「自作DVDを売ってしのいでます」コロナ禍を生きる風俗嬢の苦境

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コロナ禍による緊急事態下、あらゆる産業に危機が迫ってきている。そんななか、水商売に携わる人たちはどうしているのか。都内で派遣型風俗店を経営する40代の男性オーナーが、現状と苦境を語ってくれた。

「うちは一般的な店と比べるとややマニアックな指向を押し出した店なんですが、5月になってから、東京都の要請に応じて店は完全に閉店しています。ですが、都からの感染拡大防止協力金の50万円はまだ振り込まれませんので、食い扶持を稼ぐために、うちはオリジナルDVDを制作して販売しています。

お店の女の子に出演してもらっているんですが、これが思っていた以上に大変で…。まず、普段働いている女の子は顔出しNGの子が多いので、DVD用に『顔出しで出てもいい』女の子を再度集め直しています。

僕は撮影しなきゃいけないので、出てくれる男性も同時に募集しています。両方見つかったら、これまで待合室に使っていた部屋をスタジオがわりにして撮影しているんですが、機材を揃えたりするのもまた大変で…。

DVDは30分から60分で、一枚7000円で販売しています。これまでウチで遊んでくれたお客さんに連絡して手売りしたり、マニアックな性癖の動画を扱っている業者に卸したりして、なんとか売上を出しているのが現状です。

そのなかから、女の子におカネを払うことで、仕事がなくてもお店を離れないようにしてもらっています」

小売業を始めることでなんとかその場を凌いでいる店舗がある一方、必ずしも新しい手を打てているところばかりではない。このオーナーは同業者の現況をこう洩らした。

「ウチは結構マニアックなことをやっている店なので、昔からのなじみのお客さんが結構いるんです。だから、動画を作っても買い手がつきますけど、普通の風俗店だと、一見さんで成り立っているところも多いから、店舗を開け続ける以外方法がないですよね。自粛要請を振り切って営業を続けているところも多い一方、知り合いの経営する店舗型風俗店はGW前に閉店を決断しました。

これからどうするのか聞いてみたら、“生活保護を受けながらコロナが収束するまで様子を見る”と話していましたよ。正直、ウチだってDVDを作るなんて苦肉の策で、会社全体としての売上は落ちています。いつまで続けられるかわかりません」

経営者よりも一層の苦境に立たされているのが、実際にサービスを提供している女性達だ。都内の風俗店に籍を置く20代の女性が、彼女達が置かれている惨状を語る。

「この仕事は、一番しのぎようがないですよね。そもそも身体を接触させることが前提で、“3密”の全てに該当するから働くのも怖いですし、開いている店で働こうにも、いまは新規募集もほとんどありません。店舗と女の子達を仲介しているスカウトマンの人達も大変だと思います。

風俗だけやってる子ってあんまりいないと思うんです、私も昼の仕事を持っていますし、人によっては学生や主婦と掛け持ちでやっている。風俗はあくまで副業なので、感染して本業や家族に迷惑がかからないように大人しくしている子も多いと思います。みんなおカネに困っているから風俗で働いているので、苦しくない人はいないでしょうね。

かといって、店から補償があるわけでは無いですから……お店と一緒に自作DVDを作っている子や、パパ活、ライブ配信でなんとか食いつないでいる子もいる。違法スレスレかもしれないけど、食いつなぐためには仕方がないですよ」

働く女性への補償に関しては、店舗側もなんとか捻出しようと苦慮しているものの、実現には至っていないところが多いだろう。苦しい胸の内を、先述の男性オーナーが明かしてくれた。

「大手の中には休業中も女の子に補償しているところもあるでしょうけど、個人経営の小さい店舗ではそうもいかない。事務所の家賃や自分の生活費を捻出するだけで精一杯ですよ。だから閉店を決断する経営者が後を絶たないわけです。

もちろん、女の子を店に繋ぎ止めるためにも、補償金を出せるなら出したい。ただ、経済産業省が発表した持続化給付金では、風俗業が対象外になっています。

受け取れているなら、最大で個人事業主なら100万円、中小法人なら200万円振り込まれるわけなので、それだけあればいくらでもやりようがある。私達だって、普通に税金を納めているんです。これが職業差別じゃなくて一体なんなんですか?

もう給付金が振り込まれているところもあるようですが、我々は申請すら許されていません。経産省には今からでも考え直して欲しいです。そうでなければ、今後も閉店して生活保護に頼らざるを得ない風俗関係者は続出するでしょうね」

夜の街の叫びは、一体どこまで行政に届いているのだろうか。

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