安倍首相の判断で教育現場が大混乱…一斉休校の“裏事情”

教師は困惑、保護者は怒り心頭。元文科省事務次官・前川喜平氏が断言する責任の所在

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撮影時だけマスクを外してくれた前川氏。自身の講演も中止が相次ぎ、自宅で読書をして過ごしているという

「大規模なPCR検査を実施してこなかったこと、緊急事態宣言発令のタイミングが遅れたこと、そして、休業補償が定まらないこと。政治判断が後手に回り、諸外国より対応が遅れているのは明白でしょう。国民から批判の声が上がるのは当然です。私が長年携わってきた教育現場の混乱についても、責任の所在ははっきりしています」

元文科省事務次官・前川喜平氏(65)は、きっぱりとそう語った。

2月27日、安倍晋三首相は全国の学校に3月2日から春休みまでの休校を要請。4月7日には「緊急事態宣言」を出し、これに伴って多くの自治体が5月6日までの休校延長を発表した。だが、蓋を開けてみれば、行政からの具体的な指示は遅れ、現場は大混乱。教師は困惑し、保護者からは批判が殺到している。

官僚か、政治家か。はたして、「コロナパニック」の原因は誰にあるのか。前川氏に聞いた。

「責任は、安倍首相をはじめとした政治家にあります。というのも、官僚は『こういった要素がある』といった提案はできますが、決定権はない。判断するのは常に政治家なのです。

当然、文科省に休校を要請する権限はありません。ちなみに、これは皆さん誤解しているところかもしれませんが、首相にも各自治体の首長にもその権限はないのです。休校等を決定する権限は、各都道府県の教育委員会が持っている。緊急事態とはいえ、首相が休校の発表をしているのは越権行為。教育委員会と相談した上で決定するというのが本来のプロセスです。教育委員会、自治体と様々なケースを想定して事前に協議しておけば、これほどの混乱は起きていないでしょう。

文科省は政治家に振り回されて、疲弊しきっている。すでに内部で若い有望な職員の退職希望が出始めているという情報も、私の耳には入っています」

緊急事態宣言や休業補償は遅れに遅れているのに、一斉休校はいち早く踏み切った安倍首相。前川氏はその〝裏事情〟も明かしてくれた。

「休業補償と違い、休校には大きな予算が必要ではないからです。だからこそ、各都道府県によって感染の状況は違うのに、『全国一律で休校』などという要請になるのです」

つまり、カネがかからない「休校要請」は、政治家にとって選びやすく、批判をかわすためのアピールにはもってこいというわけだ。

「子供の1日の価値は大きい。学校に行けないことは、将来の財産を奪っている。休校要請の重さを政治家には理解してもらいたい。

マスク2枚に500億円もの予算を使うなら、医療や教育に回すなど、いくらでも使い道はあるはず。安倍は似合わないマスクをつけて、アピールしている場合ではない」

ウイルスは〝忖度〟してくれない。安倍首相ら政治家たちは、いま真の実力が問われている。

前川喜平・元文科省事務次官インタビュー 安倍首相の「越権行為」で教育現場が大混乱 一斉休校の“裏事情”

『FRIDAY』2020年5月1日号より

  • 撮影小松寛之

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