ここまできた「最新浮気調査」IT技術を駆使した現代の忍者たち

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アンジャッシュ渡部建が、複数人との不倫発覚で芸能活動無期限自粛というビッグニュースが世間を騒がせている。東出昌大の不倫騒動など大昔のことのように感じられるこの頃だが、緊急事態宣言も解除された今、世の中が通常モードの生活に戻るのと同時に、不倫関係にある人々もまた、その「活動」を再開することが予想される。

一方、withコロナ時代の浮気キーワードは「テレワーク」だという。浮気調査の大手、原一探偵事務所にも外出自粛期間中には、「テレワークといってデイユースのホテルや不倫相手の家に行っている」「テレワーク中のPC画面で不倫相手との会話を発見した」という相談が寄せられた。家にこもっていた反動が、これから浮気をしている側としていない側、それぞれに出てくるのではないかと予測している。

もしもパートナーの不倫が発覚した後、離婚するのか、結婚生活を再構築するのか。人生の大きな決断は、まずその事実に向き合うことから始まる。対象者に一切気づかれることなく真実を探る、原一探偵事務所に最新の浮気調査事情を聞いた。

自社工場でカスタムメイドされる調査用車両

どこにでもありそうな白いバンの中は、チームの指揮所に改造されている 写真提供:原一探偵事務所

浮気調査といえば、対象者の追尾調査だろう。対象者がいつどこで誰と会い、何をしていたのか。その証拠をつかむために活躍するのが車両だ。原一では現在、約100台の調査用車両を保有。本社に併設された自社工場で、様々なカスタマイズや修理を行っている。

外装だけでなく、内部も改造された調査用車両が並ぶ

水道工事のバンやピザの配達バイクも、外装を変えた調査用の車両だ。ピザボックスには、内部にカメラを設置し、小さな穴から対象の動向を撮影することができる。人や車両が長時間張り込むことができない現場では、こうしたバイクを活用する。どこにでもありそうな白いバンの中は、チームの指揮所に改造されている。ここではカメラがとらえた映像をリアルタイムで監視し、調査員に指示を出す機材が積まれている。

ピザ配達のバイクと思いきや、内部にはカメラが

「バイクを含む追尾用の車両には、すべて無線機が搭載されています。対象者に気づかれずに追跡するには、調査員の状況の共有が鍵となります。それを可能にするのが無線なんです」(調査員・若梅氏 以下同)

追尾では、各車両が「仲間の目」になる

今回、調査員の追尾訓練に同行した。訓練では対象者を演じるベテラン調査員が運転する車両を追尾し、浮気の証拠を記録する。訓練を受ける調査員は、対象者がどんなルートを通るのか知らされていない。実際の調査さながらの訓練だ。追跡調査は車両2台、バイク1台(調査員4名)が最小のチームとなる。追跡に使う車両にはすべて無線を装備。調査員がリアルタイムに状況を共有しながら、対象者を追う。

カーナビと無線の情報を融合し、先の先を読んで動く

対象車両から100メートルほど車間を空け、ナンバーを見られないように間に1~2台挟みながら追っていく。追尾中は3台の間で常に無線が交わされるが、万が一盗聴されたときに備え、独自の暗号を使った会話となっている。時折交わされる「逃げておく」というのは、進路変更で対象者に気づかれないようやり過ごすことだ。

途中、対象車両が急に進路を変更したり、渋滞や踏切でこちらの進行が阻まれたりすることもあるが、その場合は元鈴鹿レーサーの調査員が運転するバイクが先回りし、対象車両に近づきチームに状況を送る。

「追尾で重要なのは、各車両が仲間の目になること。車両の位置によって見える景色が異なるため、無線で信号や建物、道の様子、自分の位置など、見た物すべてを共有します。常に車両同士がバックアップできる体制になっているんです」

実際、芸能界や警察からも協力を依頼されることがあるという。

紙の地図、メモ帳、フィルムカメラ、マニュアル車だった時代

調査員歴20年という若梅氏によると、IT技術が普及する前の追尾は今と比べ物にならないくらい困難だったという。現在、追尾での地図はカーナビ、調査員の位置はスマホのGPS、対象者の撮影はデジタルカメラ、状況の記録は音声メモになっている。しかし20年前は運転席で紙の地図を広げ、フィルムのカメラを持ち、メモ帳に状況を手書きしながらマニュアル車を運転していた。

用途に合わせて使い分ける、様々な小型カメラとレンズ

「昔に比べると、本当に便利になりました。中でもすぐに撮影した証拠を確認できるデジタルカメラの出現は大きかったですね。以前のカメラはフィルムを大量に使うので、身体中にフィルムをたくさんつけて、瞬時の入れ替えに備えていました。暗いところでは高感度フィルムを使用するんですが、これが高価で(笑)。

機材が進化した分、調査員同士の情報共有を深めることができるようになったと思います」

暗闇での行為も白日のもとに晒す、調査機材

浮気の確実な証拠を得るために、調査員が使う機材はほかにもある。そのひとつが様々な形のカメラだ。ペン型のカメラはシャツのポケットに挿した状態で相手を撮影する。内部のMicro USBには、約1時間の動画が記録できる。サングラスのフレームにも小さな穴があり、ここから近距離にいる対象者を記録する。

普通の小物にしかみえないが、内部にはカメラやマイクが仕込まれている

ほかにもタバコ、車のキー、時計、ライターなどのカメラがある。これらはさりげなく店のテーブルに置き、調査対象を撮影するときなどに使われる。決まった場所の調査では置時計や火災報知器、ティッシュボックスのカメラが活躍する。会議室にこうしたアイテムが置かれていても、普通の人はほぼ疑うことはないだろう。

浮気調査では、夜間の追尾も多くなる。そこでは暗視カメラが使われる。実際に撮影した映像をみたが、まったく光がない河川敷に立っている調査員が昼間のように明るい背景で映り、服装や表情、動きなどをはっきり確認できた。真っ暗闇の公園などでは、こちらが見えないならまわりからも見えないだろうと思いがちだが、特殊な機材では浮気の現場がすべて白日のもとにさらされてしまうのだ。相手に悟られることなく、相手の動向を子細に把握する様は、現代の忍者のようだ。

人が立ち入ることが難しい場所での調査では、ドローンを使用することも

こうした調査はすべて、依頼者が新しい人生の選択をするために行われる。絶望から新たな一歩を踏み出すときに、本当に役立つ証拠を得るためだ。依頼者の多くは、ある程度の確信をもって探偵事務所を訪れるという。浮気相手と「会う日」「会う場所」だけでなく、「会う相手の情報」をSNSやスマホを通じてつかんでいることも少なくない。

依頼者がつかんでいる“情報”を“証拠”にするのが探偵の役割だ。「本当の証拠」をつかむために、新しい技術で武装した調査員が今日もどこかで対象者を追っている。

  • 取材・文浜千鳥

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