コロナ後に世界を襲う「リーマンショック数十倍規模」の金融危機

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日経平均、大幅反落 都の新型コロナ感染者急増に警戒感(撮影 2020年3月26日)写真:AFP/アフロ

「バブルが近いうちに破裂することは、間違いないと思っていました。膨れに膨れた風船を破裂させる一刺しが、たまたま今回の新型コロナウイルス感染拡大だったのです。

それがドイツ銀行の破綻だったかもしれなかったし、あるいは中国のシャドーバンクか、ギリシャの財政破綻だったかもしれません。ハイリスクな債券・金融商品が世界中の金融市場に信じられないほど大量にばら撒かれており、いつその爆弾の導火線に火がついてもおかしくない状態だったのです」(黒川敦彦氏)

新型コロナウイルスによるパンデミックがいま、世界の金融市場を直撃している。

ニューヨーク証券取引所のダウ工業株30種平均は危機前に比べ一時4割も下落し、それに引きずられる形で日経平均も下げた。

慌てた各国政府が超大型の経済対策を発表すると短期的に値上がりに転じるが、すぐに下落する乱高下を演じ、「金融大崩壊」の足音がすぐそこまで聞こえてきている。

この事態を予測し、昨年から厳しい警告を繰り返してきたのが黒川敦彦氏(政治団体「オリーブの木」代表)である。黒川氏は大阪大学のベンチャー支援事業に携わった経験から、超大型の金融危機が迫っていると確信し、自らのYouTubeチャンネルでメッセージを発信してきた。

はたして、黒川氏が「予言」していた金融大崩壊はすでに始まっているのか。それとも、まだこれからが本番なのか。緊急インタビューをした。


コロナウイルス・パンデミックの起こる前から、金融危機がいつ起きてもおかしくない環境だったと黒川氏は言う。

「その元凶は、金融資本家です。金融の本来の役割は、健全かつ有益な投資のチャンスを投資家に提供したり、資金を公平に循環させて企業の成長を促し、市場の拡大を手助けするものですが、金融資本家は自分たちが儲けるためにリスクの高い金融商品を作り、投資家を騙し続けてきました。

世界のGDPが成長していないにもかかわらず、金融資産の総額は伸び続けていました。2017年には金融資産がGDPの4倍にまで膨らんでいます。明らかに膨らみ過ぎで、それこそがまさにバブルなのです。

パンパンに膨らんでいた状態にもかかわらず、ゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの金融資本家が『まだ儲けたい』と、風船を膨らませ続けてきました」(黒川氏)

黒川氏は著書『ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機』で、農林中金を「日本一危ない金融機関」と指摘している。

ソフトバンク崩壊の恐怖と農中・ゆうちょに迫る金融危機』(講談社+α新書)著:黒川敦彦

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農林中金はリーマン・ショックの時に1・5兆円の損を出しています。そのときの教訓が生かされることなく、懲りずに危険な外国債券・金融商品に手を出しているのです。

農林中金の財務諸表を見ると、保有する有価証券55・8兆円のうち41・3兆円が『その他証券』です。元本を保証しない証券が41兆円もあり、金融危機が起これば半額以下になる可能性もあります。農林中金の純資産は約7兆円ですから、あっという間に債務超過となります」(黒川氏)

加えて、メガバンク、生命保険・損害保険会社も危機に晒されているという。

「銀行が危なすぎるのですが、生保も同様に危ない。2000年に千代田生命、第百生命、協栄生命、大正生命が倒産し、2001年に東京生命、2008年に大和生命が倒産しましたが、その主な理由は、『低金利政策による逆ザヤ』でした。

100万円積み立てると満期で300万円になるという、いまでは考えられないような高利率の商品がザラにあり、その利率を賄えなくなったのです。

現在の生損保上位10社の保有資産を見ると、外国証券の合計が57兆9101億円もあります。仮に円高と相場暴落によってそのうちの30%が毀損されると、17・3兆円が消えてなくなる計算です。

平常時であれば金利の高い、利回りの良い商品でも、いったん金融危機が起これば相場に合わせて暴落し、元本保証もされません。

保険会社の収入は保険料収入で、運用はメインの業務ではありません。生損保は、運用のプロでもないわけです。外資金融機関の営業担当者から、『格付けはトリプルAです』と言われ、その実ハイリスクの金融商品を買わされているだけです。金融危機が訪れると、それらは暴落します。

泣きを見るのはこうした生保の金融商品を買った顧客の皆さんです」(黒川氏)

コロナショックで揺れる世界経済は今後、どうなるのであろうか。黒川氏は衝撃的な予言を口にする。

「金融危機対応として、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)、日銀、ECB(ヨーロッパ中央銀行)はじめ世界各国の中央銀行による空前の金融緩和が行われ、パンデミック収束後、余りに余った資金によって金融バブルが訪れます。

ですがその資金は、金融業界の中で回るだけです。金融制度自体は変化していないので、結局はまたハイリスクな金融商品に投資されることになるでしょう。土地バブルも起こるでしょう。

そしてその後に、巨大な金融危機が起こる。真の金融危機が訪れます。リーマン・ショックの数十倍の危機になります。

金融の蛇口から遠い人たちほど、壊死していくでしょう。大切なのでもう一度言います。もし金融界が歴史に学ばず、またもバブルに浮かれるならば、地獄のような世界がやって来ます」(黒川氏)


新型コロナのパンデミック収束後、人類にとってもう一つの巨大な危機がやってくる。「金融」という名の怪物が、世界をうろついている。

「リーマン・ショックの数十倍の真の金融危機が訪れます」と警鐘を鳴らし続ける黒川氏。  撮影:森清

◆黒川 敦彦(くろかわあつひこ)
1978年、愛媛県今治市出身。大阪大学工学部卒業後、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究員として大阪大学の大学発ベンチャーの設立支援業務に従事する。

大阪大学歯学部発ベンチャー企業の株式会社アイキャットを設立、代表取締役CEOとして製品化・マーケティング体制構築の実務に従事(のち退社)。技術系ベンチャー十数社を設立、ベンチャー企業への投資、経営支援業務に従事する。

リーマン・ショックを機に金融業界を離れ、2011年春、今治に帰郷し農業と政治活動を始める。地元今治で加計学園問題を追及する社会運動を起こし、2017年安倍晋三総理のおひざ元山口4区から衆院選出馬。政治団体「オリーブの木」を設立、代表となり、2019年参院選に候補者10名を擁立。

2018年からYouTube上での発信を開始して爆発的な人気を獲得、2020年1月現在18万人を超えるチャンネル登録者がいる。

  • 取材・文岩崎大輔

    1973年、静岡県三島市生まれ。講談社『フライデー』記者。政治やスポーツをはじめ幅広い分野で取材を行う。著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎 「異形の宰相」の蹉跌』(洋泉社)、『激闘 リングの覇者を目指して』(ソフトバンク クリエイティブ)、『団塊ジュニア世代のカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』(講談社)がある

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