コロナに負けない体を「コンビニ食」で作る驚きの方法 | FRIDAYデジタル

コロナに負けない体を「コンビニ食」で作る驚きの方法

いつものご飯にちょい足しするだけ

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しのぎを削る大手3社。オフィス街の店は客足が遠のいたが、住宅街の店は堅調。巣ごもり生活の心強い味方だ
しのぎを削る大手3社。オフィス街の店は客足が遠のいたが、住宅街の店は堅調。巣ごもり生活の心強い味方だ

数多くの飲食店が臨時休業、もしくは時短営業となり、日々の食事をコンビニに頼っている人も多いはずだ。しかし、コンビニで好きなものばかり食べていると、どうしても栄養が偏ってしまう。

新型コロナウイルス肺炎をはじめとする病気に負けないためには、栄養バランスを重視して、免疫力をアップさせることが大事だ。『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』などの著書がある管理栄養士の浅野まみこ氏がアドバイスする。

「商品を選ぶときに心がけておきたいのは、単品では済ませないということ。免疫力を高めるための栄養素がすべて摂取できる商品はないと考えたほうがいいでしょう。とくに男性はお弁当や丼もの、パスタなど単品で完結しがちですが、これはあまりおすすめできません。どうしても炭水化物や脂質が過多になってしまう。免疫力を高めるためには、商品を2~3品組み合わせましょう」

キムチやヨーグルトといった発酵食品と、肉・魚・大豆製品といった高タンパク質の食品、そして抗酸化ビタミンが豊富な緑黄色野菜の3つの組み合わせを意識するのが大事だという。

浅野氏が続ける。

「免疫細胞の6~7割は腸の中にいるので、まず腸内環境を整えることが大切です。そのためには、発酵食品を摂ることが効果的。発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は免疫細胞を活性化させる善玉菌を増やす役割があります。コンビニで買える代表的な発酵食品は、キムチや納豆、ヨーグルトです。

また、水溶性の食物繊維も善玉菌のエサとなって腸内環境を整えます。バナナやオクラ、もずくなどに多く含まれるので、発酵食品とセットで食べるとより効果的です。

タンパク質は体温を上げ、免疫細胞の働きを助ける栄養素です。体温が高いと免疫力も高まるので、タンパク質も積極的に摂りましょう。卵や肉、魚などに豊富に含まれます」

これを踏まえた上で、大手コンビニチェーン3社の実際の商品で浅野氏にメニューを考案してもらった。卵やヨーグルト、揚げ物などの一品をちょい足しするのがコツだ。是非参考にしてほしい。

ぬか漬けがいい

管理栄養士の手嶋英津子氏も発酵食品を推奨する。

「味噌や納豆、ぬか漬け、甘酒などの発酵食品に含まれる植物性の乳酸菌や納豆菌は生きたまま腸に届き、腸内環境を改善してくれます。男性だと唐揚げ弁当や焼き肉弁当に手が伸びがちですが、ちょい足しで、納豆やぬか漬け、もずく酢などを手に取りましょう。ぬか漬けはおつまみにもなりますし、食物繊維も摂取でき、腸内環境を整えてくれるすぐれもの。私は納豆も好きで、パスタやそば、うどんの上によくかけます。一日1パックは食べたいですね。豚汁も味噌が発酵食品の上、食物繊維が豊富な根菜類が摂れる逸品です」 

手嶋氏が実際にいくつかのコンビニを訪れ、免疫力アップに効果が期待される食品をチェックした。

「セブン-イレブンは魚の惣菜が充実していて、中食として使えるなと感じました。『さばの塩焼』や『スモークサーモン』、『ぶりの照焼』、『さわらの西京焼』、『子持ち焼ししゃも』など種類も豊富です。魚からはタンパク質とビタミンDが摂れます。ビタミンDは免疫機能を調整する働きがあり、体内に侵入したウイルスや細菌に対して必要な免疫機能が作用するよう促します。感染症の発症・悪化の予防にも関与することが最近の研究でわかってきた、注目のビタミンです」

ただし、コンビニの食品は味が濃いことが多い。そんなときは、ちょい足しした副菜で味を調節するといい。納豆ならタレを半分や3分の1にする。サラダのドレッシングも同様。ぬか漬けには醤油をかけないといったことで調整しよう。

「免疫力が落ちるのは、食事のバランスが悪く、偏った食べ方をしているときです。タンパク質やビタミン類が不足するとよくありません。ビタミンCはウイルスなどの病原菌と戦う白血球の働きを高めます。ビタミンAや葉酸は、ウイルスが最初に付着する鼻や喉の粘膜を丈夫にしてくれます。野菜を直接摂るのが難しいようなら、せめて野菜汁100%で食塩無添加の野菜ジュースを取り入れてください」(手嶋氏)

水で解凍できる枝豆

コンビニ各社はこのところ、健康に力を入れた商品開発に注力してきた。それが今回のコロナ・ショックで改めて注目されている格好だ。流通ジャーナリストの石橋忠子氏が解説する。

「’00年代半ばから、コンビニ各社は既存店で売り上げの伸びが見込めなくなり、当時の主力客だった独身男性向けから中高年や女性客も取り込むために、健康志向の商品開発が始まりました」

中でも一番力を入れているのが、セブン-イレブンだという。石橋氏が続ける。

「チルド惣菜コーナーには黒豆やひじきの煮物などもあり、減塩にも力を入れています。カットするときの温度管理にまでこだわった『千切りキャベツ』はスーパーのものと比べても別格で、鮮度が非常に高いため、ビタミンCが豊富です。 

4月から食品表示法が完全施行され、加工食品で熱量(カロリー)やタンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の表示が義務化されました。セブン-イレブンは、さらに食物繊維や糖質の表示も任意で行っています。近年の大ヒット商品、もち麦を使ったおにぎりは、パッケージに『レタス約1個分の食物繊維入り』と謳ったことが大きい。新型コロナウイルスは高血圧や糖尿病など慢性疾患のある人が重症化しやすいと言われていますが、その原因となる塩分や糖質も記されているので、目安にしやすいはずです」

もちろん、ファミリーマートもローソンも健康に力を入れている。コンビニ研究家の田矢信二氏が言う。

「ローソンは’01年から美と健康をコンセプトにした『ナチュラルローソン』を展開し、同チェーンの人気商品をローソンでも販売するなど、健康戦略を展開しています。中でも低糖質が売りの『ブランパン』は大ヒット商品になりました。 

ファミリーマートは通常の大麦よりも食物繊維が多く含まれる『スーパー大麦』を使ったおにぎりなどの食品が1億食を突破しました。健康や美容への意識が高い人たちの間で話題になっています」

惣菜や弁当、パンだけではない。現在、コンビニ各社が競って力を入れている分野が冷凍食材だという。これを使えば、思ったより手軽に自炊を楽しめる。

フードジャーナリストの岡部加菜子氏がこう話す。

「セブン-イレブンの冷凍食材はかなり使えます。水で解凍するだけで食べられる枝豆や、ブロッコリーなど緑黄色野菜も豊富です。新型コロナの影響で残業も会合もなくなり、家で過ごす時間も増えたと思います。せっかくなので、惣菜や冷凍食材を使って簡単なアレンジに挑戦してはいかがでしょうか。

ブロッコリーやほうれん草をオリーブオイルで炒めるだけで、野菜のソテー。物足りなかったら、ベーコンやサラダチキンを加えてください。

惣菜の『さばの塩焼』をほぐしてパックご飯に入れ、お酢とゴマと混ぜ合わせるだけで、さばの混ぜ寿司ができます。これに冷凍食材の枝豆を入れてもいいでしょう。枝豆は『畑のお肉』と呼ばれるように、タンパク質が豊富です」

品薄なモノも手に入る?

食後のデザートは、ビタミンを摂取するために果物がいい。セブン-イレブンでは冷凍のグレープフルーツやマンゴーなど種類も豊富だ。

「朝ごはんを食べたくない人も、コンビニで売られているカットフルーツやバナナをヨーグルトと混ぜて食べると免疫力アップに役立ちます。『医食同源』という言葉がありますが、日頃からバランスの取れた食事をすることで、病気を予防できる可能性が高まるのです」(岡部氏)

コンビニには生活に必要なほとんどすべてのモノが揃う。食料品以外で新型コロナ対策に役立ちそうなものを識者に挙げてもらった。

「体温を上げれば、免疫力が高まると言われています。コンビニにも入浴剤は売っているので、湯船に浸かって血行を促進し、代謝を高めて免疫力をアップさせましょう」(岡部氏)

「もうすぐ政府から布マスク2枚が配られます。使用したらマスクを消毒・殺菌するために、衣料用の塩素系漂白剤が必要ですが、これもコンビニで売っています。ちなみに、花王が布マスクの洗い方をインターネットで公開しています。面倒に感じられるかもしれませんが、感染を防ぐと思って、挑戦してみてください」(前出・手嶋氏)

「ドラッグストアでは売り切れとなっているトイレットペーパーや箱ティッシュ、ハンドソープがコンビニで買えたという話を周囲から聞きます。買いだめは論外ですが、必要ならばいくつか回れば見つかるかもしれません」(前出・石橋氏)

コンビニ各社は商品の入れ替わりが激しく、実は取り扱っている商品も店舗によって結構異なる。今回紹介した商品が最寄りのコンビニになければ、いくつかはしごしてみよう。

もちろん、マスクはきちんと着用し、他人との間にソーシャルディスタンスを保つことを忘れてはいけない。できれば、店員と接触するのを避けるため、キャッシュレス決済も活用したい。

「コンビニはピーク時から来店時間をズラせば、意外と人に会わないものです。自宅待機や在宅勤務になっている人は、必要なモノを買いにコンビニに行くだけでも運動不足の解消になると思います。お目当ての商品を探すために普段行かない遠くのコンビニまで行けば、宝探し感覚でリフレッシュ効果もあると思います」(前出・田矢氏)

今のところ、コンビニのサプライチェーンに深刻な問題は起きていない。それも関係各社や物流、店舗関係者の努力があってのこと。彼らの活躍に感謝しつつ、コンビニを十二分に活用して、コロナ・ショックを何としても乗り切ろう。

『FRIDAY』2020年5月1日号より

  • 撮影結束武郎

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