STAY HOMEでも「旅行気分になれる」傑作映画10選

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『ジュラシック・ワールド/炎の王国』に出席した主演のクリス・プラット(ロサンゼルス 2018年6月12日)  写真:Shutterstock/アフロ

5月の大型連休、ど真ん中だ。例年であれば旅行や帰省ラッシュとなるシーズンだが、今年は新型コロナウイルスの拡大を防ぐためにも、自宅で過ごしたい。

しかし、ただ家の中でじっとしているだけでは、休まるものも休まらない。ということで、今回は「旅行に行った気分になれる」映画を10本セレクトしてみた。定番の作品から「これも!?」というようなエッジーなものまで、各ジャンル取り揃えているので、気晴らしにご使用いただきたい。


①『君の名前で僕を呼んで』(17) 北イタリアの避暑地 画面に映る全てが美しい

1980年代、北イタリアの避暑地で紡がれる、17歳と24歳の青年の切ない恋物語。風や木々、陽光、海、料理など画面に映るすべてが美しく、現実世界を忘れて物語に没入できる。

考古学の教授である父のもとにやってきた、快活な学生オリヴァー(アーミー・ハマー)。彼と共同生活を送るなかで、主人公のエリオ(ティモシー・シャラメ)は今まで感じたことのないような興味や、衝動に近いものを抱くようになっていく。

“運命の恋”を知ってしまったエリオと、彼の純粋な想いに複雑な感情を抱くオリヴァー。ふたりの関係性が緩やかに変化していくさまを、繊細かつ穏やかに見つめた感性豊かな傑作だ。

北イタリアのさんさんと注ぐ日差しや、透き通るような海、ロマンを感じられる遺跡など、現地の“生活”を感じられる描写の数々に、身も心も委ねていただきたい。

②『007 スペクター』(15) ボンドと共に世界を股にかけろ!

今年、最新作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(20)が公開される『007』シリーズ。その予習&復習にも使えるこの作品は、冒頭からメキシコの「死者の日」の祭典で観る者を一気に引きずり込む。町行く人が皆死者の仮装をしている状況で、息もつかせぬ銃撃戦と空中戦が始まり……。CG頼みではない、リアルアクションが楽しめる。

その後、主人公のジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)イタリア・ローマに飛び、歴史の面影が色濃く残る街で悪の組織とカーチェイスを披露。続いてはオーストリアの山岳地帯に飛び、雪山で大立ち回りを演じる。そして、舞台はモロッコへ――。

世界を股にかけるボンドらしく、1本の映画で各国を回る点がポイント。格式高い映像やビジュアルセンス、トムフォードの洗練されたスーツにアストンマーチンなどの名車なども目を楽しませてくれる。

③『ラ・ラ・ランド』(16) LAの名スポットで綴られる、夢追い人の運命

アメリカ・ロサンゼルスを舞台に、スターを夢見る女優(エマ・ストーン)と、ジャズを愛するピアニスト(ライアン・ゴズリング)の恋愛と夢への道のりを描いた本作。第89回アカデミー賞では監督賞、主演女優賞など6部門を制し、日本でも熱狂的なファンが多く存在する。

夢追い人の運命をつづった本作は、彼らの憧れも挫折も内包する“街”が1つの主人公。グリフィス天文台やワーナー・ブラザースのスタジオ、リアルトシアターなど、LAの名スポットが続々と登場する。

ミュージカルシーンやジャズの演奏、ロマンチックなデートシーンなど華やかなシーンも多いが、同時に「愛を選ぶか、夢を選ぶか」といった過酷な“選択”も描写しており、観る者によって受け取り方が変わる奥深い人間ドラマが真骨頂。華やかさと見ごたえの両方を兼ね備えた作品だ。

④『バーフバリ 伝説誕生』(15)&『バーフバリ 王の凱旋』(17) 極上のトリップ! 伝説の王国・マヒシュマティへの旅

見渡す限りのインド。むせ返るほどの熱量。絢爛豪華を優に超えた映像。怒涛の大河ロマン。日本でも熱狂的ファンを多数生んだ『バーフバリ』シリーズは、とにかく濃い。そして、悩みなど軽くぶっ飛ばすエネルギーに満ちている。

ごくごく簡単なあらすじを言えば、王位継承をめぐる親子何世代にもわたる闘争の記録なのだが、そんなことはどうでもよくなるくらい、言語を喪失するほどの圧倒的な“輝き”が、そこにはある。目の前で繰り広げられる大スケールのアクション、歌とダンス、演技合戦……。

本作を観ること自体が、マヒシュマティ王国への壮大な“旅”を示している。陰鬱な日々に刺激をもたらす、極上のスパイスとなるだろう。

⑤『フリーソロ』(18) 死と隣り合わせ 極限「フリークライミング」を体感!

常人では絶対に行けない場所を、“体感”できる映画。『フリーソロ』は、己の肉体を使って岩壁を登る「フリークライミング」のプロを追ったドキュメンタリーだ。その驚異的な生き様とショッキングな内容が絶賛され、第91回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー映画賞に輝いた。

「素手で断崖絶壁を登る」という、シンプルだが、想像するだに恐ろしいスポーツ。もちろん、常に死と隣り合わせだ。そんなクライマーに密着した映像は、気が休まる暇など一切ない。滑落するシーンなどは、下手なホラーの何十倍も怖い。

⑥『マンマ・ミーア!』(08) ABBAの名曲にのせてエーゲ海観光の気分がずっと続く

何も考えず、楽しい気持ちでいっぱいになれるミュージカル。ギリシャ・エーゲ海を臨む島にあるホテル。オーナーの娘の結婚式に、父親候補の3人がやってくる。本当の父親は誰なのか?

…という大筋はあれど、謎解き要素は皆無。皆で歌って踊って、きらめくほど美しいエーゲ海を楽しむ。観光気分がずっと続く――。それが本作の魅力であり、最大の楽しみ方だ。

『レ・ミゼラブル』(12)でも美声を披露したアマンダ・セイフライドメリル・ストリープが、風光明媚な景色をバックに、ABBAの名曲を何とも楽しげに歌いまくる。多幸感でいっぱいになれるピュアな映画だ。

⑦『DESTINY 鎌倉ものがたり』(17) 江ノ電や鎌倉の雰囲気満載 黄泉の国への“旅行”も!

鎌倉・江の島、そして「黄泉の国」を舞台にしたファンタジックなラブストーリー。鎌倉に住む小説家のもとに嫁いだ女性が、人間も妖怪も共存する不思議な生活を経験する。

夫婦役を演じた堺雅人高畑充希のコミカルな掛け合いや、『三丁目の夕日』シリーズのスタッフが壮大なスケールで描く、多国籍感あふれる黄泉の国の世界観が見事。江ノ電や海岸の風景、神社や寺など鎌倉の雰囲気を味わえるだけでなく、黄泉の国への“旅行”も楽しめる。黄泉の国に連れ去られてしまった愛する妻を救おうとする王道のラブストーリーも、心地よい。

ちなみに、鎌倉・江の島を描いた近年の作品であれば『海街diary』(15)もオススメだ。こちらは、鎌倉で暮らす姉妹の成長を、四季折々を通して優しく描いたもの。穏やかな気持ちを与えてくれることだろう。

⑧『グランドフィナーレ』(15) アルプス山脈を眺めて「こんな場所で余生を送りたい……」

スイスの高地にあるホテル。その滞在客である年取った音楽家(マイケル・ケイン)が、様々な人々とのかかわりを通して人生を振り返っていく。劇中に登場するホテルは、「こんな場所で余生を送りたい……」と憧れてしまうような桃源郷。都会の喧騒から遠く離れた場所で、アルプス山脈を眺め、温泉に浸かり、一流の料理を楽しむ

吸い込まれるような映像美と劇中を彩る旋律が大きな魅力だが、じんわりと沁み込んでいく人間ドラマもまた、「人生」がそのまま詰まったような深みがある。落ち着きたいときや俗世のしがらみから離れたいときにはぴったりな作品だ。

⑨『リメンバー・ミー』(17) メキシカンカルチャーが溢れ、涙腺も刺激

『アナと雪の女王』(13)は北欧、『ベイマックス』(14)は日本と、多くの作品で“国”をモチーフにしてきたディズニー。メキシコを舞台にした映画が、この『リメンバー・ミー』だ。

華やかな「死者の国」に迷い込んだ音楽少年が、現世に帰ろうと冒険を繰り広げる中で、自分の出生にまつわる秘密を知っていく。

「死者」「マリアッチ」「色彩」など、メキシカンカルチャーを存分にちりばめた画面構成は観ているだけで楽しく、生者と死者の関係性に特別な感情を抱くメキシコの伝統性を家族のドラマに昇華した、ハートフルなストーリーに涙腺を刺激されるだろう。

⑩『ジュラシック・ワールド』(15) “観るテーマパーク”の決定版&最新シリーズ

ディズニーランドやUSJなど、多くのテーマパークが営業自粛中の中、行楽気分を味わうにはこのテーマパークがある。『ジュラシック・パーク』シリーズから続く、新三部作の始まりを告げる『ジュラシック・ワールド』だ。

遺伝子操作によって蘇った恐竜を間近で観られるパークがオープン。特殊な乗り物でブロントサウルスと並走できるアトラクションや、モササウルスの餌付けショー、プテラノドンの館などワクワクするエンターテインメント施設になっている。「本当にこんな場所があったら……」と気分が高まるだろうし、実際にテーマパークを訪れたような感覚にもなれる。

後半になると恐竜が脱走して客を襲い始めたりするのだが、そこはフィクションということでご容赦願いたい。「旅行気分」には、しっかりなれる映画ではある。


いかがだっただろうか? 今回は省いたが、『インターステラー』(14)などの「宇宙旅行に行ける」映画も、「現実を忘れさせてくれる」という点ではアリかもしれない。

また余談だが、YouTubeで「地名+4K」で検索してみると、世界中の「お散歩映像」がヒットするはずだ。これがなかなか楽しいので、ご興味のある方は是非どうぞ。

  • SYO

    映画ライター。1987年福井県生。東京学芸大学にて映像・演劇表現について学ぶ。大学卒業後、映画雑誌の編集プロダクション、映画情報サイトでの勤務を経て、映画ライターに。現在まで、インタビュー、レビュー記事、ニュース記事、コラム、イベントレポート、推薦コメント、トークイベント登壇等幅広く手がける。

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