K-POPアイドルの登竜門「サバイバル番組」は日本でも増える?

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TWICEもIZ*ONEも「サバイバルオーディション番組」出身

日本や韓国で大人気のIZ*ONEもサバイバル番組出身だ/写真 アフロ

韓国のテレビ番組で思い浮かべるとしたらドラマ作品が多いでしょうか? 実際、日本でも韓流ドラマはたくさん放送されていますし、もちろん韓国でもドラマは人気で、毎年多くの作品が制作されヒットも生まれています。

しかし、ドラマにも負けず劣らずの人気を誇る番組があります。それが「サバイバルオーディション番組」です。

なかでも音楽系のサバイバル番組は非常に人気があり、デビューを目指して、「練習生(デビュー候補生)」たちが生き残りをかけたオーディションを兼ねる「PRODUCE 101(プロデュース・ワンオーワン)」シリーズは、第4シーズンまで放映され、様々な社会現象を起こしました。

今回は、韓国における「サバイバルオーディション番組」の人気について、いくつかの番組を紹介しつつ、深堀りしていきたいと思います。

日本でも人気のガールズグループ「TWICE」も、実はサバイバルオーディション番組から生まれたことをご存知でしょうか? 彼女たちは所属するJYPエンターテインメントの練習生16人を集めた番組『SIXTEEN』出身の9人によって結成されたグループです。

この番組では、合格予定者7名の「メジャー」と失格者9名の「マイナー」の2チームに振り分けられて番組が進められ、そのなかで悲喜こもごも様々なエピソードが展開されていきました。

他にも、BIGBANGが所属するYGエンターテインメントのグループ「WINNER」は『WIN: WHO IS NEXT』という番組から生まれたのですが、その『WIN』で敗退したチームが、さらに他の練習生たちと争ったのが『MIX&MACTH』という番組。そこから「iKON」というグループが誕生しました。韓国の人気アイドルには「サバイバル」を生き残った者たちが多くいます。

練習生たちを争わせて、サバイブしたメンバーで正式デビューをさせる番組は以前から多くありました。このようなサバイバル番組は、いわゆるデビュー前の顔見せとお披露目、そしてプロモーション戦略として大きな役目を果たしているのです。

人気すぎて日本にも輸入された『PRODUCE 101』

韓国のサバイバル・オーディション番組をここまで盛り上げたのはMnet
が制作した『PRODUCE 101(以下、プデュ)』シリーズの登場でしょう。

今までの番組では「同じ事務所内」の練習生たちによるサバイバルでしたが、プデュでは「様々な事務所」の練習生を101人集めて、最終的に11人(IZ*ONEは12人)に絞るという斬新なものでした。

101人という大人数も画期的でしたが、この番組の1番の特徴は「国民プロデューサー」という一般視聴者による投票方式でした。私たち視聴者は、番組を通して101人の練習生の中から「1PICK(お気に入りの練習生)」を見つけて、投票することができるのです。

プデュでは、AKBグループが参加した『PRODUCE48(シーズン3)』を含め、シーズン4まで放映されました。このシリーズから生まれたグループ、I.O.I、Wanna One、IZ*ONE、X1はどれも人気を呼び、Wanna Oneの入出国時にはファンが集まりすぎて大混乱になり韓国の空港が麻痺状態になったりと、社会現象をも引き起こしています。

韓国で人気の出たプデュは、日本にも輸入され『PRODUCE 101 JAPAN』という形で放映され、K-POPファンだけでなく、ジャニーズやLDHなど、他のアイドル界隈のファンをも取り込み、大きな人気を集めました。

この番組で生まれた11人組のボーイズグループJO1はデビュー前から話題になり、デビューシングル「PROTOSTAR」はオリコン週間シングルランキング初登場1位となり初動32.7万枚という新人とは思えぬ記録を打ち出しました。

この番組の特徴は、韓国式をそのまま取り入れたこと。以前コラムでも書いた、ファンによる「自主広告」の掲示を主催者側が広く許可を出したため、日本でも多くの「応援広告」が話題となりました。この「ファン参加型」という形が日本でもブレイクした理由でしょう。

社会現象を起こすほど人気の「Wanna One」/写真 アフロ

なぜ人は「生き残り」番組に熱狂するのか?

サバイバル・オーディション番組で共通して言えるのは、オーディションから脱落しても番組出演をキッカケにファンがつくことで、芸能事務所からスカウトされたり、所属事務所が新しい道を作ってくれたり、なにかしら次に繋がることです。実際、プデュシリーズでは、脱落したメンバーによる派生グループは多く生まれており人気を得ています。

『PRODUCE 101 シーズン2』には、高田健太という一人の日本人が参加していました。彼はK-POPアイドルを目指して単独韓国に渡っていましたが、デビューのチャンスに恵まれず、この「プデュ」に参加したのです。

惜しくも脱落しましたが、その後ファンによる強い要望で「JBJ」というグループで正式デビューを果たしています。

なぜ、「サバイバル・オーディション番組」は人気があるのか? それはいくつかの要素があると思います。

・練習生たちのリアルな成長を同時進行で見れる
・「天性の歌声」や「世界レベルのダンス力」など、隠れた才能を自分たちで発掘できる
・普通のアイドルじゃ絶対映さない「影の努力」を見ることができる
・最終的に誰が残るか「予想合戦」が楽しい
・「人気が出る前」のアイドルというのが良い
・忖度抜きの「ガチ勝負」である

といったところでしょうか。

その中でも「隠れた才能を自分たちで発掘できる」というのはサバイバル番組の面白いところ。

例えば、現在IZ*ONEで活動している矢吹奈子(HKT48)は、「グループバトル評価」の際にカバーしたGFRIENDの「耳をすませば(Love Whisper)」でメインボーカルとして披露した高音パートで注目を浴び、韓国のポータルサイトのリアルタイム検索1位という話題を呼びました。HKT48にいたら彼女の歌には注目がいかなかったかもしれません。これこそ、サバイバル番組の面白さですね。

熱が入るファン心理って?

日本でもおなじみの「TWICE」/写真 アフロ

番組を通して新しい才能を発掘したり、練習生たちと一緒に涙したり、その努力する姿を見て感心したり、真剣勝負をする姿に見直したり、「この子が残る!」とファン同士で共有して予想したりと、ファンは番組を通して自分たちが作り上げて行っているという気持ちになれます。

ファンの応援にもひときわ熱が入ります。番組では「リアルタイム投票」という企画があり、放送が始まるとファンたちが投票を呼びかけるために街中で歩いている人に声をかけてその場で投票してもらったり、SNS上で生き残りギリギリラインのファン同士がバトルしたり、推し練習生が脱落した翌日は学校や仕事を休んだり…と、ファンにとっても自分の「推し」がどうなるかは、自分の人生のように重要なのです。

また「デビュー前から知っている」という気持ちは、どこか優越感があるもので、自分たちの先見の明を自慢したい気持ちもどこかにあるのかもしれません。特に、韓国では「自主広告」のようにファンがアイドルをサポートするカルチャーがありますから、早くに目をつけて多くのサポートをすることで「私が育てた!」という気持ちを持ちたいのでしょう。

日本でも、1990年代後半に『ASAYAN』という似たサバイバル・オーディション番組が放送されていました。この番組から「モーニング娘。」や「CHEMISTORY」などの人気グループが生まれ、敗退者からはあの「EXILE」のメンバーが生まれました。

時を経て、韓国式で展開された「PRODUCE 101 JAPAN」が、日本に輸入される形で成功したことは、日本でも再び音楽系のサバイバル番組がブレイクする予兆なのかもしれません。新たなサバイバル番組、新しいアイドルが生まれるのか、注目していきたいところです。

  • 西門香央里

    東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。推しには猪突猛進。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。Real Sound、いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEEなどに寄稿している。

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