芸能人のコロナ感染者は「40代が多い」ウラ事情 | FRIDAYデジタル

芸能人のコロナ感染者は「40代が多い」ウラ事情

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新型コロナに感染した脚本家・宮藤官九郎氏。現在は少しずつ快方に向かっているという/写真 アフロ
新型コロナに感染した脚本家・宮藤官九郎氏。現在は少しずつ快方に向かっているという/写真 アフロ

主力だから人との接触回数が断トツ

志村けんさん(享年70歳)が亡くなった動揺がいまだ収まらない中、芸能人の新型コロナウイルス感染者がジワジワと増えている。

ここまで主に報じられてきた芸能人を順に挙げていくと……『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日系)主演俳優の小宮璃央(17歳)、脚本家・俳優・ミュージシャンの宮藤官九郎(49歳)、ケツメイシのボーカル&MC・RYOJI(45歳)、森三中の黒沢かずこ(41歳)、ピン芸人のゴリけん(46歳)、お笑いコンビたんぽぽの白鳥久美子(38歳)。

あらためて見ると、その大半が40代であることに気づくのではないか。日本サッカー協会の田島幸三会長(62歳)、阪神タイガースの藤浪晋太郎(25歳)、伊藤隼太(30歳)、長坂拳弥(25歳)、ヴィッセル神戸の酒井高徳(29歳)、北京五輪陸上銀メダリストの塚原直貴(34歳)、プロ野球解説者の梨田昌孝(66歳)のアスリート系と比べると、いかに偏っているかがわかるだろう。

実際、業界内では「また40代か……」、ネット上にも「何で40代ばかり?」という声があがりはじめているし、「まだまだ40代芸能人の感染者は増える」とも言われている。なぜ芸能人は40代の感染者が多いのか? テレビ局員、芸能事務所スタッフ、芸能記者から集めた情報をもとに、その理由を挙げていく。

ある芸能関係者が語る

芸能人の感染者に40代が多い理由は複数に渡る。なかでも番組制作スタッフたちが真っ先に語るのは、「40代は現在の主力世代で、最も層が厚いから」。たとえばバラエティなら、MCもひな壇も40代が主力であり、上下の世代をリードし、フォローする形で番組を盛り上げている。

キャリアとスキルを兼ね備えた40代芸能人は、多くの共演者やスタッフの参加する番組・イベントへの出演が多いほか、終了後の食事会や打ち上げなど多方面からの誘いがあり、人との接触回数は断トツで多い。

また、「売れっ子ゆえのストレス解消や過信もあるかもしれない」と指摘する声もあった。芸能人の感染者は「感染経路が不明」というケースが多いことも、その裏付けのようになっている。

一方、不幸中の幸いか、現場の努力によるものか、まだ収録現場でのクラスターは発生していない。しかし、もしクラスターを発生させ、その中に重傷者や死者を出してしまったら……その番組は打ち切りの危機にさらされるだろう。それだけに各局が次々に収録休止を発表しはじめたのは当然と言える。

では、他の世代はどうなのか。ある老舗芸能事務所のマネージャーは、「今の10代・20代の芸能人はゲーム、アニメ、料理などインドアな趣味の人が多いし、30~50代と比べると飲みに行かない」。

さらに、「慎重でバッシングを恐れる人が多いから、今の時期はむやみに出歩かないと思う」とも語っていた。実際、「〇〇が不謹慎飲み会」などと週刊誌に報じられたり、「朝までバーで飲んでいた」などと告発ツイートされたりしたら芸能活動に悪影響が出るだろう。

一方、高齢層の芸能人について、ある芸能記者に話を聞くと、「高齢層の芸能人は相当警戒しています。3月には『自分が感染者になって死ぬのも嫌だけど、それ以上に迷惑はかけられない』とオファーを断る人も少なくなかったようですから」という。

また、私自身ある情報番組の収録現場で、スタッフが60代の出演者をとびきり手厚くサポートする様子を見かけた。志村さんの感染が報じられてから、高齢芸能人に対する感染対策はこれ以上ないところまで徹底されているように見える。

密かに自宅待機中の“隠れ感染者”も?

情報を集めているうちに気になる声を耳にした。それは、ある制作会社のスタッフから聞いた「芸能人の中には『感染しているのかも』と噂されている人がいる」という声。所属事務所と相談して、「発熱やのどの痛みなどの軽い症状だったら、仕事にも検査にも行かず自宅待機して、世間への公表を避けている」という芸能人がいるかもしれないというのだ。

あくまで真偽不明の噂レベルに過ぎないが、このような“隠れ感染者”の話が真実だったとしても、レギュラー番組の多い40代の売れっ子芸能人にこのようなごまかし方は通用しない。感染の疑いがある段階で番組を休み、公表しなければいけない立場の売れっ子芸能人に逃げ場がないのは間違いないだろう。

ただ、40代の売れっ子芸能人が感染の事実を明かすことの社会的意義は大きい。3月31日、宮藤官九郎は「まさか自分が、と過信してしまいました」「罹った今も、なんで自分が? と信じられない気持ち」などの率直な心境をコメント。世間の人々に、誰もが感染のリスクがあることを臨場感たっぷりに伝えた。

その後4月6日、宮藤は自身のラジオに「新型コロナウイルスは噂通り手強くしぶといですが、『お若いから治りも早いですよ』というサービストークに乗せられて少しずつ快方に向かっています」というメッセージを寄せた。

黒沢かずこが森三中のYouTubeチャンネルに音声コメントを寄せて経過を公表したことも含めて、彼らの言葉は影響力が大きく、新型コロナウイルスへの怖さを人々に感じさせている。

ようやく各局で次々にロケやスタジオ収録の休止が発表されているが、このところ感染経路不明のケースが増えている状況を見れば、まだまだ40代芸能人の感染者は増えるのかもしれない。そのとき、どんなコメントを発信し、どのように振る舞うのか。世間の人々は無事を願うだけでなく、その姿勢に注目している。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

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