地上波のコロナ報道に飽きた人に伝えたい「今こそBSの番組を」 | FRIDAYデジタル

地上波のコロナ報道に飽きた人に伝えたい「今こそBSの番組を」

オタク度高め、地上波とは一味違う”ゆるさ”も魅力!

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BSフジで『世田谷ベース』を持つ所ジョージ
BSフジで『世田谷ベース』を持つ所ジョージ

このご時世、仕方がないけれどワイドショーや、ニュースの放送内容は新型コロナ(以下、新コロ略)一色。各局が新コロの情報を巡って群雄割拠をしているようだ。そして毎日夕方になると

「東京都の感染者数は過去最多人数の……」

と、恒例の発表。どうしても耳に入ってきてしまう。ロケや収録も通常のようにはいかない現状も知っているけれど、テレビファンとしてはやっぱり寂しいし、テレビを観ていてもどこかに虚無感が漂ってしまう。こんな状況が長く続いているので、最近は地上波を避けてしまう。不安の募るなか、狭い我が家で踏ん張って仕事をしているのに、不穏なニュースばかりではますます気分が落ち込む。

こんな時、若手なら動画試聴という手段があるかもしれない。でもテレビ放送で情報を得たい昭和生まれからすると、動画だけでは簡単に満足感を得られない。そんなときにお勧めしたいのがBS放送なのである。ここには新コロ臭はほぼ感じられず、安心してテレビを楽しむことができるのだ。

BS放送には愛しきオタクの世界が待っている

BS放送は“オタク”の期待に応えてくれるマニアックなコンテンツがいい。例えば、私のような飲兵衛の心を摑んで離さない『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS)では、大衆酒場愛好家のレジェンド・吉田類がひたすら酒場で飲んでいる映像だ。彼が酒飲みにしか分からない調子で、店の歴史や雰囲気を伝えてくるからこちらもつい飲みたくなってしまう。

そしてまさかの2003年から続く長寿番組でもあると聞くと、酒飲みというのは年齢問わず、ハマったら沼なのだと思い知らされてしまう。でも飲みに行けない時期の今、出かけたい欲求を確実に満たしてくれる。

その他に、スポーツ番組で伝説の試合を再放送、将棋だけの番組……と信じられない種類の趣味に突っ込んでくるので、少し調べるだけでもあなたのオタク心に触れるものがきっとあるはずだ。

あとは好んで見ている限りだと、全体的に番組が“ゆるい”。地上波のお笑い番組に見られるようなテンポの良さはなく、土日の民放昼ブラ番組のノリが続く。例えば(意外にも)美術鑑賞好きな私がチェックしている『ぶらぶら美術館』(BS-日テレ)では、おぎやはぎたちが名画を巡る。解説に山田五郎さんがいてくれるので、なんとか美術番組として成立しているけれど、基本的にはおじさんが近所の公園に咲いた桜を愛でるようなレポしか伝わってこない。でもそれがまた美術品との距離感を縮めてくれるということにしておこう。

ゆるいと言えば、男性なら憧れる生き方の象徴である所ジョージの番組『所さんの世田谷ベース』(BSフジ)もお勧めしたい。こんな殺伐した昨今に一滴の清涼感を落としてくれるようなゆるさがある。

BSとは言っても放送局はたくさんあるし、過去作の再放送も無限大。例えば上記に挙げた作品も繰り返し放送されているので、好きなときに観られる大人のYou Tubeなのだ。

オリジナル番組多し!NHKBSプレミアムに感じる矜持

数あるBS放送局でも、私の中で真打ち登場と呼びたいのが『NHKBSプレミアム』だ。オリジナルコンテンツの制作が非常に多いことが最大の特徴だと思う。ドラマも時々ラインナップを二度見するような豪華キャスティングだったり、現在放送中『70才、初めて産みます~セブンティウイザン。~』という、70歳で初めて出産に挑むという有り得ない夫婦設定を描いている。こういったBSだからこそ、のギャグとリアルの間に存在しているのが『NHKBSプレミアム』

思い出す作品といえば、藤原紀香片岡愛之助の出会いになった『ある日、アヒルバス』(2015年)。紀香というパワーワードだけでつい注目してしまうのだが、この放送の記者会見で

「ヒロインはボロボロの女性。底辺にいる藤原紀香が見られます」

と言ってアラフォー女性が火種になってしまい、大炎上を起こした。でも結果的にそこで王子様は摑んだわけだし、ドラマそのものよりも炎上から結婚にたどり着くまでの短距離走がすごく印象的だったのだ。今や日本を代表する夫婦。その出会いを生んだBSは天晴れなのである。

あとは地上波ではないのに、人気ジャニーズグループが総出演している番組がある。その名も『ザ少年倶楽部』。最初はタイトルを三度見したけれど、この番組、ジュニア中心で構成されているのが特徴。名前と顔の判別はつかないが、みんな信じられないくらい顔がきれいなのである。ただそこに立っているだけでも絵になる美少年たちが、歌ったり踊ったりしているのだから、まあ可愛い。

個人的にはひょっとすると、近い将来お仕事を一緒にするタレントさんもいるのだろう眺めていると、忘れ去っていた母性が全速力で戻ってくるではないか。しかも歌う曲が持ち歌ではなく、先輩の曲を歌っているケースが多く、現役ジャニーズファンではなくても口ずさめる。

断言しよう。この番組はけしてタイトル負けなんてしていない。新コロ自粛で男性に触れる機会が格段に減っていると思うので、女性陣はこの番組で目の栄養補給をぜひお勧めしたい。

一通り読み終えたら、リモコンを持ってBSの世界へどうぞ。今日の不安と疲労が少しでも消えることを願っています。

  • 小林久乃

    エッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター、撮影コーディネーターなど。エンタメやカルチャー分野に強く、ウエブや雑誌媒体にて連載記事を多数持つ。企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊を超え、中には15万部を超えるベストセラーも。静岡県浜松市出身、正々堂々の独身。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。

  • 写真Rodrigo Reyes Marin/アフロ

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