コロナ禍を吹き飛ばすプロ野球「不惑の選手たち」の活躍が見たい

野手の最年長は福留(阪神)、投手の最年長は山井(中日)!

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
2019年5月5日、サヨナラホームランを放ち右手を突き上げる福留孝介(阪神)

4月26日、阪神の福留孝介が43歳の誕生日を迎えた。現役最年長だ。今年中に40歳の大台を迎える現役選手は、11人いる。

1.福留孝介(阪神)43歳 (1977.4.26)
2.山井大介(中日)42歳 (1978.5.10)
3.能見篤史(阪神)41歳 (1979.5.28)
3.五十嵐亮太(ヤクルト)41歳 (1979.5.28)
5.石原慶幸(広島)41歳 (1979.9.7)
6.細川亨(ロッテ)40歳 (1980.1.4)
7.石川雅規(ヤクルト)40歳 (1980.1.22)
8.久保裕也(楽天)40歳 (1980.5.23)
9.藤川球児(阪神)40歳 (1980.7.21)
10.松坂大輔(西武)40歳 (1980.9.13)
11.渡辺直人(楽天)40歳 (1980.10.15)

昨年は1975年4月3日生まれの巨人、上原浩治がシーズン中の5月20日に引退。同じ1975年の12月14日生まれのロッテ福浦和也も引退したため、今年は福留が最年長になった。

福留は、楽天の三木肇新監督より誕生日が1日おそいだけだ。

また、一世を風靡した松坂世代もついに不惑を迎える(他に1981年2月21日生まれのソフトバンク和田毅も松坂世代)。

ちなみに阪神の能見とヤクルトの五十嵐は誕生日が同じだ。

MLBでは昨年、1973年10月22日生まれのイチローが3月21日に引退。これに次ぐ1977年3月18日生まれのフェルナンド・ロドニーも2019年オフにFAとなった。

今年のアクティブ・ロースターに載っている選手では、イチローと同じ2001年メジャーデビューで、1980年1月16日生まれのエンゼルス、アルバート・プホルズが最年長だ。プホルズは大谷翔平のチームメイトでもある

昭和の時代まで、日本のプロ野球選手は大リーガーよりも選手寿命が短いと言われた。しかし、最近は日本の選手寿命がかなり延びた。MLBは大型契約を満了した35歳過ぎの選手は極端に年俸が下がる上に、球団との契約を結ぶことができず、消えていくことも多い。そういうこともあって、40歳代の選手はNPBの方が多くなっている。

NPBの一軍の試合に出た選手の最年長記録は、阪急のプレイングマネージャー、浜崎真二が1950年11月に記録した48歳10ヵ月だった。しかしこれは「記録のための記録」だった。これを65年ぶりに破ったのが、2015年の中日、山本昌。1965年8月11日生まれの山本はこの年の10月7日の広島戦で登板し「50歳で現役」という史上初の記録をマークした。

ちなみにMLBでは、1906年7月生まれのサチェル・ペイジが、1965年になってカンザスシティ・アスレチックスと契約し9月25日のレッドソックス戦で登板。のちに三冠王になるカール・ヤストレムスキーに二塁打を打たれたものの1イニングを無失点に抑えた。この59歳2ヵ月が最年長記録になっている。

しかし40歳以降で、若い選手に伍して一線級の成績を挙げた選手はいまだに少ない。

40歳以上の二けた勝利投手

40歳
1948年 若林忠志(大阪)17勝20敗 率2.48
2008年 下柳剛(阪神)11勝6敗 率2.99
2015年 黒田博樹(広島)11勝8敗 率2.55
41歳
1949年 若林忠志(大阪)15勝14敗 率3.29
1990年 村田兆治(ロッテ)10勝8敗 率4.51
2004年 工藤公康(巨人)10勝7敗 率4.67
2006年 山本昌(中日)11勝7敗 率3.32
2016年 黒田博樹(広島)10勝8敗 率3.09
42歳
2005年 工藤公康(巨人)11勝9敗 率4.70
43歳
2008年 山本昌(中日)11勝7敗 率3.16

 

40歳以上の3割打者(規定打席以上)

40歳
1954年 戸倉勝城(阪急)443打133安 率.300
1973年 G.アルトマン(ロッテ)365打112安 率.307
1988年 門田博光(南海)447打139安 率.311
2008年 金本知憲(阪神)535打164安 率.307
41歳
1955年 戸倉勝城(阪急)480打154安 率.321
1989年 門田博光(オリックス)406打124安 率.305
2011年 宮本慎也(ヤクルト)474打143安 率.302
42歳
1995年 落合博満(巨人)399打124安 率.311
43歳
1996年 落合博満(巨人)376打113安 率.301

二けた勝利が10人、3割打者が9人。いずれも最年長は43歳だ。

40歳以上で最も活躍した選手は、1988年の南海、門田博光だろう。この年の2月26日に40歳になった門田は、全試合に出場し、打率.311をマークしただけでなく、44本塁打、125打点で二冠王を獲得。パ・リーグのMVPに輝いた。40代の主要打撃タイトル獲得は、この年の門田と、2008年、オリックスの40歳、タフィ・ローズの打点王(118打点)だけ。MVPは門田だけだ。この年は、南海ホークス最後の年でもあった。

投手では、1989年に村田兆治(ロッテ)が40歳で防御率1位(2.50)、1997年に42歳の大野豊(広島)が防御率1位(2.85)のタイトルを獲得している。

新型コロナウイルス禍で、今季のNPBはまだ開幕のめどが立たない。

40歳代の選手にとって現役選手として残された時間は少ない。一方で開幕まで十分すぎるほどの時間があることは、調整に時間がかかるベテランにとっては少し有利かもしれない。

今季最年長の阪神、福留は2016年、39歳のシーズンに打率.311を記録している。以後は到達していないが、落合と並ぶ最年長3割に挑戦してほしい。彼はあと103安打でNPB2000本安打に達する。

また投手最年長の中日、山井の二けた勝利は2014年、36歳の年の13勝一度だけだが、昨年も13試合に先発している。奮起を期待したい。

さらに阪神の藤川球児は、あと7セーブで日米通算250セーブ、名球会入りの資格を得る。

こうした不惑の選手たちの活躍が、新型コロナ禍で苦しむ同世代のサラリーマンを力づけるところを見たいものだ。

  • 広尾 晃(ひろおこう)

    1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイーストプレス)、『球数制限 野球の未来が危ない!』(ビジネス社)など。Number Webでコラム「酒の肴に野球の記録」を執筆、東洋経済オンライン等で執筆活動を展開している。

  • 写真時事通信社

Photo Gallary1

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事