皇居、空港…訪問客が消え、静かにコロナが広がっていく街
外国人は姿を消し、デパートは営業中止。大都市から人が消えて…
3月28日12時30分 皇居外苑

「これまでは大勢の中国人観光客が皇居を訪れていましたが、一切いなくなりましたね。新型コロナの流行で外出禁止要請が出て以降は、欧米人の旅行客をチラホラ見かける程度です。ただ、皇居ランナーの数はあまり変わりません」(皇居外苑の警備をしていた警察官)
桜が見頃を迎えた3月最後の週末、首都圏や大阪では外出を自粛するよう自治体が要請をした。在宅勤務も続いているため、27日金曜朝から各地のスーパーに行列が発生。店舗によっては、カップ麺や冷凍食品、お米などが売り切れた。
夜の街からは人が消えた。外国人で賑わっていた六本木はガラガラ。本来なら送別会シーズンでごった返すはずの新宿歌舞伎町でさえ、酔客はあまりおらず、呼び込みのほうが目立っていた。
そして迎えた週末、銀座は朝から閑散としていた。多くの百貨店が東京都知事の要請を受けて臨時休業としたが、銀座三越は時短営業を選択。当然のことながら、客足はまばらだった。
冒頭のコメントのように、これまで多数の外国人観光客が訪れていた皇居外苑に人がまったくいない。日本を訪れる外国人がいないのだから、もちろん成田国際空港に旅行客の姿はない。
街を訪れる人は消えたが、その一方、街で働く人、とくに若者の姿はなくならない。たとえば28日土曜深夜の池袋は雨で人通りがないにもかかわらず、傘を差して呼び込みをするガールズバーの店員がそこかしこに。
翌29日の秋葉原ではメイド喫茶の店員が道行くアキバ系男子に声をかけている。新型コロナウイルスが静かに広がっていく。
経済アナリストの森永卓郎氏が嘆く。
「今のように外出の自粛を要請するだけでは、新型コロナウイルスはどんどん広まっていくに決まっています。とくに問題なのが、通勤電車です。国内で東京の感染者が多い理由は、通勤電車で感染が拡大していくからです。しかし、誰も電車を止めようとはしない」
緊迫した日々はまだまだ終わりそうにない。
街から人が消えた「20の現場」
3月28日11時 銀座・和光本館

3月28日1時30分 六本木交差点

3月28日16時30分 成田空港第1ターミナル

3月28日15時30分 首都高速湾岸線

3月29日13時 原宿・竹下通り

3月28日11時30分 九段・靖國神社

3月28日15時 上野・ポルノ映画館

3月28日13時 東京駅新幹線のりば

3月27日13時30分 スカイツリー入口フロア

3月29日15時30分 吉原・ソープ街

3月27日10時30分 葛西・大型スーパー

3月28日16時 渋谷・SHIBUYA109

3月28日14時30分 中目黒・目黒川沿い

3月27日23時 新宿・歌舞伎町

3月29日0時30分 池袋・西口商店街

3月29日15時30分 秋葉原

3月26日21時 晴海・東京五輪・パラリンピック選手村

3月29日15時 大阪心斎橋・戎橋

3月29日16時 大阪梅田・阪急うめだ本店

『FRIDAY』2020年4月17日号より
撮影:濱﨑慎治、結束武郎、足立百合、加藤慶