倉木麻衣 20年ぶり「親子再会」直前に父・山前五十洋さんが急逝
“倉木パパ”として知られていた、歌手・倉木麻衣の父で映画監督の山前五十洋さんが、4月5日の朝に心不全で急逝した。享年76。
「山前さんは16歳のころ、フジテレビのテレビ映画『天馬天平』に主演した役者でした。ですが、20代で役者業に見切りをつけ、CM制作会社を設立したのです。大手企業のコマーシャルを手掛けるなど、一時期は広告業界では知らぬ者は居ない存在でした」(テレビ局関係者)
その後、CM制作だけでなく、映画製作にも携わることに。映画監督として最近では、『三匹のおばちゃん刑事』『MAGIC』などの作品を残している。
そんな山前さんをさらに有名にしたのが、娘である倉木麻衣の存在だった。彼が40歳のときに生まれ、一人娘を溺愛していたというが……。
「山前さんは倉木さんが3歳のときに自身が手掛けたアートネイチャーのコマーシャルに彼女を起用しました。それほど大切に思っていたのですが、彼が台湾での映画仕事のため日本を一時離れると、そのまま別居状態に。倉木さんのデビュー翌年である‘00年に突然、奥さんから離婚を切り出されたそうです。
倉木さんに最後に会ったのは、中学3年生のころだったと言っていましたから、もう20年以上は会っていないんでしょうね」(スポーツ紙記者)
倉木は‘00年に発売した「Love, Day After Tomorrow」がミリオンを達成し、スター街道を歩み出す。それと同じくして、山前さんは娘のことをつづった『歌姫・倉木麻衣』を出版する。
また、倉木にそっくりなセクシー女優の売り出しに利用されるなど、一部のファンからは“お騒がせパパ”などと、厳しいバッシングを受けたこともあった。
だが、山前さんの娘を思う気持ちは、少しも揺らいでいなかった。彼が亡くなる3日前に会ったという、親交のある映画関係者が語る。
「最後にお会いしたのは、山前さんの近所の喫茶店だったのですが、特に変わった様子もなく元気でした。実はこの4月中にでも、山前さんは倉木さんと約20年ぶり“父娘”の再会を果たせるはずだったのです。そのことを彼は『やっと会えるよ』と、とても嬉しそうに話してくれましたよ。
実の娘に会いたくてコンサート終了後の楽屋に突入しようかなんて計画したこともあったけど、結局は実行に移せなかった。やっと会えるとなって、どこか気が緩んじゃったのかなあ……」
その映画関係者によれば、倉木が喪主として山前さんの葬儀を行うという。遅ればせながら、父の亡骸に娘は対面したことになる。
そこで倉木の所属事務所に”父娘再会”の件や葬儀の件などについて問い合わせると、密葬で葬儀を済ませたことを認めたうえで、メールにて倉木本人からコメントが寄せられた。
《昨年デビュー20周年を無事に終えて、父との再会を考えておりましたが、しっかりと心の整理が出来た時に会ってお話が出来ればと思っていました。父との別れは、突然でまだ受け止めきれておりません。ただただ残念でショックです》
20年ぶりの再会直前に、その願いを果たせぬままこの世を去った山前さん。天国から娘の活躍を見守り続けることだろう――。
取材・文:荒木田 範文(FRIDAYデジタル芸能デスク)
埼玉県さいたま市出身。夕刊紙、女性週刊誌を経て現職。テレビやラジオにも出演中
PHOTO:蓮尾真司