「妻へのDVで逮捕」ボビー・オロゴンがそれでも釈放されたワケ
頭は下げたが……。
46歳になる妻の顔面を指先で叩いた暴行の疑いで5月16日に現行犯逮捕されたタレントのボビー・オロゴン容疑者。だが、18日夜には埼玉県警浦和署から釈放された。
姿を見せたボビー容疑者は暗色のスーツに白いシャツ、黒いネクタイ姿。一緒に出てきた事務所関係者が、
「皆さま、本日はお集まりいただき、お騒がせして、申し訳ありませんでした。この度は関係者の皆さま、まずは妻、多大なるご迷惑をおかけし、まことに申し訳ありませんでした」
と、謝罪を代弁した。ボビー容疑者は3秒ほど頭を下げたが一言も発しなかった。
前日17日には妻がマスコミの取材に応じ、長年にわたるDV(ドメスティックバイオレンス)を告白。家庭内で、「弱い者イジメされている状態」だったそうで、夫から「家を売りたいから今すぐ出て行け!」とののしられ、ガスを止められたことや「協力できないなら、眠れなくしてやる。そうじゃなければ、離婚届をとっとと書いて渡せ!」と罵声を浴びせられたことなどを証言した。
ボビー容疑者は警察の調べに「暴力は振るっていない」と否認している。ワイドショー関係者の話。
「ボビー容疑者の自宅に報道陣が集まっているなか、奥さんは自ら出てきて喋った。容疑者のDVについて広く知って欲しいという意志表示なのかもしれません。夫の逮捕後、奥さんは浦和署に被害届を提出しています」
ボビー容疑者は‘01年から日本でタレント活動を開始。独特の語り口調で人気を博した。
また生まれ持った体格とパワーで格闘家としても活躍し、‘05年の「K―1 Dynamite‼」では元横綱・曙と戦い3―0で判定勝利している。
「実はクレバーな男。あの語り口調と天然ボケも、世間ウケを計算してのもの。株や不動産投資に精通し、‘16年には、『芸能界最強の投資家』として、プレジデント誌の取材も受けている。ロケ移動の合間にはスマホで株価を眺め、慣れた手つきで取引しています」(テレビ局関係者)
そうした活躍の反面、06年には当時の所属事務所で出演料を巡って大暴れ。机や椅子を投げ飛ばし、社長の胸ぐらをつかんだとして書類送検(のち起訴猶予)された。スポーツ紙記者は、
「‘04年のテレビ番組ではゲームセンターのパンチングマシーンで209キロを記録。一緒にいた元ボクシング世界王者の畑山隆則氏は192キロだった。そんな夫が相手では、奥さんも怖くて反抗できないだろう」と推察する。
ボビーとの間には3人の子供がいるが、皆、キレたら手がつけられない父親に戦々恐々としていたともいわれている。妻の証言が事実ならば、典型的なDV男、ということになる。今回のトラブルも、
「奥さんがボビー宛てに届いた手紙を断りなしに読んだのが発端とウワサされている。どちらにしても些細なことが原因」(前出・スポーツ紙記者)
とされる。それでもボビー容疑者は釈放された。
ネット上では「これはおかしい」「妻と子供が心配」「一刻も早く離婚するべき」という声が殺到。コロナ禍でDVが急増していることも背景にあろう。
「逮捕当日の時点で、釈放前提で捜査が進められていた。奥さんに目立った外傷はなく、ボビー容疑者が酒やクスリでおかしくなっているわけでもなかった。『民事不介入』という言葉があるように、これは夫婦間トラブル。いまの日本の法律でボビー容疑者を立件するのは非常に難しい」(全国紙記者)
とはいえ、今回の事件でボビー容疑者の“のん気な外国人キャラ”は完全に崩壊した。同容疑者がナレーションを務めるテレビ東京系『YOUは何しに日本へ?』はナレーターを「パックンマックン」のパックンに変更すると発表した。前出テレビ関係者は、
「コロナで日本全体がピリピリムードに包まれるなか、この手の事件は釈放されたとはいえ、ご法度。番組スポンサーがまず使いたがらない。しばらくボビーにはお声はかからないでしょう」
と話す。しばらく投資活動に専念するしかないようだ――。
写真:時事