コロナ禍で求められる佐藤栞里 今や「トップアシスタント」のワケ | FRIDAYデジタル

コロナ禍で求められる佐藤栞里 今や「トップアシスタント」のワケ

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本来、娯楽であるはずのエンターテインメントに関するニュースまで、新型コロナウイルス絡みの重苦しいものばかりになってひさしい。

そんな中、今春にレギュラー化された『有吉の壁』(日本テレビ系)が底抜けの明るさで視聴者に笑いをもたらしているが、ムード作りに一役買っているのがアシスタントを務める佐藤栞里。「自分以外はすべて芸人」という視聴者に近い立ち位置から進行役を務めるとともに、その笑顔で有吉弘行の毒を中和するような役割も担っている。

飾らない魅力で老若男女問わず人気の高い佐藤栞里
飾らない魅力で老若男女問わず人気の高い佐藤栞里

佐藤は『笑ってコラえて!』(日本テレビ系)でも所ジョージのサブMCを務め、『王様のブランチ』(TBS系)でも女性MC(渡部建に続く事実上のサブMC)。さらに『ヒルナンデス!』の火曜レギュラー、『世界一受けたい授業』の準レギュラーであるほか、単発出演も多い。

バラエティのアシスタントやサブMCと言えば、女性タレントにおける最高峰のポジションであり、これまでは優香、小島瑠璃子、新井恵理那、あるいはアイドルや女性アナウンサーなどビジュアル優先のキャスティングが目立っていた。

その意味で佐藤の起用と躍進は異例であり、なぜ彼女が選ばれ、支持されているのか。その理由を制作側への取材をもとに掘り下げていきたい。

「ラブ」より「ライク」を求めるテレビ現場

佐藤が起用されている最大の理由が“親しみやすさ”であることに異論はないだろう。佐藤がブレイクしたと言われているのは、『笑ってコラえて!』の「朝までハシゴの旅」であり、初対面の一般人たちと気さくに話し、豪快に飲みまくる姿で好感度を得て、2015年10月には同番組のサブMCに抜てきされた。

その後も、『沸騰ワード10』(日本テレビ系)では庶民的な立ち食いへの偏愛を見せ、『こんな休日どうですか 内村バカリ南原出川が本気で考えた!最高の旅SP』(フジテレビ系)ではアンガールズ・田中卓志のカニ芸をモノマネするなど、気さくな姿を連発。今月5日に生放送された『ヒルナンデス!』でも、モデルであるにもかかわらず前髪のセルフカットに挑戦して、いい意味で視聴者を驚かせていた。

現在のテレビ番組でタレントに求められているのは、「ラブ」ではなく、「ライク」されること。美人は特定の人から「ラブ」されがちだが、佐藤は幅広い層の人々から「ライク」されている。

そのことは『王様のブランチ』の女性MCが優香、本仮屋ユイカ、新川優愛という美人女優路線から佐藤に変わったことや、『有吉の壁』も初回特番時は小島瑠璃子がアシスタントを務めたが2回目から佐藤に変わったことを見てもわかるだろう。

佐藤は親しみやすい上に、いい意味で色気を感じさせることがないため、女性層やファミリー層にもウケがいい。どちらも現在のテレビ番組にとって最重要な視聴者層であり、その他の層からも批判される要素がないから、制作サイドはどんなターゲットで、どんなスポンサーの番組でも安心して起用できるのだ。

また、『有吉の壁』で若手芸人たちを穏やかな笑顔で包み込んでいるように、共演者をなごませられることも、佐藤が重宝される理由の1つだろう。

所ジョージ、南原清隆、有吉弘行、堺正章などの大物MCから愛されているのも、佐藤が現場のムードを温かめているからではないか。

『有吉の壁』公式サイトより
『有吉の壁』公式サイトより

芸歴20年目、30歳を迎える節目の一年

これまで佐藤は決して無理して前に出ようとせず、笑いたいときに笑い、泣けてしまうときに泣くなど自然体のスタンスで番組に臨んできた。

そのスタンスは裏を返せば、「トークやリアクションに特筆すべきところはない」とも言えるが、芸人が大量出演するバラエティが全盛の現在、アクの強さを自然体の佇まいでやわらげられる佐藤の存在は貴重だ。

あまりコメントしなくても、そこにいるだけで場になじみ、場をなごませる。さらにその笑顔で「面白そうな番組」というムードを醸し出せる佐藤が重宝されるのは当然なのかもしれない。

そしてもう1つ忘れてはいけないのは、佐藤が芸歴20年目のベテランであり、今年7月に30歳の節目を迎えること。小学生時代から習慣づけてきた礼儀と笑顔、共演者やスタッフの意図を汲み取る力、上下の世代をつなぐやわらかさなど、一見地味だがアシスタントに起用されるさまざまな要素を持ち合わせている。

新型コロナウイルスの重苦しいムードが長期化しているだけに、今後はますます美しさよりも佐藤のような親しみやすさが求められていくのではないか。

大きな口を開け、目尻を下げまくって笑い、感動したら大粒の涙をこぼす。現役モデルなのに顔が崩れることをためらわない佐藤はそのシンボル的な存在だけに、まだまだ活躍の場は増えていくだろう。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月20本強のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

  • 撮影足立百合

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