アイドル「神宿」がコロナ禍でも新規ファン獲得に成功したワケ

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自宅からテレワークでアイドル活動

ファンと会える日を目指して、神宿はテレワーク活動で邁進中!(写真は2020年1月17日に東京・お台場ヴィーナスフォート教会広場でのライブのもの、神宿提供撮影)

新型コロナウイルスの影響で、ライブやイベントでパフォーマンスを披露することができなくなったアイドルたちが、自宅からの生中継や、リモート・ダンス動画の公開などで活動している。ファンと“生の時間”や“空間”を共有することで人気を得てきたアイドルたちは、現在の状況に何を感じているのか。5人組アイドルユニット「神宿(かみやど)」羽島みき(リーダー)と塩見きらにリモートでインタビューを行い、“ウィズコロナ”での活動の手応えと、“アフターコロナ”への思いを聞いた。(インタビューはゴールデンウィーク中に行った)

2014年結成の神宿は、グループ名「神宿」(KMYD)の頭文字となる「K=KAWAII(可愛い!)」「M=MAX(全力!)」「Y=YELL(応援!)」「D=DREAM(夢!)」を届けるため、東京・原宿を拠点に活動中。コロナとは関係なく握手会は行っておらず、楽曲やパフォーマンスのクオリティで人気を集めている。政府による緊急事態宣言発令の翌日となる4月8日に、自粛に努めるため自宅でのテレワークを活動の基本とすることを発表した。

神宿:左から/羽島めい、小山ひな、一ノ瀬みか、塩見きら、羽島みき(写真は2020年1月17日に東京・お台場ヴィーナスフォート教会広場でのライブのもの、撮影:竹内みちまろ)

リモート活動で新規ファン獲得も ライブできず、もどかしさ

--まず、今の活動状況を教えてください。

羽島みき(以下、羽島):自宅からライブ配信をしたり、SNSでファンの方とコミュニケーションを取ったりしています。メンバーの羽島めいは妹で一緒に住んでいるのですが、めいと一緒にケーキを作る動画などを制作して公開しています。

4月18日と19日には、過去公演「神宿5周年記念ワンマンライブ 神が宿る場所~君が君らしくあればいいのさ~」(2019年9月29日/千葉・幕張メッセ)をはじめとする合計8本のライブ映像をYouTubeライブにて配信しました。私は、アイドルのファンというものは、ライブを観に来てくださった方の中から生まれるものだとずっと思っていたのですが、今、神宿には、過去の公演映像やリモートで行っている活動を通して、新しくファンになってくださる方がたくさんいます。

新しいファンの方がTwitterで神宿のことをつぶやくと、昔からのファンの方が反応し、ファン同士で仲良くなるということも起きていて、嬉しい限りです。

ただ、「動画配信などを利用したコミュニケーションも楽しい」とは言って頂けますが、「やはり、ライブに行きたい」という声が多いです。ファンの方に会えない時期だからこそ、ファンの方にどうモチベーションを保って頂くのかが大事だと思っています。

羽島みき・めい:姉妹で動画作成も行っている(神宿提供写真)

塩見きら(以下、塩見):私は、4月16日にデジタルリリースされた新曲「在ルモノシラズ」の作詞を担当させて頂きました。私にとって初めての作詞で、神宿としてもメンバーが作詞を手掛けたのは初めてなのですが、自粛期間中は、よりよいコンテンツを作るために、家で新たな作詞に挑戦したりしています。

「在ルモノシラズ」は、自粛期間に入る前から、ネット中心のプロモーションを行う方針を立てていて、YouTubeに馴染みの深い層に刺さるよう、MVにもアニメーションを採用しました。スケジュールなどに若干の調整はありましたが、新曲のプロモーションとしては当初の予定通りに行っています。

メンバーが初めて作詞を手掛けていることもあり、「在ルモノシラズ」は発表した瞬間から、ファンの方がネットを利用して、「この歌詞はどんな意味なのだろう」と盛り上がってくださりました。だからこそ、ライブでファンの方に披露することが楽しみだったのですが、それが叶わず、もどかしさを感じています。

ファンの方に会うことができない今は、楽曲をはじめ、配信する動画など、ひとつひとつのコンテンツのクオリティがさらに求められるのかなと感じています。ライブができないことは悔しいし、苦しいのですが、だからこそ、“今できること”にどんどんチャレンジして行かなければならないのかなと思っています。

塩見きら:インタビューでは「アイドルとファンが会うことの価値”が高まっているのでは」とも(神宿提供写真)

“アイドルとファンが会うことの価値”が高まっている

--自粛期間中の活動を通して、“アイドルという存在”について改めて感じたことは?

塩見:「アイドルは会いに行ける存在」という印象が今の世の中にはある気がしています。私自身も、もともとアイドルが好きで、神宿に加入する前は、テレビの画面で出会ったアイドルのライブに行ったこともあります

テレワークでの活動が始まってから、メンバーが日替わりでYouTubeライブを利用した生配信を自宅から行いました。1回、1時間くらいのトークだったのですが、チャット機能もあり、新規のファンの方も増えました。日替わり配信はやってよかったなと感じています。

今は、ファンの方と会うことができないのですが、だからこそ、“アイドルとファンが会うことの価値”が高まっているのではないでしょうか。

神宿:コロナ自粛で新曲のファンへのお披露目がまだできていない(写真は2020年1月17日に東京・お台場ヴィーナスフォート教会広場でのライブのもの、撮影:竹内みちまろ)

羽島:「アイドルは会いに行ける存在」なのか……と考えると、どうなのでしょう。ただ、有名になってしまうと、ファンの方に会えなくなってしまいがちになる気がします。神宿は無名のころから活動を重ねてきましたので、神宿にとっては、ファンの方と一緒にライブやイベントを行うことは当たり前のことですし、どんなに有名になっても、ファンの方と会える時間を大切にしたいと思います。

「ステイホーム」の時間でも、“癒やしの場所”になれれば

--最後に、“アフターコロナ”への思いを教えてください。

羽島:個人的なことになってしまいますが、私はライブで失敗してしまうことが多くて、ライブが少なければいいなと思っていた時期がありました。ただ、ファンの方の前でライブをするという、これまでは当たり前だったことが当たり前ではなくなってみると、ライブという場所はとても大切なのだなと感じるようになりました。同時に、「今のままのスキルではステージには立てない」と思いますので、堂々とファンの方に会えるように、スキルアップをしたいと思っています。

この状況が一生続くわけではなく、ファンの方に会える日は絶対に来ると思います。ファンの方に会えたときは、その時間を思いっきり楽しみたいですし、自粛期間中に神宿を支えてくれたファンの方や、新しくファンになってくださった方々に、直接、感謝を伝えたいです。

塩見:この状況がいつ収束するのか分からず、私たちも手探りで活動しているのですが、今は社会のみんなが協力していかないといけない時期だと思っています。「ステイホーム」の時間の中で、神宿がみなさんの“癒やしの場所”になれればいいなと思いますし、私たちも、今の時間を楽しみたいです。

神宿はみなさんのことを悲しませることは絶対にしません。むしろ、これからどんどん期待してほしいです。

***

現代アイドルは、“会う”ことでより人気と知名度を高めてきた側面も持つ。神宿も、ライブやイベントを開催することができない。そんな中でも、神宿は“今できること”に全力で取り組み、自粛期間中も、テレワーク活動で前進を続けている。アフターコロナを見据えて、来年や再来年のライブ会場の確保なども進めているそう。

リーダーの羽島は、「今は、メンバーで集まってダンスの練習などはできないのですが、ライブができる日のために、メンバーそれぞれが自宅で筋トレを行ったり、神宿の楽曲を流しながらダンスの練習をしたりしています」と話してくれた。コロナでの自粛期間中に「アイドルとは?」と見つめ直す人もいるかもしれないが、神宿はぶれることなく、アフターコロナを目指して、活動を続けている。

【神宿とは】

原宿発の5人組アイドルユニット。2014年結成で、メンバーは、一ノ瀬みか、羽島めい、羽島みき、塩見きら、小山ひな。結成から5人で活動し、新メンバーの最終オーディションを兼ねた公演「LIVE DAM STADIUM presents 神が宿る場所~ここが私の生きる場所~」(2019年4月29日/東京・豊洲PIT)にて、塩見きらが加入。2019年9月29日には「神宿5周年記念ワンマンライブ 神が宿る場所~君が君らしくあればいいのさ~」(千葉・幕張メッセ)を成功させた。UUUM所属。

神宿:GW中に開催予定だった全国ツアー・ファイナル・シリーズの公演は振り替えを予定している(写真は2020年1月17日に東京・お台場ヴィーナスフォート教会広場でのライブのもの、撮影:竹内みちまろ)
  • 取材・構成竹内みちまろ

    1973年、神奈川県横須賀市生まれ。法政大学文学部史学科卒業。印刷会社勤務後、エンタメ・芸能分野でフリーランスのライターに。編集プロダクション「株式会社ミニシアター通信」代表取締役。第12回長塚節文学賞優秀賞受賞。

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