シブコのコーチが明かす「メンタルの強化」と「パットの極意」

自宅でできる「シブコ流ショートパット練習法」も伝授

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
渋野日向子を支える青木翔氏は、’12年にゴルフアカデミーを設立。ツアープロやジュニアゴルファーの指導をしている

ちょうど1年前のワールドレディス・サロンパスカップでプロ初優勝を遂げ、スターダムに駆け上がった渋野日向子(21)。その彼女をすぐ傍(かたわ)らで指導してきたのがコーチの青木翔氏(37)だ。昨年8月の全英女子オープン制覇の快挙も、キャディとして愛弟子を支えた。

「もう1年が経つのかという思いがある一方で、全英から国内シーズンが終わるまでの4ヶ月がとても長く感じられた。正直、疲れましたね(笑)。彼女はもちろん、僕自身も人生が大きく変わりました」

’17年からコンビを組む二人の今季は、2月下旬のタイ遠征からスタートする予定だった。だが、大会は中止となり、国内ツアーも7月上旬の大会まで開催されないことが発表されている。照準の定まらない中でゴルフと身体のコンディションを整えることは容易ではないだろう。

「いま彼女は根を詰めた練習はしていません。球を打つのはせいぜい一日1時間から2時間程度。7月に国内ツアーが開幕できたとしたら、それからおよそ1年半は走りっぱなしになる。コロナの不安がある中で、やり過ぎると気持ちがとても保てません。現時点では手綱を緩めた形で練習しています。そのなかでも力を入れているのは身体作り。昨年末から3年計画でトレーナーさんについてもらって、スピードとパワーを重点的にアップするメニューに取り組んでいます」

渋野は今年末に米国女子ツアーの資格を得るためのQT受験を視野に入れており、晴れてツアーメンバーとなれば年明けには米国を主戦場とする生活が始まる。そして、夏場には延期となった東京五輪も控える。

「米ツアー挑戦に関しては、米国内の感染状況によっては流動的です。シブコを親御さんから預かっている立場なので、命の危険にさらすわけにはいかない。ただ東京五輪に関しては、僕らにとって出場は『マスト』。金メダルを目標にしたい」

全英では、首位を追う12番ホールのパー4で、ドライバーを手にし、池(ミス)を恐れず、果敢にワンオンを狙い、成功させた。青木氏が渋野の勝負強さの理由として真っ先に挙げたのは、「常に自分が下手だとわかっていること」だ。

「下手だと自覚しているからこそ、練習の課題を明確にできるし、できないことはコースに出たら絶対にやらない。昨年は自分が持っている技術で勝負して、結果を出したことで自信となり、全英で覚醒したんだと思います」

続けて、スコア100切りを目指すアマチュアゴルファーにも参考になる渋野のメンタルコントロール術を明かした。

「100が切れない方はミスを気にしすぎています。失敗を恐れて思い切り振らないよりも、気持ち良くクラブを強く振ったほうがミスの幅は狭い。練習場では左右に曲げているシブコがまさにその典型です。練習場にもなかなか行けない現在は、自宅で素振りすることをオススメします。バットや、ウェッジのような重めのクラブを2本持って、スイングの形よりも強く振り切ることを意識して振る。大事なのは右だけでなく反対の左でも構えて行うこと。身体のバランスが整います。バランスが整えば同じヘッドスピードでも飛距離が出るんです」

もうひとつ、渋野の魅力といえば強気のパットだろう。全英制覇を決めた18番の5mのパット(下りのスライスライン)も、もしカップを外れていたら大きくオーバーしていた。これは、外れたとしても返しのパットに絶対の自信があるからこそ。渋野はシーズン中、ラウンド後も日が暮れるまでショートパットの練習に時間を割いている。このショートパットこそ、スコアアップの決め手になると青木氏は話す。

「自宅でマットを敷いて1mのパットが30球連続で入るまで練習する。それができるようになったら、距離を2m、3mに延ばす。ショートパットに自信が持てると、3パットや4パットは減ります」

緊急事態宣言下の今だからこそ、いつも明るく前を向くシブコ流のパット練習に取り組んでみてはどうだろうか。

青木氏が指導法を明かした新刊『打ち方は教えない。』(ゴルフダイジェスト社)がヒット中

『FRIDAY』2020年5月29日号より

  • 取材・文柳川悠二撮影加藤 慶、ゴルフダイジェスト社

Photo Gallary3

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事