赤西仁の人気ぶりに焦り…?『野ブタ。』に重なる亀梨和也の葛藤 | FRIDAYデジタル

赤西仁の人気ぶりに焦り…?『野ブタ。』に重なる亀梨和也の葛藤

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今年1月にキャッチした亀梨。性格は真面目でメンバーにも気を遣うという
今年1月にキャッチした亀梨。性格は真面目でメンバーにも気を遣うという

新型コロナウイルスの影響で、ほぼ全てのドラマ撮影がストップしてしまった。そのため各テレビ局は、過去ドラマの再放送で今クールを凌いでいるが、むしろ視聴者からは新ドラマよりも歓迎の声が上がっている。

中でも好評を博しているのが、2005年に放送され社会現象を巻き起こした『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系、以下『野ブタ。』)だ。演じているのはKAT-TUNの亀梨和也(34)と、山下智久(35)、そしてこの作品でスターダムを駆け上がった堀北真希(31)。若く無敵であるはずの10代の不安と生きづらさを丁寧に描き、全ての世代の心に刺さった一作だ。

そして15年経った今、あらためて見ても『野ブタ。』は名作だと感じる。その要因は多数あると思うが、一番はやはり主演を務めた亀梨和也にあるだろう。なぜなら『野ブタ。』の主人公で、学校の人気者・桐谷修二は、亀梨和也そのものであると感じたからだ。

ドラマのストーリーを簡単に説明しておこう。高校二年の桐谷修二は、イケメンで何でもスマートにこなす、いわゆるスクールカーストのトップにいる存在。ひょんなきっかけで変わり者のクラスメイト・草野彰(山下智久)と、クラスのいじめられっ子・野ブタこと小谷信子(堀北真希)を人気者にする、というプロデュース業をおこなうことに。もちろん修二は自分の人気を落としたくないので、プロデュース業は3人だけの秘密。こっそりと進行される。

しかしその過程で修二は、何事も器用なだけで薄っぺらい自分と否応なく向き合うことになり、葛藤する。そして不器用ながらも自分らしく生き、着実に成長していく彰や野ブタの姿を見て、どうしようもない不安と焦りを覚え始めるのだ。

この修二の息苦しさと心の揺れ動きが、ドラマでは実に丁寧に、リアルに描かれている。それゆえ見る人誰もが共感を覚えたのだが、今にして思うと、この修二の心境は、まさに演じる亀梨和也の心境そのものだったのではないだろうか。

好対照な亀梨と赤西

『野ブタ。』に主演したときの亀梨は19歳。この4年前に結成された6人組アイドルグループ・KAT-TUNのメンバーであり、赤西仁(35、2010年に脱退)とツートップを務める亀梨は、ジャニーズファンから既に絶大な人気を得ていた。

亀梨はもともと野球少年で、小学生のときに軟式野球の世界大会に投手として出場したこともあるなど、抜群の運動神経の持ち主だ。当然、歌もダンスも上手く、バラエティ番組でのスポーツ企画や挑戦もの企画も、ソツなくスマートにこなす。本来なら焦りなど全く感じる必要のない能力の持ち主なのだが、これが幸だったのか不幸だったのか、隣には常に天性のカリスマ性を持つ赤西仁がいた。

赤西もまた、抜群の歌唱力とダンススキルの持ち主だ。しかし彼は、実力がありながらも努力を怠らずメンバー思いな亀梨とは違い、気分屋で我が道を行くタイプ。周囲に合わせることをしないうえ、嫌なことはやりたがらないなど怠惰な一面もあった。なのにひとたびステージ立つと、圧倒的な色気とオーラでファンを魅了する。そのためどんなに素行の悪さが目立っても、人気は全く衰えることがなかった。

アイドル優等生の亀梨からしたら、「なぜ?」「どうして?」という思いが常につきまとっていたのではないだろうか。そして修二同様、大きな不安と焦りを覚えたに違いない。

亀梨が『野ブタ。』で大ブレイクした翌年の2006年、KAT-TUNはシングル『Real Face』で華々しいCDデビューを飾る。が、その後の亀梨はグループ内のゴタゴタもあって、期待された以上の活躍は見せられなかった。

それでも『妖怪人間ベム』(2011年/日本テレビ系、2012年に映画も公開される)では、アイドルながら妖怪人間というキワモノ役に挑戦して評価を得たり、野球経験を生かしてスポーツキャスターを務めたりと、常に新たな分野への挑戦を続けてきている。そこからは、絶対に器用貧乏にはなるまいという、彼の必死の思いが伝わってくるのだ。

そんな亀梨の、『野ブタ。』以降の涙ぐましい15年を見てきた今だからこそ、修二の姿は当時以上に私たちの胸に刺さるのかもしれない。

  • 取材・文奈々子

    '72年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影島 颯太

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