SNSの愛情供給が神レベル…コロナ禍、ジャニヲタが逆転リア充に | FRIDAYデジタル

SNSの愛情供給が神レベル…コロナ禍、ジャニヲタが逆転リア充に

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最近、ジャニヲタはめっきり忙しい。

緊急事態宣言が発動され、政府から「ステイホーム」が推奨されてもう2週間以上が経つ。そんな中、「夫婦時間長すぎるせいで、離婚危機」などと新型コロナによる二次被害的ニュースが流れ、「外界との接触を経つことで鬱になる可能性」が囁かれたりもしているが、世間に蔓延する陰鬱な空気とは裏腹に、ジャニヲタは今、”リア充”の真っ只中にいる。

4月から始まる予定だったドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)のロケで、猛ダッシュを繰り返す中島健人と平野紫耀(しょう)。他の例に漏れず、新型コロナウイルス感染拡大による撮影中断で、ドラマの放送スタート日も未定だ
4月から始まる予定だったドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)のロケで、猛ダッシュを繰り返す中島健人と平野紫耀(しょう)。他の例に漏れず、新型コロナウイルス感染拡大による撮影中断で、ドラマの放送スタート日も未定だ

というのも、3月末の無観客ライブ「Johnny’s Happy LIVE with YOU」以降、ジャニーズからファンに向けて、今までには考えられないような“愛情”が供給されているからだ。

ジャニーズでは、この春、開催する予定だったライヴや公演が軒並み中止となった。その公演数と動員数は、おそらく日本の芸能事務所の中でも群を抜いて多いはず。ファンのみならずタレントたちも落胆しているに違いないが、アイドルである彼らは、そんな時でも夢を与える存在であり続ける。

たとえば、ジャニーズウェブという会員制ブログでは、緊急事態宣言後、タレントの投稿がグンと増えた。特に、関ジャニ∞の大倉忠義が発起人となって始まった、グループの垣根を超えたバトンリレー。最初は動画縛りで(途中から文字でも写真でも動画でも自由になった)、投稿された自撮り動画は、妙にどれも“彼氏み”が強い。

もともとSexy Zoneの中島健人は、「夜の11時に“おやすみ動画”をアップする」などというアイドルの鏡らしい投稿をしていたのが、彼がこのバトンリレーに参加することで、それまでSexy Zoneのサイトを覗いたことがなかったファンにも、「ケンティ、こんなことまでしてくれるんだ!」と、そのポテンシャルの高さを気づかせることとなった。

ジャニーズJr.(今年デビューしたSixTONESとSnow Manを含む)の動画が毎日更新されるジャニーズの動画サイト「Island TV」でも、アップされるのは家で自撮りした動画が主流。彼らのほとんどは家族と一緒に住んでいるのだが、多分、家族には生活音を出さないようにお願いしているのだろう。部屋着姿での近況報告は、動画なのにとても親密な雰囲気で、妙に“アオハル”している感じがするのである。たとえば、Hi Hi Jetsの井上 瑞稀は、メンバー5人での手洗い動画の最後にこうコメントした。

「みんな、推しの言うことはちゃんと聞くんだよ♡」

おそらく、この一言にキュンとしないジャニヲタはいまい。この発言が天才なのは、「これを見ている君の“推し”が僕じゃなくても、君の“推し”は、君のことを大切に思っているんだからね」というメッセージが込められているからだ。結局、推しとそのファンの関係というのは、年齢関係なく“アオハル”なのである。

考えてみれば、歌やダンス、芝居やバラエティでの適応力に加えて、“アオハル力”もまた、ジャニーズのアイドルに不可欠な素養といえる。両思いのはずなのに、ちょっとしたすれ違いから、すぐ片思いみたいな気持ちになってしまったり、手の届かないような存在に思えたり……。青春時代のヒーローみたいな存在。そんな眩しい輝きを、アイドルとしてステージに立った瞬間からずっと、彼らは放ち続けているのだ。

YouTubeのジャニーズJr.チャンネル内「君に届け〜僕からのHappyレター」企画で、“彼氏み”という曖昧さを超えて、“自慢の推し”として感動的な文章を綴っていたのがTravis Japanの川島如恵留(かわしま・のえる)である。人に何かを求めたり、強制したりするのが好きではないという彼が、「一つだけ僕の我が儘を聞いて」と断った上で、「(貴方には)健やかであってほしい」「幸せであってほしい」と続けた。そして、自分は貴方にとっての自慢でありたいと。

関ジャニ∞やKAT-TUN、NEWS、嵐、 KinKi Kids、V6のように、デビューして10年以上が経過したグループの場合、ファンの感情は“アオハル”というより、最早“身内感”のほうが強い(デビューして13年目のHey! Say! JUMPは、年齢のせいかまだ“アオハル”感が勝つ)。

推したちと一緒に過ごしてきた日々は、甘さや酸っぱさだけじゃなく、苦さや、痛みも伴っていたからだ。そうして、バーチャルな身内(=推し)たちが、これまで以上にないほど愛を叫んでくれている。これを、リア充と呼ばずしてなんと呼べばいいのか。

これまでずっとジャニヲタは、リア充でない人がハマるものだと(一般的には)思われてきた。でも今、ジャニヲタは、いつにも増して推しと繋がっている。満たされている。考えてみれば、「ヲタク」とは元々家に“籠る”人。そこで、何かに傾倒して、その何かをとことん掘り下げていたマニアックな人たちのことだ。

嵐の人気が爆発的に広がったのも、ドラマや楽曲のヒットだけでなく、ちょうどYouTubeが普及した時期に、古参のファンが『Cの嵐』や『Dの嵐』といった過酷なバラエティ動画をアップし、それを見た新参がギャップ萌えし、沼化の加速を手伝ったように記憶している。

お籠りを楽しめるのは、おそらくジャニヲタに限ったことではない。でも、ジャニーズのタレントは、アイドルのプロとして、脳内彼氏役を、進んで買って出てくれる。さらに、嵐のインスタライヴで生田斗真の「Smile Up Project」の話題が出ていたように、ファミリーが巨大なだけに、お籠りのタイミングで推し以外のグループや個人に興味を持っても、それぞれに沼は深く、おそろしく堀り甲斐があるのだ。お籠もり時間などいくらあっても足りないほどに。

ジャニーズが発信するものは、キラキラしていて、一生懸命で、優しくて、必ずどこかユーモラス。だから見ている側は笑顔になり、ナチュラルキラー細胞が活性化し、免疫力がつく。また、実際は何万人に向けて語りかけていても、まるで自分だけのために言っているように彼らは振舞う。だから、そんな推しのために、恥ずかしくない自分でいようと思う。バーチャルなのにリア充――つまり、おたくの免疫力は、「妄想力」にあったのだ。

  • 取材・文喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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