SNSで超話題!新感覚転生『パリピ孔明』はこうして生まれた | FRIDAYデジタル

SNSで超話題!新感覚転生『パリピ孔明』はこうして生まれた

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今とあるマンガが、SNSを中心に大きな注目を集めている。その名も『パリピ孔明』。

この一見、というかどう考えてもかけ離れている2つの単語を組み合わせたタイトルに、「なんでパリピと孔明…?」と不思議に思う人もいるかもしれない。しかしこの作品、ウェブコミック配信サイト『コミックDAYS』で最新話が公開されるたび、Twitterのトレンド入りを果たしているほどの話題作なのだ。

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『パリピ孔明』①巻書影(原作:四葉夕ト、漫画:小川亮)

物語は、現代の渋谷に転生した名軍師・諸葛孔明がクラブへと連れて行かれ、そこでアマチュアシンガー・月見英子と出会うことからスタートする。孔明は英子の歌声に惚れこみ、戦場を生き抜いてきた経験と知恵を活かして彼女のプロデュースを行なっていくのだが……その手腕はまさに“名軍師”!

思わず「マジ孔明パねぇ」と驚嘆しつつも笑ってしまうエピソードが満載で、『三国志』の逸話や“転生あるある”ネタ、クラブカルチャーに加え、“歌手になる夢を叶える”という熱いサクセスストーリーまで盛り込んだ、全方位「死角なし」の内容なのだ。

本作を生んだのは、作家として活躍する四葉夕卜(よつばゆうと)さん。マンガ原作を手掛けるのは初めてとなるが、その誕生秘話を語ってくれた。

「『パリピ孔明』の担当編集さんとは、実は学生時代にたまたまバーで知り合いました。その頃まだ彼は就職活動中で、僕は小説家デビューする前で。彼がマンガ編集者になったタイミングで僕もデビューして、いつか一緒に何かできたらいいねと話していたんです。

その後、僕が『モーニング』と『週刊少年マガジン』が共同主催の『漫画脚本大賞』に本作の原典といえるネタで応募。そこではマンガにならなかったんですが、これを担当編集さんに見せてみたら『すごく面白い! 練っていこう!』という話になって。

元々はただのギャグマンガだったんですが、1年半くらいかけて50回くらい書き直し、『孔明が歌手を目指す女の子の軍師になる』という今の形になりました」(『パリピ孔明』原作者・四葉夕ト氏 以下同)

孔明は英子の歌に惚れ、この歌声を多くの人に届けるべく再び「軍師」として立ち上がる――!/『パリピ孔明』2話より

運命の出会いとも言える形で始まった『パリピ孔明』。しかし、そもそもなぜ「パリピ」×「孔明」なのか――。きっかけは「友人の一言」だったそう。

「DJをやっている友人がいるんですが、彼も僕も『三国志』が大好きで。彼があるとき、会話の中で『孔明がパリピになったら面白くね?』と。それでもう一気に頭の中で想像が膨らんじゃって、この組み合わせが生まれました。その友人の一言がなければ、この作品は生まれていなかったと思います」

四葉さんは元々クラブやダンスミュージックが大好きだそうで、20代の時は週5でクラブに通っていた時期もあったのだとか。

「クラブにはいろんな目的でいろんな人が来てるんですが、音楽とお酒で誰とでも仲良くなれちゃう妙な一体感があって、その空気が大好きなんです。音楽ってすごいなと実感します。ちなみに、10話で登場する光るメガネの話は僕の実体験です。あれがあるとすごい人気者になれますよ(笑)」

クラブで人の心を掴む方法もすでに掌握済み!? ドンキで買った光るメガネで注目を集める孔明/『パリピ孔明』10話より

思ってた以上にパリピ…! クラブ内の描写が非常にリアルなのは、四葉さんの実体験があってこそのクオリティだったのだ。また、4話で兵法『石兵八陣』を駆使し英子のステージに客を流した手法など、作中に盛り込まれた“三国志ネタ”について聞いてみると――?

「兵法って戦争に勝つためのものなので、現代に落とし込めるものがなかなかなくて……計略を選ぶのはけっこう大変です。

『石兵八陣』も、そのままでは全然使えなかったので現代風にアレンジしました。大きいクラブだと迷っちゃうこととか結構あるので、その体験をベースにして……さすがに作中のような絶対トイレにたどり着いちゃうクラブは無いですけど(笑)、あったら僕も行きたいです」

苦戦することが多いと明かしつつも、「やっぱり『三国志』ファンとしては、名場面はいろいろ使いたいな、と日々妄想しています」と楽しみながら模索しているようだ。

何周してもなぜか出口にたどり着けない! 魔法のような孔明の罠で、英子のステージに次々と人が集まっていく…。/『パリピ孔明』4話より

「ここでその計略を!?」「その発想はなかった…!」と思わず笑ってしまう孔明の策だが、それによりキャラクターの成長の機会が生まれるという、しっかり“王道”なサクセスストーリー。このバランスの良さは、四葉さんのセンスはもちろん、マンガを担当している小川亮さんの力も大きい。

「マンガを小川さんに描いてもらうことが決まった時には、クオリティが高くて感動しました。ここまでこの作品にハマるギャグとイケメンを描いてくれる人ってなかなかいないなと。

実はキャラクターデザインの段階で、“髭がないバージョン”の孔明も検討していました。でもやっぱり髭があった方がいい! そのほうが孔明っぽい! ということで、今の孔明に落ち着きました。小川さんの絵があれだけカッコよくなければ、あの髭はボツになっていたかもしれません」

無職なのにどこまでも堂々としていてかっこいい孔明。このかっこよさも、小川さんのハイクオリティな絵があってこそ。/『パリピ孔明』1話より

現在『コミックDAYS』で公開されている最新話には新キャラも登場しており、今後も孔明が必要な人材をスカウトしていく予定とのこと。4月8日には単行本1巻も発売し、ノリにノっている本作だが、最後に四葉さんに読者への一言をお願いすると“パリピ”な言葉が返ってきた。

「本作が、『三国志』と孔明、そして好きな音楽を楽しむ“アゲアゲ卍盛り”な毎日の一助になることを願っています!」

クラブやフェスに一度も行ったことがなくても、『三国志』をガッツリ読み込んでいなくても楽しめる『パリピ孔明』は、読むだけでバイブスが上がるエンターテイメント作。今後も、様々な計略で感動と笑いを与えてくれるだろう。

 

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  • 取材・文水音(月乃雫)

    兵庫県出身、東京在住のフリーライター。アニメやマンガ、料理といった得意分野を活かし、『ダ・ヴィンチニュース』(KADOKAWA)や『レタスクラブニュース』(KADOKAWA)、『マグミクス』(メディア・ヴァーグ)など様々な媒体で執筆。2020年1月より1人を楽しむ個人ブログ『水音LIFE』も運営中。

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