コロナで売上80%減…! 山根明・元会長のクラブが大ピンチ
「男・山根に会える店」として大人気だった大阪のクラブがついに休業へ
大阪・今里新地にあるナイトクラブ「Oasis」。ここは、日本ボクシング連盟前会長・山根明氏(80)の妻・智巳さんがオーナーを務める店だ。「男・山根に会える店」と評判で、普段なら100人は入ろうかという広い店内が満員になるが、現在は新型コロナウイルスの脅威によって休業を余儀なくされている。28歳年下の妻・智巳さんが言う。
「まったくお客さんが来ない日もたくさんあって、3月の売り上げは80%も減りました。それでも店は開けておこうと思ったんですが、4月に入って感染の状況はさらに悪くなり、大阪府から自粛要請も出たので……。
もちろん、約20人いるホステスの生活があるので葛藤はありました。シングルマザーで生活が苦しい子もいるわけですから。だけど、彼女たちも状況を理解してくれて、『オーナーが決めてください』と言ってくれた。いま欲を出すよりも、少しでも社会に貢献するほうが大切だろうと思い、4月4日から休業することにしました」
店のローンは6000万円ほど残っており、月々約20万円の金利の支払いも続く。山根氏にとっては大ピンチだ。しかしそれでも、「テンカウントを聞くまで諦めちゃいかん」と、男・山根は前向きだ。
「店の状況については報告を受けていたから、妻の顔を見るのが辛かった。だけど、苦しんでいるのはワシだけやないからね。日本全国同じ。とにかく、いまは耐えることや。耐えるというのは時として、何かに挑戦するよりも根性がいる。みんなで支え合いながら、この難局を耐え抜いていこうやないか」
後手に回る政府の対応については、会長として長くボクシング連盟を率いてきた山根氏ならではの意見があるようだ。
「対応に当たっている人はみんな一生懸命やっていると思うよ。批判するのは簡単やけど、いまそれをしても仕方がない。判断が間違っていたかどうかなんて、すべてが収まってからでないと誰にもわからんことやからな。とにかく、自分にできることから始めるのが大事や」
昨年9月、山根氏はプロボクシングの新団体「ワールド・ヤマネ・ボクシング・チャンピオンシップ(WYBC)」を設立。少しでも世間に元気を与えたいと、いま、こんなイベントを計画しているという。
「5月31日に京都・KBSホールで、新団体の世界ヘビー級王者・高橋知哉の初防衛戦を無観客で行う。それをネット配信するつもり。戦う男の姿を通じて、皆さんに勇気を与えたいんや!」
男・山根なら、コロナすらもノックダウンしてくれそうだ。
(注:取材は4月中旬に行いました)






『FRIDAY』2020年5月1日号より
撮影:加藤 慶