仕事激減を乗り越えるジャニーズ事務所「動画戦略」の巧妙

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4月7日、7都道府県を対象に緊急事態宣言が発令されて、新型コロナウイルス感染については、一瞬たりとも油断できない状況になってきた。行動の自粛が要請されて各方面に影響が出ているが、芸能界も例にもれず厳しい状況となっている。

ドラマの撮影も中止となっているところも出てきていて、4月スタートのドラマは初回放送が続々延期に。

ワイドショーは『とくダネ!』(フジテレビ系)のMC・小倉智昭が自宅からのリモート出演。ほかにもMCだけがスタジオにいて、コメンテーターたちが自宅や別スタジオからの出演となっているところも出てきている。

まさかテレビ番組が“リモートワーク”を用いて放送されるなんて、誰が想像しただろうか。こんな状況では大勢のタレントが出演するような番組の収録は難しくなり、タレントの仕事量は確実に減少している。死活問題であることは論を俟たない。

だがテレビが番組を作るのが難しいなら、幸いなことに今はネットがある。

「“やがてネットがテレビにとって代わる”と言われ続けてきましたが、スイッチを押せばすぐに視聴できる利便性や番組コンテンツではまだまだテレビにかなわない部分は多いです。しかしこの機会に大きな変化が起こると思います」(ネット番組制作会社社員)

すでにお笑い芸人やアイドル、アーティストはライブ配信に挑戦している。星野源は、4月1日、自身のインスタグラムで新曲「うちで踊ろう」をギターで弾き語りする約1分間の動画を公開。多くのアーティストがその楽曲にコーラスやダンスなどでコラボした動画を投稿し、ネット上で続々と“共演”を果たしていた。

4日には、長崎県西海市の民間動植物園『長崎バイオパーク』の動物たちも星野と“コラボレーション”した動画をYou Tubeで配信するなど、“共演の輪”が広がっている。

そして“これはイケるぞ”と思った人は多いのだろうか。コロナ対策関連の動画を投稿する芸能人が次々と現れた。

ピコ太郎は“手洗い動画”。COWCOWは『あたりまえ体操』の“コロナ対策バージョン”を自身のYou Tubeチャンネルで公開している。

また、ジャニーズ事務所もネット配信で成功を収めそうだ。所属アーティストが無観客ライブを配信した『Johnny’s World Happy LIVE with YOU』は高い視聴回数を獲得。特に嵐は驚きの数字を叩きだした。

3月29日〜31日までの予定だった同ライブ配信の追加として、4月1日の16時30分すぎに登場。この時期だから自宅に籠っているファンは多く、開始予定時刻の16時前から待機視聴者数は7万人を突破。

前半30分のダイジェスト映像で15万人を超え、嵐が登場すると40万人がリアルタイムで視聴したという。

ジャニーズ事務所の戦略が成功したようなのだが、このライブ配信でも注目されたのが、ライブ出演グループが歌とダンスでつなげる手洗い推奨ソング『Wash Your Hands』だ。通常は1曲を各グループでカット割りしたものだが、嵐メンバーだけのバージョンも追加された

YouTube上では9000件近いコメントが寄せられ、「動画をCMにすべき」「不安な毎日の中嵐を見て涙が出ました」「ジャニーズすげえな!」「嵐が居てくれて良かった」など、嵐を絶賛する声があふれた。公開から10日が経ち、再生回数は210万回を超えている。(※4月12日時点)

木村拓哉も4月6日に手洗い動画を公開。まさか、手を洗うだけの動画がこんなに話題になるなんて、こちらも誰も想像できなかっただろう。

「従来、ジャニーズ事務所はインターネットと距離をとっていました。’18年にネット上で所属タレントの写真を解禁したのを皮切りに、YouTubeチャンネルを開設するなど、少しずつネット解禁をスタート。

‘19年11月には嵐がYouTubeや Instagramなどのアカウントを開設。これによって事務所全体がネット事業に本格参入したのです」(ウェブマガジン編集者)

インターネット動画花盛りというところなのだが、ポイントはこれらの動画投稿の中には収益が発生するモノがあるということ。それは、広告収入によるものだ。

だから仕事が減った、あるいは食いつぶれた芸能人がYouTuberに転身する理由がそこにあるわけだが、人によってはコロナ関連動画が結構な収入になる人もいるだろう。

もっとも、そんなせこいことを考えている人ばかりではないだろうが、減収分をいくらかでもカバーするのにひと役買っているのは間違いない。

「ジャニーズを初めアイドルのコンサートはことごとく中止に追い込まれています。もちろんコンサートの方が実入りは大きいですよ。でもネット動画の配信でもジャニーズクラスになれば、相当な閲覧数を獲得できますから金額も大きいと思いますよ」(同・ウェブマガジン編集者)

こんな事態を予測できた人はいないと思うが、こうなる前にインターネット事業に参入したジャニーズ事務所は胸をなでおろしているかも。

  • PHOTO蓮尾真司

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