コロナ禍で再認識「V6」歌って踊れるアイドルであり続けた25年 | FRIDAYデジタル

コロナ禍で再認識「V6」歌って踊れるアイドルであり続けた25年

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今、じわじわと、V6の存在感が“革変”を起こしている。

エイベックスが運営する「V6」オフィシャルサイトより
エイベックスが運営する「V6」オフィシャルサイトより

ライヴや舞台を通して、半世紀以上にわたって“生”の触れ合いを提供してきたジャニーズ事務所が、3月末から始まった外出自粛の動きにいち早く対応し、YouTubeやファミリークラブ会員向けブログを中心に、様々なコンテンツを提供し始めた。

YouTubeチャンネルで、ジャニーズで最大のファンクラブ会員数を誇る嵐が存在感を発揮しているのは当然として、“ファンに寄り添いまくり”“アイドルに徹し”“先輩後輩を結びつけ”、それでいて、“その成長と現在の実力を見せつけている”のが、今年デビュー25周年を迎えるV6だ。まだグループが結成される前、Jr.だった嵐のメンバーがバックを務め、二宮和也が親しみを込めて「V6兄さん」と呼ぶ“嵐の直属の先輩”である。

ライブツアー映像がGW中に100万回再生の快挙

1995年のデビュー以来、avexに所属しているV6は、4月15日にジャニーズの公式チャンネルではなくavexの公式チャンネルで、最新シングル「It’s my life」のミュージックビデオを公開したのを皮切りに、連日、52枚あるシングルのMVを新しい順に公開。合間合間で、シングルの特典映像と、2017年「The ONES」と2011年「Sexy. Honey. Bunny!」のライヴツアー映像も公開され、「The ONES」はゴールデンウィーク中に視聴回数が100万回を超えた。

ちなみに、アルバム「The ONES」の売り上げは前作越えの16万枚。それは、デビュー22年目にして、V6の大人のアイドルとしての人気が再燃していることを印象付けた出来事でもあった。

彼らの歴史を振り返ることのできる52本のMVにしても、「人狼」「沖縄VRバトル」などのバラエティ的特典映像にしても、2本のライヴ映像にしても、あらためて視聴して感じるのは、V6がアイドルとして理想的な“革命的変化”=“革変”を遂げてきたということだ。

熱愛が報じられていたV6・坂本昌行と元宝塚トップスター・朝海ひかるのツーショット
熱愛が報じられていたV6・坂本昌行と元宝塚トップスター・朝海ひかるのツーショット

24歳という、当時としてはかなり遅い年齢でデビューしたリーダーの坂本昌行は、よくミュージカル誌のインタビューなどで、「俺たちはアイドルだから」と語っていたが、坂本の場合はアイドルとしての偏見と戦おうとするのではなく、「“アイドルなのに結構できるんだ”と驚いてもらえるからトク」と、偏見や先入観を逆手にとり、仕事仲間たちを“ギャップ萌え”させていたようなところがある。

ジャニーズJr.時代、一旦ジャニーズを辞めて旅行代理店に就職した経歴を持つ坂本は、おそらく、デビュー前に大きな“革変”を体験しているのだろう。映画にもなった漫画『俺はまだ本気出してないだけ』ではないが、時々、他人を辛辣に批判しながら、自分のことは棚に上げて、「俺はまだ本気出してないだけ」と言い訳している人がいるが、「人を楽しませる」というエンターテインメントの世界では、常に本気を出し続けられる人しか残れない。

今は“国難”と言われるほど、国ないし世界全体がピンチに陥っているけれど、25年間アイドルを続けてきた彼らは、常に様々なピンチに直面してきたはずだ。

そして、グループの場合は、誰かがピンチになった時、別のメンバーがフォローできることが強みだ。V6の52枚のMVを追っていくと、“この時〇〇くんは革変したな”などと、メンバーの変化や成長に思いを馳せると同時に、彼らの楽曲を通して、自分がピンチだった時のことも思い出す。

私たちには、常に、それぞれの「有事」がある。でも、アイドルとしての人生を生きる彼らは、ずっと音楽を通して、寄り添ってくれた。自ら曲を作り、歌い演奏もするいわゆるアーティストと違って、レコード会社や事務所のスタッフも含めたチーム力を駆使して、コンスタントに楽曲をリリースしてくれるアイドルの音楽は、そうやって、ファンが日常を生きる上での“お守り”になっていく。

“気さくなお兄ちゃんたち”がライヴで見せる意外性

V6の存在を茶の間に浸透させたのは、バラエティ番組『学校へ行こう!』の存在も大きい。あの番組を通して彼らは、一般人を巻き込んだ“わちゃわちゃ感”を身につけたのではないだろうか。今回公開されているバラエティ的な動画にしても、メンバーの仲の良さが伝わりつつも、それぞれのやんちゃな感じが自然に出ていて、時々ヒヤッとしたり、ニヤッとしたり。

その“気さくなお兄ちゃん”たちが、いざライヴとなると、痺れるくらいにカッコいい。坂本の歌唱力はもちろんだが、歌番組程度にしか彼らを知らない人は、井ノ原快彦の歌唱のエモさに腰を抜かすのではないか。森田剛の存在感のエロさ、気怠そうなダンスのカッコよさに度肝を抜かれるのではないか。

年齢を重ねてどんどん美しさと愛らしさが加速している三宅健に平伏すのではないか。エレガントな歌と踊りを披露しながら、要所要所で人としての滋味を感じさせる長野博に、癒されまくるのではないか。25年の間に誰よりもたくさんの“革変”を繰り返しつつ、ステージ上では弟の顔に戻る岡田准一に、尊さを感じるのではないか。

その楽曲のよさ、歌唱力、ハーモニーの美しさ、ダンスの表現力、さらにトーク力、チームワークなど、どれをとっても、アイドルに偏見を持っている人たちのイメージを、鮮やかに裏切るはずだ。

やはり期間限定で配信されている「The ONES」のドキュメントムービーも見所が満載で、1時間45分にも及ぶ6人のメンバーの情熱大陸のような作りは、アイドルとしての矜恃と金言の宝庫だ。

井ノ原は、ファンの人たちに自分たちのライヴに本当に行きたいと思ってもらうために、「(公私共に)オレはhappyじゃなきゃいけない人」とまるで自分に言い聞かせるように呟き、三宅を筆頭に全てのメンバーがそれぞれの言葉で、「V6でしかできない表現がある」と語った。

今こそ、25年も“歌って踊れるアイドル”であり続けたV6の凄さは再認識されるべきである。

ジャニーズの奥深さを体現する6つの肉体と精神

ただ、筆者としては、avex公式YouTubeで、V6の動画に関してはコメント欄がオフになっているのがとても不満だ。ファンなら、今回公開されている映像は手元に持っているものだし、せっかくYouTubeで公開されたからには、コメント欄で“共感”と“解説”をしたいのに。

そんな不満を察してか、天性のアイドル・三宅健が、有料サイト「ジャニーズウェブ」内の自身のブログで、ハッシュタグ付きで、「この動画について呟いて」と連日発信している。ミュージックビデオの裏話なども詳しく綴られていて、充実の内容だ。井ノ原も、やはり自身のブログでMVに言及し、おこもり生活の中での所ジョージやヒロミにも似た趣味人ぶりや、後輩とのリレーメッセージでは、ふざけつつもギターの弾き語り動画で美声を披露し、ベテランアイドルとしての存在感を遺憾なく発揮している。

例えば今回のリレーメッセージで、井ノ原の面白さ、歌唱力に気づいた他グループのファンがいたら、ぜひ、YouTubeでV6の映像を掘って欲しい。

Jr.のファンなら、20年にわたって歌い継がれる「Believe Your Smile」の原点のイキの良さを目にすることができるし、Snow Manのファンなら、佐久間大介と向井康二が愛する三宅健が、どれほどアイドルとしての魅力に溢れているかがわかるだろうし、King&Princeのファン(ティアラ)ならファーストコンサートで平野紫耀、永瀬廉、神宮寺勇太が歌った「君が思い出す僕は 君を愛しているだろうか」の元祖の歌唱力を耳にし、ジャニーズの奥深さを知ることができるだろう。

さすがは25年間、6つの生身の肉体と精神が革変を繰り返しただけのことはある。25年を走り続けたV6の魅力の沼は、この逆境に直面することで、まだ“革変”しようとしている。

後輩たちには、立派になった背中を見せ、「追いつこう、追い越そう」と思わせながら、後輩グループのファンの心をV6のファンへとさらってしまうかもしれない。そのくらい、彼らの25年の軌跡は、奇跡的な瞬間の積み重ねなのである。

  • 取材・文喜久坂京

    ジャニヲタ歴25年のライター。有名人のインタビュー記事を中心に執筆活動を行う。ジャニーズのライブが好きすぎて、最高で舞台やソロコンなども含め、年150公演に足を運んだことも。

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