佐々木、奥川、高橋…開幕待望プロ野球「次世代投手」を徹底解説

開幕待ちの特別企画 プロ野球評論家が選ぶ”推しメン”・投手編

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佐々木朗希 千葉ロッテマリーンズ

佐々木朗希は’01年、岩手生まれ。大船渡高時代、190㎝の長身から投げ下ろす剛速球で高校生最速となる163㎞をマークした

阪神・藤浪晋太郎(25)が陽性と診断されるなど、プロ野球界にも新型コロナウイルスの感染が拡大。4月24日に延期されていた開幕は再延期となった。

新型コロナは一向に収束する見込みが立たないが、実は今シーズン、ブレイクのメドが立っていた「次世代のスター候補」はたくさんいる。

今回、開幕を待つ間の特別企画として仁志敏久氏(48)、田中幸雄氏(52)、藪恵壹氏(51)、斉藤和巳氏(42)のプロ野球評論家4氏に〝推しメン〟を挙げてもらった。まずは投手から見ていこう。

「170㎞は出せると思う」

4人全員がいの一番に名前を挙げたのは、高卒ルーキーの千葉ロッテ・佐々木朗希(ろうき)(18)だった。

大船渡高時代、連投による故障を考慮して、夏の高校野球の岩手県予選決勝の登板を回避。U18日本代表に選ばれるも、マメなどを理由に、大会での登板は1イニングに終わった。

ポテンシャルは間違いなく高いが、育成には時間がかかる、というのが大方の見方だったが――斉藤氏が言う。

「2月のキャンプで佐々木を見たのは、まだブルペンに入る前だったのですが、文字通り『うなりを上げて向かってくる』物凄いボールを投げていました」

佐々木と同じ190㎝超の長身で、右の本格派投手だった斉藤氏。人より長い手足をうまく使って投げるのが難しいことは骨身にしみている。逆に言えば「しっかり操れるなら、長い手足は大きな武器になる」ことを誰よりも理解している。

「上背があって手足が長いうえ、球持ちがいい。打者に近いところでボールをリリースするから、打者はマウンド上の佐々木がすごく近くに見えるはずです。バッターボックスで相当な威圧感、恐怖感を感じるのではないでしょうか。キャンプ中、佐々木にインタビューする機会がありました。彼は左足を高く上げるフォームが特徴的ですが、中学2年まで足を上げる位置はもっと低かったというんです。『高く上げることでバランスが良くなった』と。ビックリしました。長身選手の誰もが苦しむバランスの問題を、とっくにクリアしているわけですから。それでも、当人は冷静で『先輩たちと比べると上半身のパワーが弱い』と自己分析していました。その一方で『普通にトレーニングを積んでいけば170㎞は出せると思う』というニュアンスのこともさらりと言っていた。もはや、可能性しか感じないですね(笑)」(斉藤氏)

佐々木について打者の意見も聞いておこう。日本を代表するメジャーリーガー、ダルビッシュ有(33・カブス)と大谷翔平(25・エンゼルス)を間近で見てきた田中氏は「遜色(そんしょく)ない」と言う。

「リストを使うのがうまく、ボールにロスなく力が伝わっているので直球は160㎞出るうえにキレがある。それでいてコントロールが非常に良く、変化球の曲がりも鋭い。二軍で数試合登板させて5月後半に一軍で初先発させるプランがあったと聞いている。一軍デビューはそう遠くないし、すぐに結果を出すでしょう」

怖いのはケガだけ、というのは4氏共通の意見だ。

「アマチュアと違い、プロは一年中、野球漬け。毎日練習しても故障しない身体と体力が必要です。早く佐々木を一軍で見たいという声は理解できますが、焦ってはいけない。身体はまだまだ大きくなります。ファームの先発ローテーションを1年間守れる体力がつくまで待ってからでも遅くない。日本を代表するピッチャーになれる素材ですし、将来的にはメジャーの超一流投手、コール(ヤンキース)、バーランダー(アストロズ)たちと同じカテゴリに入る初の日本人になると思っています」(藪氏)

虎に待望のエースが誕生!?

佐々木がダイヤの原石ならば、ヤクルトのドラフト1位、奥川恭伸(おくがわやすのぶ)(18)は名門・星稜高で磨き上げられた黄金右腕。

U18日本代表で世界の強豪を封じ込めるなど佐々木とWエースをつとめた甲子園準V右腕は、チーム事情で佐々木よりも早いデビューとなりそうだ。

「ヒジの炎症でキャンプこそ出遅れましたが、奥川は早く出てくると思います。真っ直ぐは150㎞超え、コントロールも悪くなく、スライダーなどの変化球でいつでもストライクがとれる。先発投手の条件が揃っています。現時点では佐々木よりまとまっている。とくにヤクルトはここ数年、〝投壊〟に苦しんでおり、先発の枚数が足りていませんから、シーズン半ばには一軍で先発デビューしている可能性が高いと思います」(藪氏)

昨季3勝9敗ながら、「虎のエースになる存在」と斉藤氏が太鼓判を押すのが阪神の3年目左腕、高橋遥人(24)だ。

「投げているボールがとにかく素晴らしい。ゆったりしたフォームから150㎞近い真っ直ぐがピュッとくる。しかも左腕ですから、球速以上に速く見えるはずです。右打者でもインサイドを速球とスライダーで攻められたら、対応は難しいでしょう。あとはコントロールだけ。勝負どころでの制球ミスを減らすことができれば、昨季の勝敗が今季は逆になるでしょう。四隅を突くコントロールはなく、球威で勝負するタイプだから、調子がいいときと悪いときの波が激しい。調子の波を小さくできたら二ケタ勝てます」

〝風神〟の再来

4年連続日本一を目指すソフトバンク。屋台骨を支えてきたのは強力リリーフ陣だが、守護神・サファテ(39)、岩嵜(いわさき)翔(30)に続いて、昨季65試合に登板して26ホールドをあげた鉄腕・甲斐野央(かいのひろし)(23)もついに故障離脱。暗雲たれ込めるブルペンの救世主となりそうなのがルーキーの津森宥紀(つもりゆうき)(22)だ。

「津森は右のサイドハンドで、ここ最近のホークスにいなかったタイプ。何より投げっぷりがいいんです。ストレートに力があり、スライダーもしっかり腕を振って投げ切れている。ルーキーですが、マウンド度胸がいいんでしょうね。首脳陣が『使いたい』と思うボールを投げています。実際、オープン戦でも6試合に投げて無失点と結果を残しています。甲斐野の代わりに7回、8回を任せられるんじゃないでしょうか」(斉藤氏)

巨人のブルペンにもイキのいいリリーバーが誕生しそうだ。藪氏は4年目左腕の大江竜聖(りゅうせい)(21)を〝風神〟と呼ばれた鉄腕セットアッパーにたとえた。

「’18年のウインターリーグで大江を見たときに『山口鉄也の再来だ』と思いましたね。左で真っ直ぐが速い。リリースのときに指でボールを押し込んでいるからスピンが利いている。藤川球児(39)の速球みたいに浮き上がってくる感覚。わかっていてもバットに当たらないんです。

同じ巨人の左腕と比べても、侍ジャパンに選ばれた中川皓太(こうた)(26)よりも上。’19年は大江の年になると思っていたぐらいです。先発で使われていましたけど、球種の少なさと球威を考えたら、1イニング限定でセットアッパーをやらせたほうがいい。十分に抑えられると思います」

ドームに風神の再来なるか。

高橋遥人 阪神タイガース

高橋遥人は ’95年、静岡生まれ。’17年、亜大からドラフト2位で入団。剛速球を生かすため、チェンジアップをマスター

津森宥紀 ソフトバンクホークス

津森宥紀は ’98年、和歌山生まれ。’19年、東北福祉大からドラフト3位で入団。サイドから投げ込む149㎞の速球は球威十分

『FRIDAY』2020年4月24日号より

  • 写真時事通信社

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