北朝鮮崩壊、米中軍事衝突、食糧危機…コロナ後「悪夢のシナリオ」

北朝鮮崩壊で日本に大量難民が。食料も奪い合いになり……

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「中国の対応が不適切だった」と繰り返し批判するトランプ大統領。秋に大統領選挙を控え、責任転嫁に必死だ

国内では一人も新型コロナウイルスの感染者は確認されていない――。

北朝鮮のこうした「公式発表」を鵜呑みにする人はいないだろう。むしろ、医療体制も衛生状態も先進国より遥かに劣るかの国では、新型コロナ肺炎が蔓延していてもおかしくはない。龍谷大学社会学部教授の李相哲(りそうてつ)氏がこう分析する。

「北朝鮮が列車や飛行機による中国との行き来を完全に止めたのが1月末です。その前に中国と北朝鮮では春節の大型連休があり、両国間で人の往来がありました。北朝鮮国内にも多数の感染者がいるのは間違いありません。

近年、北朝鮮は観光に力を入れていて、多くの中国人が訪れていました。北朝鮮では、観光客を受け入れる税関で働くのは軍人で、観光地を案内するガイドはエリート層です。つまり、金正恩体制を支える軍人やエリート層が新型コロナに感染する可能性は高く、まずは政権中枢からコロナが広がっていくでしょう。

すでに朝鮮人民軍は食糧が不足している状態と言われており、そこにコロナが流行すれば、北朝鮮の医療体制では対応できません。エリート層や人民軍の間で多くの死者が出れば、金正恩は統制力を失う。長引けば、体制が崩壊し、大量の難民が生まれるでしょう」

ロシアの不気味な動き

世界情勢はさらに複雑だ。すでに米中は新型コロナウイルス蔓延の責任を双方が押し付け合う「舌戦」を繰り広げているが、今後、部分的な武力衝突の可能性もある。世界のアンダーグラウンドマネーに精通する元経済ヤクザの菅原潮氏が「米中衝突」の可能性を指摘する。

「以前から米中の貿易摩擦は激しくなっていましたが、それがよりエスカレートしています。一足先にコロナに苦しんだ中国としては、現在は米国を含めて世界中が弱っているチャンスです。

海外に医師団や医療品を送る『マスク外交』で習近平国家主席が存在感を高めると同時に、暴落した欧州の株式を中国企業が爆買いするなど、世界経済の新たな覇権を求めて活発に活動しています。しかし、それを米国が認めるはずがない。行き着く先は、米中の軍事衝突。その舞台となる可能性が高いのは、台湾海峡です」

反中勢力が政権を握る台湾は、いち早く新型コロナを「制圧」したとして、国際社会で大きな注目を集めている。そのため、中国政府に反対されている台湾のWHOへの加盟を認めるよう、国際世論が形成されつつある。

「台湾は中国の一部だと主張する中国政府にとって、台湾のWHO加盟は絶対に許せません。一方、米国にとってこれはチャンスで、トランプ大統領はWHOを『中国寄り』だと批判し、資金拠出停止を指示するなど、揺さぶりをかけています。これはWHOを舞台にした水面下の経済戦争なのです。

もし台湾のWHO参加が認められるような流れになれば、中国は何かと理由をつけて台湾海峡へ軍事進出してくる可能性もある」(菅原氏)

軍事的緊張の高まりに備えて、世界各国は食糧の確保を進めている。ロシアは小麦の輸出規制に乗り出した。国連も新型コロナに対処できなければ、世界的な食糧不足が発生すると警告する。

「ロシアではすでに穀物の加工品については輸出停止になっているとされます。米国には今のところ輸出規制する動きはありませんが、相手の弱みにつけ込むのが世界の常識です。米国が中国向けの食品輸出を規制するなどの動きに出れば、世界規模で食糧の奪い合いが始まるでしょう。

先進国の中で食料自給率が突出して低い日本には極めてまずい状況です。マスクが足りないどころの騒ぎではありません」(国際投資アナリストの大原浩氏)

コロナショックの悪夢は、まだまだ続く。私たちがコロナ以前の生活を取り戻すのは、しばらく先になりそうだ。

プーチン大統領は「事態は完全にコントロールできている」と談話を発表したが、ロシア国内でも感染者は急増
武漢封鎖でコロナ収束をアピールする習近平国家主席。「マスク外交」を展開し、虎視眈々と世界の覇権を狙う
4月10日に公開された金正恩委員長の近影。トランプ大統領は正恩氏から親書を受け取ったと会見で明かしたが、北朝鮮は否定するという不思議な一幕もあった

『FRIDAY』2020年5月8・15日号より

  • 写真アフロ

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