金正恩「健康不安説」が消えない理由~昔の写真を見れば納得…
北朝鮮の金正恩委員長(36)が、20日ぶりに公の場に姿を現した。朝鮮中央通信が、5月1日に中部・順川のリン酸肥料工場の完工式に同氏が出席し、テープカットを行なったと報じたのだ。
動静がわからなかった期間、正恩氏には重体説が流れていた。北朝鮮で最も重要な日とされる祖父・金日成氏の生誕日(4月15日)に姿を現さず、その後も消息不明。心臓血管の手術を受けたが術後の経過が思わしくなく、不穏な報道まであったのだ。
しかし、久しぶりに姿を見せたが、体型は以前のまま。健康不安説を完全に払拭できたワケではない。『コリア・レポート』編集長の辺真一氏が語る。
「正恩氏は以前から、体調を疑問視されていました。正恩氏が20代の頃と現在の画像を見比べると、年々体重を増やしているのがよくわかります。まるで別人です。最近では足を引きずり、手首に包帯をしていることもある。恐らくなんらかの疾患で、頻繁に転び手首を痛めているのでしょう。
身長は170cmほどですが、体重は130kgになると言われています。心臓などに相当な負担がかかっているのではないでしょうか」
正恩氏は、かなりのヘビースモーカーとして知られる。
「本人も、タバコが身体に悪いことを自覚しているのでしょう。16年には一度、禁煙したことがありますが3ヵ月と続かなかった。18年に韓国の高官が訪朝した際、正恩氏があまりにタバコを吸い続けるので、夕食の席で近くに座っていた李雪主夫人に『少し喫煙を控えてはどうですか』と言ったそうです。
夫人は悲しそうな顔で、こう答えたとか。『おっしゃる通りです。でも、私がいくら注意しても止めないんです』と」(辺氏)
飲酒量も相当なものだ。一晩で、ワインのボトルを10本以上あけることもあるという。
「正恩氏の父親・正日は、こう言っていました。『酒量は度量だ』と。どれだけ酒を飲めるかで、人間の器が決まるという意味です。正恩氏と親しいバスケットボールの元スター選手デニス・ロッドマンが訪朝した際、泥酔し宿泊先のホテルの廊下で大便を漏らしたことがあります。テキーラを相当飲んで、前後不覚になったとか。父親の影響を受けた正恩氏も、同じような飲み方をしているハズです。身体に良いワケがありません。
正日氏はたびたび、脳卒中や心筋梗塞で倒れています。それが命取りになりました。独裁体制では指導者は心を開いて話せる相手がおらず、相当なストレスを抱えているのでしょう。正恩氏も重圧を感じ、タバコと酒に走った。食事でも高級な肉や日本の寿司を、好んで大量に食べると言われています。
年々、体重が増えているのもうなづけます。夫人の他に、身体をいたわるよう忠告する人間もいません」(辺氏)
10年前と現在の姿を見比べると、体型が激変したのは明らかだ。どれだけ健在をアピールしても、現状では健康不安説が払拭されることはないだろう。
- 写真:朝鮮中央テレビ
- 写真:ロイター/アフロ