統領に視線を送るポンペオ氏(右端)。長官に指名される以前から、北朝鮮問題について相談に乗ることがあった

ドナルド・トランプ米大統領(71)が北朝鮮への軍事行動を示唆したのは昨年8月のこと。立ち込める緊張感に、その場にいた人々は息を呑む。そんななか、右端に座る「その男」は、意味ありげな視線を大統領に送り続けていた――。

3月13日、トランプ氏はツイッター上でティラーソン国務長官の解任を発表した。後任に指名されたのは、CIA長官のマイク・ポンペオ氏(54)。昨年8月、大統領と国家安全保障チームによる北朝鮮問題への対策会議で、大統領に怪しげな視線を送っていたあの男だ(写真上)。

「ポンペオ氏は陸軍士官学校を優秀な成績で卒業し、ハーバード大学のロースクールで修士号を取得したエリート。イラン問題や中国問題、そしてロシア・ゲート疑惑に至るまで、トランプ氏の考えを支持しています。トランプ氏同様、外交政策で強硬なアプローチを主張しているため、非常に重宝されているのです」(在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏)

実際、ポンペオ氏は「すべてのムスリムはテロリズム行為に集団で加担する可能性がある」「イラン政権は我が国を破壊することを意図している」など、過去にトランプ氏以上に過激な発言を繰り返している。外交を司る国務長官にふさわしい人物とはとても思えないような発言だが、トランプ氏は同氏について「我々は波長が合っている」とコメントするなど、今回の就任を祝福している。

一方でポンペオ氏は、大統領からの信頼を確固たるものにするべく、自身の強みを活かした手土産を用意しようと隠密行動を取っていた。米政権事情に詳しい、あるジャーナリストが話す。

「5月末までの開催が決まった米朝首脳会談は、実はポンペオ氏がお膳立てしたものです。昨年、同氏の指示により、CIAの東アジア作戦部の一員だった人物が、水面下で北朝鮮の北米局長だった崔善姫(チェソンヒ)氏と複数回会談しています。一方で国内では、メディアに情報を流し、アメリカが北朝鮮へ軍事オプションの行使を検討していることを報道させ、圧力をかけた。こうして、表、ウラの両面から、北朝鮮側が非核化を前提とした会談を持ち掛けざるを得ないように仕向けたのです」

大統領はポンペオ氏の見せた忠誠心に満足し、満を持して次期国務長官のポストが約束される運びとなったのだ。

だが、トランプ氏と「波長の合う」ポンペオ氏は大統領同様、一筋縄ではいかない人物かもしれない。ただご機嫌を取っているように見せかけて、しっかり大統領を利用し、自らの意思を体現しようと画策する賢(さか)しさも持ち合わせているようだ。グローバルエコノミストの斎藤満氏が話す。

「元々トランプ氏自身は、北朝鮮に対しさほど強硬な姿勢ではなかった。ポンペオ氏を始めとする、タカ派の一団が吹き込んできたのです。ポンペオ氏は交渉より、力で脅かしてカタをつける方が得意なタイプ。今後も、大統領をさらなる強硬路線に誘導し、武力攻撃に至らしめる可能性は大いにある」

米朝会談については、未だ北朝鮮側からの明確なコメントがないなど、開催への雲行きは怪しくなっている。平和のために歩み寄っていたはずが一転、ポンペオ氏就任が、米朝間の武力衝突の引き金となってしまうかもしれない。

トランプ氏は国務長官に必要な資質は「風格、存在感、見栄え」であると考えているという。ポンペオ氏は最適?

 

写真:The New York Times/アフロ ロイター/アフロ

 

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